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2022.10.19

断熱リフォームで、快適に健やかに暮らすには?

断熱リフォーム

最近よく聞くSDGsやカーボンニュートラルの実現に向け、定年を迎えた今、次世代のために自分になにができるのかを考える継代(ツグヨ)さん。日本建材・住宅設備産業協会(建産協)の布井さんに、おうちの断熱リフォームについて教えてもらいました。

継代(ツグヨ)
継代

子どもは自立し、夫と2人暮らしの60代女性。理想の家・暮らしの実現のために、いろいろな人に話を聞いている。定年でおうち時間が増え、快適な暮らしを求め、これからもより一層生活を楽しみたいと思っている。SDGsやカーボンニュートラルといった言葉が普及するなか、次世代のために自分にできることを探し中。

夏は遮熱、冬は断熱が重要

継代 「断熱リフォーム」をすると快適で健康的な住まいを実現できると聞きました。どのようなことか教えてください。

布井 断熱リフォームを考える上で、まず、夏は家に日射熱を入れないことが大前提です。断熱性能の低い家は、窓や屋根などから外の熱が伝わって来てしまい、冷房をつけても部屋が冷えにくいのです。真夏の日なたに駐車していた車の中を思い出してください。

継代 わかります! フロント周辺は触れられないほど熱くて、車内の温度も上がっているので、なかなか冷房が効きません。

布井 はい、そこまで温度が上がってしまうと、冷やすのがなかなか大変になりますよね。日射や外の気温の影響を受けるのは、家も同じなんです。逆に冬は、日射熱を取り入れつつ、外に熱が逃げないようにすることが重要です。

継代 冬は、暖房をつけても、足元や、自分が座っているところが寒く感じることがよくあります。

布井 断熱機密性能の低い家では、暖房をつけていても窓などから熱が逃げてしまいますし、冷たい空気は下のほうにたまるので、足元などが寒く感じるのです。日本は床に座って生活する方が多いので、窓や床の断熱がとても有効です。

家の中の熱は、窓や床から逃げていく(※1)

家の中の熱は、窓や床から逃げていく(※1)

継代 断熱するには、具体的にどうすればよいのですか?

布井 一番簡単なのは、窓枠部分に内窓を付けて、外窓ガラスとの間に空気の層をつくることです。

ほかには、壁の断熱は少し難しい工事になりますが、天井や床については、剥がさずに断熱材を入れる比較的簡単な工法があります。

継代 断熱リフォームをすると、快適さや温度はどれぐらい変わるのでしょうか?

布井 家の状況や工事範囲にもよりますが、断熱することで外の暑さや寒さの影響を受けにくくなるので、リフォームの前と後とでは体で感じる室内温度が2度ほど変わると考えられます。

継代 そうすると、光熱費も抑えられそうです。

布井 断熱性能の低い20~30年前の住宅と、断熱性能の高い住宅の燃費を比べた場合、暖冷房費が年間約70%以上 低減するというデータもあります(※2)。

同じ暖房条件で設定温度を20℃にした場合の年間暖冷房費は、断熱性能

同じ暖房条件で設定温度を20℃にした場合の年間暖冷房費は、断熱性能が⾼い家では約1.1万円になるのに対して、断熱性能の低い家では約4.6万円になる(HEAT20が想定する暖冷房スケジュールで、電気料⾦を28円/ kWhとして試算)(※2)

断熱リフォームが健康リスクを下げる

継代 断熱リフォームは、健康にも良いと聞きます。

布井 トイレや風呂場などを含む室内の温度差をなくし、家全体を暖かくすると快適に過ごせます。WHO(世界保健機関)は、「健康のために室内温度を18度以上にしましょう」という強い勧告を出しているんですよ。

継代 そうなんですか! 家の中の温度が健康に影響するのですか?

布井 はい。断熱リフォームをする予定の人を対象に、リフォーム前と後の健康状態を国土交通省が調査したデータがあります。それによると、断熱して室温が安定することによって、血圧が低下したり、夜間頻尿が減少することなどがわかっています(※1)。

継代 ますますリフォームしたくなりますね!リフォームの相談は、どこにすればよいのでしょう。

布井 消費者が安心してリフォーム業者を選べるようにという目的で創設された、国土交通省の住宅リフォーム事業者団体登録制度というものがあります。お住まいの地域や工事の種類などを考慮して、登録団体のWebページからリフォーム事業者を検索することができるんです。断熱に関する専門的な知識を持ち、正しい判断や提案のできる優良な事業者を選ぶことが大切ですので、ひとつの目安として、参考にしてください。

補助金制度が充実!利用しない手はない

継代 断熱リフォームの費用が気になります。

布井 例えば、窓なら、1窓数万円~10万円程度で行うことも可能です。

継代 補助金制度などは利用できますか?

布井 環境省の「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」では、対象の高性能建材を使えば、集合住宅は1戸あたり15万円、戸建て住宅は120万円までの補助金が出ますよ。補助金制度は地方自治体にも多くありますので、各自治体のサイトも見てみてください。また60歳以上の方は、住宅ローンの「リ・バース60」や令和4年10月から取り扱いが始まる「グリーンリフォームローン」なら、対象住宅と土地を担保に毎月利息を支払うだけで済みます。

継代 高齢でローンを組むのは不安ですが、いろいろな支援があるんですね!

布井 はい。また、小規模なリフォームでは、国土交通省の「こどもみらい住宅支援事業」を利用した場合、小サイズのガラス交換1枚につき2,000円、内窓設置1カ所につき14,000円などから補助があります。

補助金制度はとても充実しているんです。建産協のサイトでも、補助金情報を見ることができます。

布井 家を持てば、リフォームの機会が何回か訪れます。そのついでに断熱リフォームをすれば、費用の面でも効率的だと思います。

継代 勉強になりました。第一歩として、断熱リフォームが我が家にどの程度必要なのか、セルフチェックをしたいのですが。

布井 CASBEE(キャスビー:建築環境総合性能評価システム)の「すまいの健康チェックリスト」やベターリビングの住宅における良好な温熱環境実現推進フォーラム「チェックシート」のほか、建産協のサイトの「断熱リフォームのチェックポイント」でも、簡単なセルフチェックができます。

継代 さっそくやってみます!

引用元

(※1)建産協ホームページ「こんなときは断熱リフォーム」(外部サイトへリンク)

(※2)HEAT20(一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会)『HEAT20の家』(外部サイトへリンク)

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