みんなの「再エネ」取組み

再エネを導入された個人、自治体、企業の方に
取材を行い
具体的な導入事例などを
ご紹介させていただきます。

国内初の「自然エネルギー100%大学」を実現!
持続可能な社会づくりに貢献する千葉商科大学の取組み。

今回の取り組みにおける流れ

住宅を始め、商業施設やコンビニ、レジャー施設等、身近にあるさまざまな施設で導入が進んでいる再生可能エネルギー。学びの場である大学でも、すべてのエネルギーを再生可能エネルギーにする取組みをしている事例があります。
今回は、大学内で再生可能エネルギーによる発電量と消費するエネルギー量を同量にする「自然エネルギー100%大学」を目指す、千葉商科大学の取組みを紹介します。

学生たちの「やってみる」というチャレンジから、全学のプロジェクトへ

千葉商科大学は、地球温暖化対策等の環境保全に貢献しうることから、2013年に日本の大学単体としては日本一大きいメガソーラー発電所を千葉県野田市の所有地に建設しました。翌年には、発電した電気を東京電力に売電する「太陽光発電事業」を開始。初年度の発電実績として、本学のある市川キャンパスで消費された電力の77%に相当することがわかったため、残り23%を省エネや創エネで削減することで、「自然エネルギー100%」の大学を目指す取組みをスタートさせました。
千葉商科大学では、教室で学んだ知識を実際に社会で使える力にするため、「やってみる」という学び方をテーマに、学生自らが課題や目標を設定し、さまざまな実社会でのプロジェクトに取組んでいます。その一環として、政策情報学部の学生が教職員とともに取り組んだのが、「省エネ・創エネプロジェクト」です。どうすれば、「自然エネルギー100%大学」を実現できるのか。学生たちがキャンパス内のエネルギーの無駄を調べ、省エネの余地を検討することで、学内で省エネや創エネの具体的なアイデアを提案しました。
やがて、こうした学部のプロジェクトは全学へと広がり、2017年度から学長プロジェクトとして推進されることになりました。

再エネ発電量=消費電力の「RE100大学」を実現

2019年には、再エネ発電量と消費する電力を同量にするという「RE100大学」を実現、電力を「つくる責任」を達成しました。さらに、メガソーラー野田発電所の発電分を、売り先であるみんな電力から非化石証書を付して買い戻すことで、市川キャンパス内の屋上太陽光発電と合わせて電力調達も再エネ100%を実現。電力を「つくる責任、つかう責任」を達成しました。
その他にも、キャンパス内でソーラーシェアリングをしながらぶどうを育て、地元産のオリジナルワイン造りをめざす活動を開始しました。
こうした取組みが評価され、国内外から多くの賞が授与されてきました。「第22回令和元年度 地球温暖化防止活動 環境大臣表彰」の環境教育活動部門での受賞をはじめ、2022年7月には7つ目の賞としてUNEP(国連環境計画)等が共催する「International Green Gown Awards」の「2030 Climate Action部門」を受賞しました。

市川キャンパスの電力の仕組み 市川キャンパスの電力の仕組み

「自然エネルギー大学リーグ」へと広がる取組み

自然エネルギー大学リーグの設立総会(2021年6月7日、東京・日比谷にて) 自然エネルギー大学リーグの設立総会(2021年6月7日、東京・日比谷にて)

千葉商科大学は、今後の環境目標として、2023年度に再エネ発電量と消費エネルギー量(電気+ガス)を同量にする「自然エネルギー100%大学」」の実現を掲げています。
また、こうした活動をさらに広げていくため、2021年に原科幸彦学長を代表世話人として「自然エネルギー大学リーグ」が設立されました。参加した全国9大学が、自然エネルギー100%を実現する過程を通じて、持続可能な脱炭素社会を担う人材を育成し、社会へ輩出していくことで「持続可能な社会づくり」という世界的課題の解決へ寄与することをめざします。

まず自らが行動することで、持続可能な社会の実現をめざす

千葉商科大学の「自然エネルギー100%大学」は、「まず、隗(かい)より始めよ」という考えで取り組んでいます。千葉商科大学の取組みを参考に、他の大学でも自然エネルギー100%を達成することで、社会を変革していくことを目的としています。
そして、さらに多くの大学や中小企業が、事業所単位で目標を立て、RE100をめざすことで、エネルギー地産地消型の社会へ転換されれば、雇用も生まれ、産業構造も変わる。みんなの力で、地域分散型のエネルギーを広げ、持続可能な社会へと変えていくことが日本の将来を切り拓くことになると信じて、さまざまなチャレンジをしています。

まずは自ら行動してみることで、より大きな目標の達成や社会課題の解決をめざす。千葉商科大学の取組みを参考に、まずはできることから取り組んでみてはいかがでしょうか。

https://www.cuc.ac.jp/about_cuc/activity/environment/index.html