暖房時の室温を20℃(目安)で快適に過ごすライフスタイル
快適なのに省エネを実現!オフィスでの「ウォームビズ」を考える

環境省ではオフィスの省エネ対策検討の一助としていただくべく、雑誌『月刊総務』(ウィズワークス株式会社発行)に「ウォームビズ」に関する記事を掲載しました。今回はその内容についてのご紹介です。よりたくさんの方に知っていただくために、ウェブサイトの特集記事として改めてご紹介します。

「ウォームビズ」について

我が国は、2030年度に温室効果ガスの排出量を26%削減(2013年度比)する目標を掲げています。

この目標を達成するためには、家庭・業務部門で約40%削減する必要があり、それぞれの部門での効果的な取り組みが重要になります。この目標の実現に向けて、環境省では、冬の地球温暖化対策のひとつとして、暖房時の室温を20℃にして快適に過ごすライフスタイルであるウォームビズを推進しています。

ウォームビズは、地球温暖化対策のための国民運動「COOL CHOICE(賢い選択)」のアクションのひとつで、暖房時のエネルギー消費を減らすことによって、CO2の排出を削減し地球温暖化対策につなげることが目的です。今回は、オフィスにおけるウォームビズの取り組みと、同じくオフィスに関する取り組みとして、最新の「省エネ」技術を駆使した設備、施設面での取り組みである「ZEB(※)」について取材しました。

※ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)= 年間の1次エネルギー消費量がネットでゼロとなる建築物のこと

「ひと工夫」で快適に過ごすウォームビズを実践しましょう!

企業において「ウォームビズ」を実践することは、省エネにより暖房費を節約できるだけでなく、環境に配慮しているという点で、企業イメージの向上にも繋がるでしょう。では、具体的にどのようなアクションを行えばいいのでしょうか。

たとえば、室温を20℃にして「少し寒い」と感じる社員向けに、貸出用のブランケットを用意したり、からだをあたためてくれるジンジャーティーなどを用意しておくのもいいでしょう。オフィスビルで上下3階程度の移動には積極的に階段を使うことを推奨すれば、運動によってあたたまるばかりでなく、健康促進の効果もあります。簡単にできるひと工夫を取り入れることがウォームビズの重要なポイントです。企業の管理部門などにお勤めの方は、是非ご検討ください。


生姜パウダーやスライスした生姜を入れるだけでもOK。
ジンジャーティーは意外と簡単に作れますし、さまざまな市販品もあります。

オフィスの電力節約は、冬の空調が大切なポイント

ゼネコン各社は地球温暖化対策の必要性が高まっていることを受け、オフィスビルの省エネ性能向上に取り組んでいます。冬の暖房効率を向上させる省エネ性能は、夏の冷房効率向上にも直結します。

2011年に完成した鹿島建設の技術研究所本館研究棟は一般的な建物と比べてエネルギー消費量を半分以下(ZEB Ready ※)に抑えています。

(※)50%以上の省エネを達成した建物は、ZEBの一つのカテゴリーとして「ZEB Ready」と定義されています。

たとえば、内装材を用いずに天井面をフラットに施工し、このフラットな天井に沿って空調空気を送風する「ダクトレス空調システム」は、天井高の確保による開放感と空気の流れの効率化による省エネ性能向上の両立を実現しています。また、窓からの冷気(コールドドラフト)を吸い込んで暖かい空気を室内に供給する「ペリメータ床置き空調システム」など、コスト的にも汎用性の高い技術を採用して検証を続け、お客様にも建物の形状に応じて最適な「省エネ」技術を提案しているそうです。


鹿島技術研究所本館研究棟。同規模の一般的なビルに比べてエネルギー消費量を半分以下に抑えている。

ダクトレス空調システムやコールドドラフト対策を施した省エネオフィス空間のイメージ図。

窓から侵入する冷気(コールドドラフト)対策のイメージ。

日本初の『ZEB』を達成した大林組技術研究所本館

省エネ性能を備えた建築に、太陽光発電や大容量蓄電池を組み合わせ、2014年に日本初の「ZEB」を達成したのが大林組の技術研究所本館テクノステーションです。太陽光発電を中心としたスマートエネルギーシステムの運用とさまざまな環境技術を組み合わせることにより、再生可能エネルギーによる発電量でビルのエネルギー消費量を全て賄うことができたとのことです。

この本館のオフィスでは、社員各自が携行するICタグで在席を検知して稼働するパーソナル空調システムなど先進の省エネ機能を導入。高いレベルでエネルギー消費の抑制を実現しています。ビルが建設された2010年以来、研究開発はもちろん、社員自身がモニターとなって、より快適な設備のあり方や運用の改善に取り組んでいるそうです。


2014年に国内初のZEBを達成した最先端の省エネビルである大林組技術研究所本館テクノステーション。

本館屋上には約150kWの太陽光発電パネルを設置。設置角度による効率差などの検証も続けている。

各自の席の床面に空調の吹き出し口を配置。ICタグで在席を検知して自動的にON/OFFが切り替えられる。

低炭素型のライフスタイルを実践しましょう

ご紹介した最新の「省エネ」技術が広く普及していくには、まだまだ時間がかかるかもしれません。その間、我々に何が出来るかを考え、実行していただくことが大変重要です。

日本の温室効果ガス削減目標を達成するためには、最新の「省エネ」技術の普及に期待しつつ、一人ひとりが「ウォームビズ」などのような低炭素型のライフスタイルを実践し、地球温暖化対策についてできることから始めることが求められています。

冬のオフィスで暖房に頼りすぎることなく快適に過ごすために、個人が手軽に実践できる「ひと工夫」はいろいろあります。先に挙げたアクション例とも重複しますが、個人ができるウォームビズの具体的なアクションを上げておきます。

●デスクワーク中に羽織れる上着を用意しておく。
●休憩時にはあたたかいものを飲む。
●ひざ掛けなどを活用する。
●機能性インナー(肌着)などを活用する。
●移動時には積極的に階段を使う。
●血行をよくするストレッチなどを行う。

いかがでしょう、みなさんは、実践しているでしょうか。こうしたウォームビズの「ひと工夫」は、ことさらに特別なことではありません。寒い季節、日本で習慣として行われてきた過ごし方の知恵でもあるでしょう。是非、みなさんも積極的にウォームビズを実践してください!

「COOL CHOICE(=賢い選択)」にご賛同ください。
「COOL CHOICE」は、CO2などの温室効果ガスの排出量削減のために、低炭素型の製品・サービス・ライフスタイルを賢く選択していこうという取り組みです。未来の地球のために、「COOL CHOICE」に賛同して、できることから始めてみませんか?

◆ ご賛同はこちらから
http://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/join.html

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