地球温暖化防止コミュニケーター

地球温暖化と冬の気温

2019年2月28日掲載

地球温暖化の影響というと夏の猛暑ばかりが注目されがちですが、地球温暖化は冬の気温にも大きな影響を与えています。

(出典)気象庁「ヒートアイランド監視報告2017」より作成(※1)

冬の最低気温のこれまでの変化

私が子供の頃、1980年頃の東京では、冬の朝はいつも霜柱をザクザクと踏みながら小学校に登校していました。でも最近は霜柱を見ることが少なくなりました。
東京では、冬の日の最低気温が100年あたり6.0℃高くなっています。夏の最高気温は1.2℃高くなっていますので、冬の最低気温の方が、上がり方が大きいのです。
都市部では、地球温暖化だけではなくヒートアイランド現象に依る影響が大きい(2018年10月26日掲載のコラム「地球温暖化を伝える際に留意するポイント」参照)ですが、都市化の影響が小さい15地点(網走、根室、寿都、山形、石巻、伏木、飯田、銚子、境、浜田、彦根、多度津、宮崎、名瀬、石垣島)の平均でも、冬の最低気温は100年(*a)で1.9℃高くなっています。

(*a) 統計期間:1930年12月/1931年2月~2016年12月/2017年2月

今後、日本の冬はどうなる?

現状を上回る地球温暖化対策を取らなかった場合、日本の冬の平均気温(全国平均)は4.1~5.9℃上昇すると予測(*b)されています。
地域別に見ると、将来変化量が最も小さい沖縄・奄美で2.8~4.4℃、最も大きい北日本太平洋側で4.4~6.6℃上昇すると予測されています。

また、冬日(最低気温が0℃未満の日)や真冬日(最高気温が0℃未満の日)の日数にも変化があると予測されています。
冬日の年間日数は、北日本日本海側で65日程度、西日本太平洋側で32日程度減少すると予測されています。真冬日の年間日数も、北日本日本海側で38日程度、北日本太平洋側で32日程度減少すると予測されています。
例えば、札幌では現在(1981~2010 年観測値の平均値)の真冬日の年間日数が45日です。あくまでも単純な計算上の数字ではありますが、この日数が21世紀末には約7日になってしまうことに相当するのです。

(*b) 上記予測は全て1981~2010年観測値の平均値と比べた2076~2095年の計算結果(なお、都市化の影響は評価されていない)


(出典)気象庁「地球温暖化予測情報 第9巻」(※2)

冬の気温が低い年には「地球温暖化は起きていないのではないか」という声がよく聞かれます。
しかし、地球温暖化とは長期的な変化傾向です。
年ごとの傾向とその原因を理解した上で、長期的な傾向としては冬の気温は上がっていることを正しく伝えられるようにしましょう。

【参考資料】
(※1)https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/himr/h30/himr_2017.pdf
(※2)https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/GWP/Vol9/pdf/all.pdf

橋詰 尚子(はしづめ ひさこ)
地球温暖化防止エキスパートコミュニケーター・トレーナー
気象予報士/健康気象アドバイザー
元NHK「おはよう日本」気象キャスター

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