再エネ スタートのイベント情報

再エネ スタートではご家庭、自治体、企業に
幅広くご活用いただけるように
様々なイベントを通して
再生可能エネルギーの情報発信をしてます。

イベントレポート

エナーバンク
「自治体が取り組む事業者向け
再エネオークション」

再エネオークションを導入した
自治体による座談会が開催

司会進行:
棚瀬啓介氏(地域脱炭素YouTuber)
村中健一氏(エナーバンク代表取締役)

登壇者:
盛月宏氏(さいたま市 環境局 環境共生部 環境創造政策課)
清野浩史氏(神奈川県 環境農政局環境部 環境計画課環境計画グループ)
大久保良太氏(新宿区 環境清掃部環境対策課環境計画係)

1月28日(金)、株式会社エナーバンク主催による「【企業の再エネ最前線】自治体が取り組む企業向け再エネオークション座談会」が開催されました。約50名の視聴者が参加し、自治体がどのようにして再エネの導入を推進しているのか、最新の事例が紹介されました。

電力リバースオークションサービス
「エネオク」とは?

まずはエナーバンクがここ2年間取り組んでいる電力リバースオークションサービス「エネオク」の説明から始まりました。エネオクのメリットについて村中さんは、「入札条件を設定可能で、再エネ比率の指定や特定エリアの施設をまとめて調達したいなど、自治体のニーズに柔軟に対応可能。職員の調達業務の負担を削減しながら、電気代を下げることができます。」と説明。エネオクは環境省、国交省、神奈川県、徳島県、多くの区市町村で導入がされており、宿泊施設と保育園施設の導入事例を紹介しました。
最後にエネオクが採用されている4つの理由を解説。「利用料無料のため、自治体は予算措置が不要。電力切替えのプロセスをITによって省略可能なこと、電力会社が参加しやすいプラットフォームの提供していること。そして、リバースオークションを実現している国内唯一のサービスである点が挙げられます。」

それぞれの自治体によって異なる
エネオクの取組み内容

次に参加した自治体担当者から、各自治体の取組みについて説明がありました。

令和3年1月、日経リサーチ調査の「全国市区・SDGs先進度調査」で全国1位のさいたま市。盛月宏さんは取組み内容を説明し、課題として認知度の低さとその対策を挙げました。「令和3年9月から開始した『さいたま再エネプロジェクト推進パートナー制度』は、登録いただいた推進パートナー企業にそれぞれの事業分野における市内事業者の支援や、プロジェクト周知の協力をいただいています。」

神奈川県の清野さんは「かながわ再エネオークション」で導入している、再エネを導入したい県内企業や団体内が共同購入できる仕組みを解説。集まったグループで購入することによるメリットが導入する側と供給する側双方にあることを説明してくれました。また、取組みをアピールする方法として認定証の交付を行っていることを紹介しました。「再エネ利用を促進する工夫として、再エネ電力への切替えを行った皆様に「かながわ再エネ電力利用事業者認定証」を交付して、事務所の入り口やホームページなどに表示掲載いただくことで、自らの取り組みをアピールすることに活用していただいています。」

東京都内で初めてエネオクを導入した新宿区の「新宿再エネオークション」のねらいとしては、「商業施設が多い自治体であることから、「新宿再エネオークション」を活用して事業者の再エネ導入を推進することにより、業務部門のCO2排出削減に取り組んでいきたいと考えています。そのためにも、手続きをスムーズかつシンプルにすることで、事業者がご利用いただきやすいようにしています」と大久保さんが語りました。

同じ「エネオク」でも、自治体ごとに取組み内容や周知の方法に違いがあることが分かりました。

再エネオークションの導入事例の共有が
脱炭素ドミノを起こす

再エネオークションを実施してみて各自治体が感じていることを
「約1年やってみて、実績は思ったほど数は伸びていません。事業者に話を聞くと不安要素、費用面の問題がまだあるようです」とさいたま市の盛月さん。
神奈川県の清野さんも事業者の不安が課題だと語りました。「事業者の不安を取り除くことが課題。どういった会社から見積とればいいのか、再エネ電力の購入に工事が必要かといった疑問にこたえることが、自治体の責務だと感じています」
「東京都の他の区からの、再エネオークション導入コストや実績の問い合わせが多くあり、関心の高まりを感じています。事業者への周知はまだまだ課題です」と、新宿区の大久保さん。

自治体による事業者向け再エネオークションはまだ始まったばかりです。これから導入を検討している自治体に向けて、導入にあたっての苦労やアドバイスについて意見を交換。最後に各自治体の今後の意気込みを語り、新宿区の大久保さんとさいたま市の盛月さんは、地道な周知活動の必要性を、神奈川県の清野さんは「事業者が自主的に参加できるプラットフォーム」の必要性を訴えました。

村中さんが、「先行している自治体の事例に対するニーズが高いと感じた。今後も事例を共有できれば」と語り、会を締めくくりました。脱炭素ドミノを進める手段として、再エネオークションが全国の自治体に拡大することを期待したいと思います。

オフィシャルサイトから、当日のダイジェスト映像が視聴できます。ぜひチェックしてみてください。

【企業の再エネ最前線】自治体が取り組む企業向け再エネオークション座談会
https://www.youtube.com/watch?v=LSAlsV8YS4E外部リンク