暖房時の室温を20℃(目安)で快適に過ごすライフスタイル

暖房時の室温を20℃にして快適に過ごすライフスタイル「ウォームビズ」。室内の冷暖房は年間を通じてエアコンを活用しているという家庭やオフィスも多いでしょう。では、ここで質問です。エアコンの設定温度を見直すことによる省エネや節電の効果は、夏の冷房と冬の暖房ではどちらが大きいと思いますか?

資源エネルギー庁が発行している省エネ性能カタログ2016年夏版(※)によると、夏の冷房時の設定温度を1℃上げた場合、年間で30.24kWhの省エネ、約820円の電気代が節約できるとされています。一方で、冬の暖房時の室温を1℃下げた場合、年間で53.08kWhの省エネ、約1430円の電気代が節約できるとされており、省エネ効果・節約効果ともに冬の暖房時の方が大きくなっています。(※)

今回は、省エネや節約を実践しながら、快適に過ごすためのポイントについて紹介していきます。

※ 省エネ性能カタログ2016年夏版はこちら
※夏の冷房時:外気温度31℃、エアコン(2.2kWh)の冷房設定温度を27℃から28℃にした場合(使用時間:9時間/日)
※冬の暖房時:外気温度6℃、エアコン(2.2kWh)の暖房設定温度を21℃から20℃にした場合(使用時間:9時間/日)

ポイント1
暖めすぎはムダ!

ウォームビズでは、暖房時の室温を20℃にすることを推奨しています。しかし、冬であっても陽光が差し込む室内などでは、昼間は20℃以上に暖かくなることもあるかもしれません。室内に温度計を置くなどして室内温度を把握して、暖めすぎにならないように配慮し、必要のない時にはエアコンを止めて運転時間を短縮するように心がけましょう。

ポイント2
窓などの断熱をしっかりと!

せっかく部屋の空気を暖めていても、ドアの隙間や窓などから暖かい空気が室外に逃げてしまう状態では、電気代がどんどんかかってしまいます。

とくに断熱性能の低い窓からは多くの熱が逃げていきます。新築・改築時などに複層ガラスや二重サッシなど断熱性能の高い窓にすることや断熱シートや厚手のカーテン、断熱性能の高いシェードなどを活用して、部屋の保温に配慮するのが効果的です。

ポイント3
室内の空気を循環させる!

暖まった空気は部屋の上部へ、冷たい空気は部屋の下部に溜まりやすい性質があります。扇風機やサーキュレーターで、上手に室内の空気を循環させるのも、エアコン暖房の効率を上げるテクニックです。

夏、扇風機を使う時は、部屋にいる人のからだに直接風を当てるような使い方が多いかと思います。でも、冬の場合は暖まった空気を上手に循環させてあげることが大切です。床に置く場合は天井に向けて風を送って、部屋の上部にたまった暖気を循環させるようにしたり、家具の上などの高い位置に扇風機を置いて、上部の暖かい空気を下の方に送り込むような使い方がおすすめです。扇風機が活躍するのは、夏だけではないのですね。

ポイント4
加湿器を活用する!

冬の外気は乾燥していることが多いですよね。エアコン暖房は空気を汚さないのがメリットのひとつですが、暖めた空気はやっぱり乾燥しています。室温は同じでも、湿度が上がると体感温度が高くなります。加湿器を活用するなどして室内の湿度を高めると、暖房の設定温度を抑えても快適に過ごしやすくなります。一般的に、室内の湿度は40〜60%程度に保つのが快適(※)であるとされています。

※建築物における衛生的環境の確保に関する法律では、相対湿度の管理基準値は40~70%と定められています。
  快適な湿度を40〜60%程度としているのは、複数のエアコンメーカーなどが公表している調査結果などに基づいています。

また、断熱性の高い壁や床などによる輻射熱が得られる部屋では、床や壁が冷たい部屋に比べて同じ室温でも体感温度は高くなることが知られています。既存の建物の壁や床の断熱性能を改善するのは大がかりになってしまいますが、家族が過ごすスペースに保温性能の高いカーペットを敷くだけでも、ずっとあたたかく過ごせるようになるはずです。工夫してみてくださいね。

ポイント5
きちんと手入れして節電!

エアコンのフィルターがホコリやゴミで汚れたままの状態だと、エアコンの効きが悪くなります。冬になって暖房運転で使用する前に掃除などのメンテナンスをしましょう。そして、シーズン中もできれば月に1回程度を目安(機種によって違いもあるので取扱説明書などを確認の上)にして、フィルターの掃除などを心掛けましょう。

また、エアコン室外機の吸い込み口や吹き出し口の近くに障害物が置かれていると、エアコンの効率が悪くなってしまいます。室外機にカバーを掛けっぱなしなどということがないようにして、周辺をきちんと掃除しておきましょう。また、雪が降る地域では、室外機周辺の積雪にも要注意です。

いかがでしょう。「このくらい、知ってるよ」という人がいる一方で「知ってるだけで、やっていない」という人も多いのではないでしょうか。そのような方も、ぜひとも一度試してみてください。

家族みんなで快適なウォームビズを実践して、地球温暖化対策に努めましょう。

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