環境性抜群の電気や水素、ハイブリッドなど
自分に合ったエネルギーを選べる時代に

国沢 光宏
All About「車」ガイド:国沢 光宏
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自動運転はまだエリア限定、解決したい課題も

日本は、2030年度に温室効果ガスを2013年度比26%削減するという地球温暖化対策の目標を挙げています。そのころ、車社会はどうなっているでしょうか。車の技術は目覚ましく進歩するはずですが、話題の「自動運転」は、日本中すべての道路ではまだ実現していないと思います。

車は、人の命を運ぶものです。狭い道で、飛び出しなどの突発事故が起こったら?自動運転では反応が遅れて防ぎきれないので、道幅を広げるインフラ整備が必要になります。人間の判断なしに、命を預かる責任が取れるかという倫理的な面でも、時期がまだ早い気がしますね。もちろん、高速道路などエリア限定なら可能ですから、徐々に実現していくでしょう。

ガソリン車は激減して、新エネルギーが主流に

エネルギーについては、ガソリンだけで走る車は少なくなると予想しています。使い勝手のいい軽自動車は、まだ残るでしょうね。2030年の自家用車は、ガソリンと電気で走り、家庭で充電できる「プラグインハイブリッドカー」が主流になりそうです。

同じく電気を使う「電気自動車」もスタンダードに。現在は、長距離を走るときは外出先のスポットで充電が必要ですが、バッテリーが大容量になって、300kmくらいの日帰りドライブなら自宅の充電で十分です。電気自動車の電池は、古くなったら家庭用の蓄電池として再利用して20年は使えます。電気代はガソリンより安価ですし、お財布にもグンとやさしくなりますね。

CO2ゼロが増えて、社会全体でも排出量が大幅減

「燃料電池車」は、今は水素を作るコストが高いけれど、2030年には普及している可能性があります。電気自動車よりスピーディにチャージできて、走行できる距離が長い。バスやトラックにも使いやすく、駐車場に電源がない方にも便利な車です。排出するものは水だけで、電気自動車と同じくCO2はゼロです。

こうした新エネルギーが台頭して、ガソリン車が大きく減ってくれば、2030年の車社会全体のCO2排出量は大幅に削減できるでしょう。

エコに向けて頑張る自動車業界やメーカー

ユーザーは、ライフスタイルに合わせて、さまざまなエネルギーの車を選べるようになります。自動車業界やメーカーはCO2削減の意識が強く、2030年に向けて積極的に取り組んでいます。環境の視点から車を選ぶ「COOL CHOICE」によって、メーカーとユーザーの関係性においても、自動車産業が盛んな日本が、世界のお手本になればいいと思います。

「COOL CHOICE(=賢い選択)」にご賛同ください。

「COOL CHOICE」は、CO2などの温室効果ガスの排出量削減のために、低炭素型の製品・サービス・ライフスタイルを賢く選択していこうという取り組みです。未来の地球のために、「COOL CHOICE」に賛同して、できることから始めてみませんか?

◆ご賛同はこちらから
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◆COOL CHOICEとは
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この記事を書いた人

国沢 光宏
All About「車」ガイド:国沢 光宏

自動車ジャーナリスト。オートファッション、ベストカー、カートップなど、多数の自動車専門誌で執筆。新車記事から、クルマ選び、ドライビングテクニック、業界ニュースなど、広く深く掘り下げた記事が好評。