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2019年1月29日 水しか排出しない燃料電池車FCVはどこまでも走っていけそうな予感

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乗ってみて未体験の近未来を感じました

燃料電池車(FCV:Fuel Cell Vehicle)。その名のとおり、燃料電池で走るクルマで、国内では水素を燃料としたモデルを街で見かけるようになりました。が、FCVって、所有するイメージがわかないし、まだまだ手の届かない存在ですよね。

レンタカー業界で取り扱いを始めたFCVをさっそくオーダー。「1日300km走って感じてみよう!」ということで千葉から都心を抜けて、箱根までドライブ。片道150km、街なか、高速道、山道を走ってみました。

乗ってすぐわかる圧倒的な加速力、驚くほど静か

千葉駅前のレンタカー店で予約した燃料電池車(FCV)「MIRAI」に乗り込んで、発進。ドライブ(D)レンジにシフトを入れて、アクセルをふむと、スーッと走り出します。

走り出した時点でまず「おっ!」と思うのが、ガソリン車のようなエンジン音が聞こえてこないこと。アクセルを軽くふんでも、どかっと奥までふんでもです。当たり前だけど、このMIRAIには、エンジンがありません。エンジンのかわりに、FCスタックという小さな発電装置を介し、水素から電気をつくり、その電気エネルギーでモーターを回転させて走ります。

びっくりするのは、そのパワーが、大排気量エンジンのクルマと同じくらい、パワフルでクイック。さらに、アクセルを離すと、とたんに回生ブレーキが効きはじめて、放電と充電を繰り返すイメージが、ドライバーにすぐに伝わってきます。

画面には、エネルギーモニターや給電モニターも視界に入ってきて、運転していて楽しい。この感覚は、乗り込んで高速道路入口へむかう10分ほどで、体感できます。また、どれだけエコドライブできたかを100点満点で評価する「エコジャッジ」もこれまたクセになる楽しさです。

そしてなんといっても、この燃料電池車がすごいのは、排出するのは水(水蒸気)だけ。水素と酸素の化学反応で電気を生みながら走る乗り物ってことで、環境にすごくやさしいわけですね。

水素ステーションなんて気にしなくていいぐらいよく走る

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このMIRAIのインパネには、速度を表示する大きな数字や、トリップメーターのとなりに、もうひとつの数字が表示されます。高速道路に入る前の数字は「620km」。これ、なにを示しているかというと、水素を補充せずに走れる距離「走行可能距離」なのです。ということは、えっ!620kmも走れるってこと!?

そうです。このMIRAI、水素を“満タン”にした状態で、650kmも走ります。しかも、1回あたりの水素充填時間は3分ほどと、早い! 使い勝手はガソリン車と変わりません。

箱根まで片道150kmほどなので、水素を補充することなく往復できてしまいます。でもこの先、小田原から箱根へむけて、あの“山の神”が走った山道もあるし、エアコンも常にオンにして走るから、どうなるかわからない。

首都高湾岸線、都心環状線、東名高速道、小田原厚木道路と伝って走る道中、サービスエリアで休憩中に、センターコンソールにあるナビで水素ステーションをリアルタイム検索。万が一、水素が空っぽになりそうなとき、どこの水素ステーションが最短かも教えてくれるから、安心。

高速道路では風を切る音だけが聞こえてくる感じです。アクセルを大きめにふんで、前のクルマを追い越すときに、ピーーーーンという高周波の音が聞こえてくるぐらい。これはモーターの回転音か、FCスタックの起動音か、わからない程度。それだけ静かです。

山道も圧倒的にパワフルで、環境にとことんやさしい走り

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小田原厚木道路から、箱根ターンパイクへ。ここからが本格的な山道です。もうここまで読んでくれれば、ご想像のとおり。山道でもまったく非力さを感じません。むしろパワフルで、アクセルを開けたぶんだけ、前へ出るという感じ。無音の大型スポーツセダンを走らせてるような感覚で、あっという間に大観山展望台に到着しました。

結局、山道や高速道路、街なかと150km走ってみて、残りの走行可能距離は470kmを示していました。道路環境が変わっても、燃料消費については大きく変わらないんだなと、実感しました。それよりも、「あっ、これすごい!」と思ったのは、やっぱり走りです。どんなときでも加速はビューっと速いうえに、圧倒的に静か。思ってる以上に、クイックに走ります。そして、下りが……またすごい。

大観山から箱根関所、芦ノ湖を愛でて箱根駅伝の舞台、東海道(国道1号)を下ります。この東海道が、また急坂。転がり落ちそうな急坂では、ブレーキに加えてMIRAIに搭載されている「Bsモード」を選択。

このBsモードは、下り坂などでスピードをおさえたいときに使うシフト。強めの回生ブレーキが作用し、減速が得られるという仕組み。下りは「バッテリーに充電、充電、充電」というイメージで、ワインディングロードからの景色を体感しながら走っていきます。

災害時や停電時にも…走りだけじゃない、暮らしに入り込むFCV

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帰り道では、FCVが「頼れる!」と感じたシーンに遭遇しました。助手席のひとりに、急な仕事が入り、パソコンを開いたときです。「あっ、まずい。電池がもう、ない……」ということで、「コンセントあるかな」と探すと、ありました!

このMIRAIには、家庭用と同じコンセント(AC100V・1500W)が、車内に2か所あります。そこへ、オフィスや自宅と同じようにコンセントを挿せば充電が始まります。

このコンセント、実はもっと広がりと可能性を持ち合わせています。突然の停電や災害時に、このMIRAI のDCコンセント(CHAdeMO端子)から大容量の電力を供給。住宅や電気製品に、大出力の電力を供給できてしまうんです。こうした備えも必要になってくる時代かもしれませんね。

帰り道は、都心側で首都高の大渋滞にはまりましたが、街なか、山道、高速道と往復合計296km走って、走行可能距離は「169km」を示していました。途中、コンセントを使用したせいか、予想より若干、走行可能距離が縮まった感じです。

それでもFCV、あっぱれ! 水素ステーションの整備が進行中であることや、一般的なクルマよりも車両本体価格が高めであることなどで、まだまだ街で見かけることも少ないですが、まずとにかく、乗ってみてそのチカラを体感してみて下さい!

公共交通でも体感できる燃料電池車(FCV)

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燃料電池車は、レンタカーのほか、身近な乗り物で体感できます。たとえば東京都交通局の都営バス。2018年から、都営バスの都05-2系統(東京駅丸の内南口~東京ビッグサイト)で、量産型燃料電池バスが5台、走っています。

こうしたアクションは、水素社会の実現にむけて水素ステーションの整備拡大や燃料電池自動車・バスなどの普及に取り組む、東京都の試みのひとつです。

東京都環境局は、この燃料電池バスを2020年までに都内で100車両以上、普及させる構え。「燃料電池バス導入促進事業」の着実な実施、水素ステーションの整備促進で、バス事業者の取り組みをバックアップしていくとしています。

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――――環境省では、「水素社会の実現に必要な低炭素水素サプライチェーン」で、水素社会の実現のイメージを公開しています。 https://www.env.go.jp/seisaku/list/ondanka_saisei/lowcarbon-h2-sc/index.html

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