地球温暖化の影響は北海道にも表れている。
置戸町のおけと湖でのワカサギ釣りが今年解禁になったのは1月10日で、
これは6年ぶり2度目となる年が明けてからの解禁となった。
暖冬により氷の厚さが確保できず、オープンが遅れたのだ。
毎年ワカサギ釣りを楽しみにしている人たちにとっては、
待ちに待った解禁日となった。


取材：北海道放送

大小様々な氷の像に加え、高さ7m、奥行き27mの大雪像すべり台などで
大人気のおびひろ氷まつり。しかし今年の帯広の積雪量は平年の3分の1
ほどで、会場に集められた雪も例年の4分の1ほどしかないという。
祭りの実行委員会は、大雪像の規模を小さくしないで良いように、土台などに
氷を使う工夫をしている。雪がない中でも子どもたちが楽しめるものを作ろうと
取り組んでいる。この雪不足に頭を抱える人は他にもいる。帯広の隣の
芽室町では、緑色の小麦畑が広がっているが、いつもならこの時期には
雪に埋もれて見られない光景だ。こんな雪が降らないのは初めてだと農家の
方も話す。秋に種をまいた小麦は積もった雪の保温効果で冬の間に
凍ることなく春を迎えることができるが、雪が少ない今シーズン、
畑の土は凍りついてしまっているのだ。
このままでは小麦の根が凍って切れてしまい、生育が遅れたり枯れてしまう
おそれがある。この危機的状況を乗り越えるため、恵みの雪を待ちわびている。


取材：北海道放送

青森県は2013年、さまざまな気象災害に見舞われた。
まずは2月の豪雪だ。酸ヶ湯の観測地点ではこれまでの記録を
65cmも上回る5m66cmもの積雪を観測した。この豪雪は市民生活に
大きな影響を与え、ねぷたの骨組みをしまっていたねぷた小屋が倒壊したり、
岩木山神社の社務所が壊れるなどの被害が各地で相次いだ。また津軽地方の
リンゴ園では雪によって枝が折れたり幹が割ける被害が拡大し、減収を含むその
被害額は107億円を超えた。6月には1ヶ月の降水量がわずか9ミリと
観測開始から131年間で最少の記録を更新した。しかし夏、温暖化の影響か、
大雨がおよそ10日おきに津軽地方を中心に襲い、8市町村ののべ60棟以上が
浸水被害にあった他、各地で土砂崩れも発生した。そして9月には台風18号の
影響で、県内の8ヶ所で1日の降水量が観測史上最多に。県内の約1万2000世帯、
3万2000人あまりに避難勧告や避難指示が出され、住宅被害も900棟に上った。
岩木川流域では水が引いたあとも冠水したリンゴの木に多くの泥やゴミが残され、
腐り落ちたリンゴの山が積み上がった。リンゴ農家の方々にとっては不安な日々が
続いている。


取材：青森テレビ

世界中で急速に進む温暖化。
岩手でも進んでおり、盛岡市では
１００年あたり１．５９℃の割合で
年平均気温が上昇している。
これらは人間活動による温室効果ガスの
増加が主な要因である可能性が極めて高いと
言われている。
温暖化は、記録的な高温や豪雨という形で
日本に災害を引き起こしており、それに対する
備えが必要になっている。
しかし、長続きしにくい無理した取り組みを
するのではなく、環境に関する知識を増やし、
自分が普段やっていることが環境にやさしい
ということに気付くことが重要になる。
温暖化の防止には、知り、
そして行動することが必要なのだ。
また、温暖化は岩手の果物にも影響を与えている。
ここ数年、岩手のりんごは気温の上昇により、
なかなかキレイに着色していなかったのだ。
そこで、暑さに強い新品種「紅いわて」が本格的に
生産され始め、人気が高まっている。
気温の上昇により、桃などの暖かい地域に適した果物の
栽培が可能になることも予想され、新たな品種や技術の
導入が求められる。


取材：IBC岩手放送

仙台市青葉区にある五色沼。ここは明治時代にアメリカ人やドイツ人が
学生らにフィギュアスケートを指導したことから、日本のフィギュアスケート
発祥の地とされている。しかし今では薄っすらと氷が張る程度で、
滑ることができない。この五色沼でスケートを楽しめたのは昭和40年代
までだったが、当時は厚さが15センチほどあり、5～60人が上がっても
大丈夫だったという。それが今ではなぜ滑れなくなってしまったのか。
その理由に温暖化が考えられる。1920年代には仙台では
年間の冬日（一日の最低気温が摂氏0℃未満になる日）日数が
100日を超えていたが、今では60日ほどになっているのだ。さらには
12月から2月までの平均気温もこの100年で3.3℃も上昇している。
五色沼はこのような仙台の温暖化やヒートアイランド化を象徴する
スポットになっていると言えそうだ。

取材：東北放送

私たちが日常生活の中で排出している二酸化炭素など温室効果ガスの
増加で、地球は少しずつ、確実に温暖化へと向かっている。それは当然
秋田県にも言え、およそ100年の間に年平均気温は1.22℃上昇している。
また、年間降水量はここ30年間変動が大きくなっている。このままだと
2080年から2100年頃には日本周辺で2℃から3℃の気温上昇が見込まれ、
さらに温暖化によって大気中に含まれる水蒸気量が増えるため、降水量が
増える傾向にあるという。また、温暖化で雪が雨に変わることにより、
一冬の降雪量が今より60センチ減少し、将来、伝統的な小正月行事の
開催が危ぶまれることになるかもしれない。その一方で、数年・十数年に
一度の大雪がなくなるわけではなく、大雪への備えを忘れない暮らしが
重要になってくる。
私たちの次の世代、さらにその次の世代のことを考え、
温暖化について今一度考える必要がある。

取材：秋田テレビ

急速に進む地球温暖化。
山形県でも温暖化の影響を受けているものがある。
それは山形の冬の風物詩「蔵王の樹氷」。
地球温暖化に伴って樹氷の高さや期間などに
変化が起きているのだ。
さらに、あと１℃平均気温が上がれば、
樹氷が出来るのが難しい状態になってしまう。
地球温暖化はとても身近な問題なのだ。
そんな温暖化対策に、誰でもできる新しい
省エネスタイルがある。
「ウォームシェア」だ。
一人ひとりが各部屋で暖をとるのではなく、
みんなで一つの部屋に集まって過ごせば、
エネルギー消費を減らせるし、
コミュニケーションも深まるという省エネスタイル
である。
環境問題は一人ひとりの心がけなのである。

取材：山形放送

地球温暖化の影響は福島県内にも及んでいる。
福島地方気象台によると、 この１００年で福島の気温は1.5Ｃ上昇したという。
また、最高気温は１００年で0.4Ｃしか高くなっていない反面 最低気温は2.3Ｃも高くなっており、最低気温が下がりにくくなったといえそうだ。
こうした影響は農作物の作付や花の開花などにも表れてきている。
今年、福島県いわき市のフラワーセンターで、1月初旬からロウバイの花が開花した。
ロウバイとは中国が原産の落葉樹で、黄色の花びらが蝋に似ていることが 名前の由来となっている花である。
今年は年末から年明けにかけて暖かかったことから、昨年よりも2週間ほど 早く開花した。


取材：福島中央テレビ

今年の冬はとても寒く、本当に地球温暖化なんて進んでいるのかと
思いがちだが、着々と進んでいる。日本の年平均気温はここ100年で
1.14℃上昇しているのだ。そしてこの影響は新潟でも見られる。
まずは豪雨だ。2011年の新潟・福島豪雨は記憶に新しいところだが、
気温が上がると大気中にこれまでよりも多く水蒸気を抱えることができ、
水蒸気の量が多くなっている分だけ降る雨の量も増えてしまうのだ。
新潟では平均気温が上昇し、積雪量は少なくなるという傾向が見られている。
ウィンタースポーツなどのレジャーで観光客が県外や海外からもやってくる
新潟だが、温暖化による積雪量の減少が続けば、スキー産業の衰退につながる
可能性もある。また、温暖化による自然環境の変化も懸念されており、
桜の開花時期が早まったり、南方系の昆虫が北上するなどの現象も起きている。


取材：新潟放送

地球温暖化の影響は長野県内にも及んでいる。
地球温暖化とは、大気や海の平均温度が長期的に
上昇する現象である。世界と日本の平均気温はこの100年で
およそ1℃上昇しているが、1980年代からの30年で見ると、
その3倍から5倍のペースで上昇している。
また、県内の平均気温の推移には季節によって偏りが見られる。
冬の気温の上がり方が大きく、春はあまり上がっていないのだ。
2013年の春、果樹を中心に全県で33億円もの被害額を出した凍霜害だが、
冬が暖かくなることで植物の動きが早まるため、今後さらに被害が大きく
なる恐れがあるという。
国連のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の報告書によると、
人間活動が地球温暖化をもたらした可能性は95％以上だという。
このまま何も対策をとらなければ、今世紀末には世界平均気温は4.8℃、
海面は82cmも上昇するという。
そして、世界各地で相次ぐ干ばつや竜巻、豪雨などは地球温暖化が
引き起こしていると警鐘を鳴らしている。
どのような社会を人間が選択するかで、気温に変化がでることはわかっている。
各自が二酸化炭素などの温室効果ガスを減らすため、対策を打っていく必要がある。

取材：長野放送

長野県は青森県に次ぐ全国2位のりんごの収穫量を誇る
りんごの名産地だが、20年ほど前からりんごにも
温暖化とみられる影響が生じている。
着色が悪くなり、収穫が遅くなっているのだ。
また、果実が日光を浴びすぎて、温度が上昇することによって起こる
果実の日焼けも問題となっている。
年平均気温が6℃～14℃で適度な日光と夜の涼しさがりんごの栽培適地の
条件とされており、長野県はりんご栽培の南限とも言われているが、
温暖化によりその栽培環境は大きく変わりそうだ。
今の社会状況が続くと、2001年からの20年に比べて2041年からの
20年間は平均気温が2.4℃も上昇する可能性があり、
そうなれば現在はほぼ県全域がりんごの栽培適地なのが、千曲川沿いの平地や
松本盆地などが栽培適地から外れ、さらに県内の平均気温が
4.6℃上昇することが予測される今世紀末には、多くの地域が栽培適地から
外れることが予想される。
この予測結果を受けて県は、短期的な対策として光を遮る効果のある
ネットを試験的に使用し果実の日焼け発生率を下げたり、中長期的な対策として
シナノホッペなどの温暖化に対応できる品種の開発を行うなど、県内のりんごを
守るための取り組みを進めている。

取材：長野放送

地球温暖化は米にも影響を与えている。夜間の高温が続き
でんぷんが蓄積されず米に空気の隙間ができ、白く見えてしまう
白未熟や、高温で水分バランスが崩れて実が割れてしまう胴割れにより、
米の市場での評価が下がってしまっているのだ。
昼暑く夜涼しい好条件に恵まれていた長野県だが、残暑が厳しかった昨年は
一等米の比率で全国3位となり、11年続いたトップの座を明け渡してしまった。
この問題への対策として県では新品種の開発を進めている。
出穂後2週間から3週間の高温が障害の発生に影響するため、コシヒカリに
比べて3日ほど出穂期が遅く、最も暑い時期を避けられる新品種、風さやかは
高温障害をある程度避けられる品種として期待が高まっている。
JA須高管内の小布施町では、風さやかの栽培を今年の5haから来年は80haに拡大する
方針だ。県や全農長野は、風さやかをコシヒカリ、あきたこまちに次ぐ3番手の
品種に育てたいと考えている。
他にも県では8月末から9月上旬収穫の早生種や、10月上旬収穫の晩生種など、
長野の気候条件に合った米の開発に取り組んでいる。


取材：長野放送

今年の夏、山梨県は連日猛暑に見舞われ、
甲府と勝沼では１６日間連続の猛暑日となった。
この暑さで熱中症患者も過去最多となり、農作物にも
大きな影響を与えた。
しかし、影響を受けたのは人間や農作物だけではない。
鶏にも大きく影響したのだ。
県内の農場では暑さで鶏が餌を食べず、卵が大幅に
小ぶりになった上、産む量も３分の２にまで減少。
この鶏たちが暑さから回復し、生産が元に戻ったのは
１１月上旬だったという。
さらに今年は１２月に入ると急激に冷え込んだため、
気温に敏感な鶏には、また卵を産み控える気配が出始めた。
鶏も身繕いしている暇がないのだ。
生産者は鶏の夏バテ対策として数年前から飼料の中に
ニンニクを混ぜるなど工夫しているが、特効薬は
見当たらず、早くも来年の夏に頭を悩ませている。

取材：山梨放送

気象の異変をめぐる一年であった2013年。
富山県内で梨の花が満開となる5月の平均気温が過去20年間で最低を記録し、
暖房器具が売れるという異常事態が起こり、また5月の降水量は
観測開始以来2番目に少ない事態であった。
しかし7月に入ると、上旬から最高気温が30度以上の
真夏日が9日間続き、過去最多となった。
さらに夏日（最高気温が25℃以上の日）が129日間、6~8月の平均気温も
過去2番目の高さと異常気象が続いた。
この異常気象はコメ農家を直撃。雨の多さも際立ち、浸水被害や土砂災害が多発。
気象庁は特別警報の運用を開始した。
10月に入っても猛暑が続き、富山県南砺市では10月の最高気温が全国三番目の
34.3℃に達し、富山市の10月平均気温は18.4℃と観測開始以来、最高となった。
IPCC（気候変動に関する政府間パネル）は
今後温暖化が進めば、異常気象は増加する可能性が高いと警鐘を鳴らしている。
迎えた11月、夏の異常気象とは打って変わり、富山市の平野部での
初雪は過去三番目の早さであった。
記録ずくめの今年の異常気象。それは一体何を意味するのか。
気象の異変が続いた一年であった。

取材：富山テレビ

毎年美しい紅葉で私達を楽しませてくれる
白山スーパー林道。しかし今年は異変が起きている。
紅葉の名所として人気で、石川県内外から多くの
人が訪れているが、今年の紅葉は例年と少し様子が
違うのだ。
例年は朝の気温が１０℃以下になる１０月上旬頃から、
標高の高いところから色付き始めるが、台風２４号の影響で
山のおへそにある背の高い木は強風で葉が傷み、色付きが
思わしくなく、また気温の高い日が続いたことにより、
紅葉の進みがまばらとなっていて、山全体が紅葉に
染まる景色は見ることができなそうだ。

取材：石川テレビ

福井県の秋の葉の色付き方の状況が変わってきている。
イチョウの葉が平年の黄葉日を向かえても、
色付く気配を見せないのだ。
これは今年の厳しい残暑によるものだと考えられるが、
色付きが遅くなっているのは今年だけではない。
２０００年代に入ってからは毎年の黄葉日が１１月下旬に
集中していて、３０年間で２４日も遅くなっている。
気温の上昇だけが要因とは言えないが、要因の１つとは
言えるかもしれない。
気温の変化は、自然にも変化を与える事例と言えるだろう。

取材：福井テレビ

地球温暖化の影響は、静岡県の特産品であるミカンにも及んでいる。
皮と果肉の間に隙間ができてしまう浮き皮現象が起こっているのだ。
この現象は秋の気温が高く雨が多くなると起こりやすく、
こうしたミカンは傷がついたり腐りやすくなり、味や品質が
悪くなってしまうのだ。農家では以前なら11月に収穫を終えていたが、
温暖化の影響で気温が下がらず、色付きが遅れるため、約1ヶ月収穫を
遅らせている。しかし暖かい秋を越えたミカンは浮き皮になりやすいのだ。
また、収穫を遅らせることで木に与える負担も大きくなり、実が多い
表年と少ない裏年との収穫量の差が年々大きくなっている。ここ数年、
裏年は表年の3割ほどしか収穫できていないという。こうした浮き皮
現象の被害を最小限に食い止めようと、県の果樹センターでは研究が
進んでいて、その年の浮き皮の危険性を予測し、農家に伝えたり、
植物ホルモンの効果的な使用についても調べている。
静岡の特産品であるおいしいミカンを守るためにより効果的な対策が
求められる。


取材：テレビ静岡

今年も猛暑に見舞われた鳥取県と島根県。
この猛暑により、両県の米の生産者が
悩まされている。米が暑さによって白く濁り、
等級が落ちてしまっているためだ。

昔は「コシヒカリ」でも１等比率が６０～７０％
あったが、ここ数年は８～１０％ほどに減少して

しまい、取引価格も低下している。
８月上旬から中旬の穂が出る時期の最低気温が
２５℃を超えると１等米を作るのが極めて難しく
なるが、現在の両県はそのような状況にあり、
対策が必要な状況となっている。

そこで両県では、穂が出るのが遅く暑さに強い
「きぬむすめ」の生産量を増やしていて、その
１等比率は６０～７０％となっている。
また、「コシヒカリ」についても少しでも暑さに強い
品種を作ろうと、研究が進められている。

取材：日本海テレビ

広島の冬の風物詩であるカキ。
そのカキの収穫時期にある変化が
起こっている。
温暖化によって例年より約１ヶ月も
遅くなっているのだ。
瀬戸内海の海水温はここ３６年で約１．１℃
上昇していて、それによって成長が遅れている
という。

また、温暖化の影響は海の中だけではない。
異常気象によって、土砂災害や、沿岸部では
高潮や浸水の被害の報告もされている。

このような影響を受け、安浦町では地域の
人々に環境の変化について知ってもらい、
自分たちにできる温暖化対策を楽しみながら実践する
活動が活発に行われている。

取材：中国放送

異常気象や生態系の変化など、様々な
影響を世界中に与えている地球温暖化。
山口県でも年間の平均気温がこの３０年間で１℃上昇したり、
猛暑日の年間観測日数も増加傾向にある。
豪雨の年間観測日数も増えており、
７月下旬には山口市や萩市で記録的な豪雨となった。
この温暖化の主な要因は、二酸化炭素などの
温室効果ガスで、山口県では家庭から出る二酸化炭素が
著しく増加している。
これは電化製品の大型化、核家族化などが要因と考えられる。
また、山口県の１世帯あたりの二酸化炭素排出内訳で、冷房よりも
はるかに二酸化炭素排出量の多い暖房が２位を占めていることから、
暖房の使用を抑えることが地球温暖化防止のポイントと
言える。
そのために、設定温度を下げたり、みんなで１つの部屋に集まって
１つの部屋だけで暖房を使用するなどの対策が重要となる。

取材：山口放送

昨年は高梁市で、最高気温が全国一に4度もなるなど、岡山県も 猛暑に見舞われた。
また、高松市で最高気温が観測史上最高を記録するなど、 香川県も猛暑となり、高梁市や高松市などでは最高気温が35℃以上となる 猛暑日の日数が観測史上最多となった。
アスファルトの道路の温度は50℃を 超えるほどの猛暑であった。
この猛暑により、熱中症で救急搬送された人の 数も、両県で統計を取り始めた2010年以降最多となり、岡山県では5人が 亡くなった。
岡山県特産の桃にも被害が及び、桃が大きくなる7月以降 厳しい暑さが続いたため、県全体の白桃の出荷量は一昨年と比べて2割ほど 落ち込んだ。
昨年は台風も猛威を振るった年であった。
19年ぶりに30個 以上の台風が発生し、特に9月の記録的な大雨では各地で土砂崩れや 浸水、家や納屋が崩れるなどの被害がでた。
このような災害から命を 守るため、気象庁は特別警報と呼ばれる新たな警報を始めた。
比較的災害の 少ない岡山県と香川県だが、改めて自然の猛威を思い知らされる一年と なった。


取材：山陽放送

徳島県牟岐沖の海底、水深23mのところにはクリスマスツリーの
ような形をした、高さおよそ9メートルの巨大なサンゴがある。
このサンゴは千年以上も前からこの場所に根を張っていると
推定されることから、「千年サンゴ」と呼ばれているが、それが今
危機に瀕している。大量発生したオニヒトデによって食べられて
しまっているのだ。本来オニヒトデは寒さに弱いが、温暖化によって
越冬できるようになったことが大量発生の要因とも指摘されている。
このオニヒトデからサンゴを守ろうと立ち上がったのが地元の
ダイバーたちだ。多い時には一日およそ300匹ものオニヒトデを
駆除することもあったが、地道な活動により今では一日数匹ほどに
なっている。最近では他にも巻貝によるサンゴの食害もあり、
そちらの駆除活動にも取り組んでいるという。


取材：四国放送

柑橘王国とも言われる愛媛県。特に温州みかんや宇和ゴールドなどが 有名だが、近年は温暖化によってその栽培状況に変化が起こっている。
宇和島市の年平均気温は、冬場が暖かくなったことにより、 50年前と比べると約1℃上昇し、17℃になった。その結果、柑橘類で 最も寒さに強く、年平均気温16℃台が最適とされる温州みかんに、 着色遅れや浮皮などの問題が生じている。
そこで県内では新品種栽培の動きが活発化している。その代表格が ブラッドオレンジだ。イタリア原産で地中海育ちの品種だが、 宇和島市の冬の平均最低気温がイタリアのシチリア島に近づいてきたため、 宇和島市でも栽培が可能になったのだ。
味はとても甘く、市場価値も 高まっており、今後に期待が集まっている。


取材：テレビ愛媛

高知県四万十市江川崎で最高気温日本記録が更新された
今年の夏。その影響は様々なものに及んでいる。
高知市の平均気温は100年で1.45℃上昇している。
真夏日が増え、冬日が減る現象も起こっている。
県内の幼稚園では、冬の氷集めができなくなったり、
夏に35℃以上を観測した時には屋外での遊びを中止するなど、
子どもたちの遊び方にも影響が出ている。
また、県内の果物にも影響は及んでいる。みかんがひび割れしてしまったり、
土佐文旦の糖度やクエン酸の減少、完全着色期の遅れ、実の日焼けなどの
被害があり、農家は頭を悩ませている。
しかし、農家の中にはこの気候変動を前向きに捉え、
パッションフルーツなどの高温に強い果物の栽培に切り替えている
農家もある。
各農家が長年の知恵と経験で課題を克服しようとしているが、
このまま温暖化が進めば、蚊などが媒介した病気の流行や水不足などの
人の力ではどうしようもない問題が起こることも考えられるのだ。

取材：テレビ高知

様々な影響を及ぼす温暖化は、海洋の生態系にも大きな
影響を与えている。
低気圧による強風によって漁師が冬に漁に出られる日が減り、
さらには漁獲量も減少しているという。
高知の海水温は100年で1.3℃上昇し、生態系に変化が生じている。
温かい海にしかいなかった熱帯種が県内でも見られるようになり、
サンゴの種類も変わってきているという。
また、主にサンゴ礁の海で見られるサンゴの白化現象も
ここ数年は高知の海でも起こっている。
さらに、魚たちの住処である藻場も減少してしまっている。
このような海の変化を見守りながら、どうやってそれに対応していくかを
考える必要があるのだ。
森林面積が県土のおよそ8割、日照時間も長い高知県。
地球温暖化をこれ以上進行させないために、
その豊かな自然エネルギーを活用して、県民一人一人が、高知県を
日本のモデルケースにするような意識が求められる。

取材：テレビ高知

この1年間は日本列島が異常気象に振り回された年となった。
福岡と山口もその例外ではない。
7月には集中豪雨に見舞われ、JR山口線のレールが曲がるなどし、
大きな被害を受けた。そして夏の猛暑だ。福岡では17日連続の猛暑日と、
41日の真夏日を記録し、いずれも過去最多となった。この猛暑をもたらした
太平洋高気圧は、もう1つの記録も運んできた。それは台風だ。
10月に日本に接近した台風は5個と過去最多を記録。季節は1ヶ月遅れで
進んでいるかのように見られていたが、11月28日、11月には5年ぶりと
なる初雪を観測。夏から一足飛びに冬に突入したかのようだ。
このような異常気象に頭を抱えているのが農家だ。
福岡の雑煮には欠かせないかつお菜だが、11月以降の日照不足と
急激な冷え込みにより、生育が遅れているという。夏の猛暑と合わせて、
まさにこの1年は異常気象に振り回された1年となった。
毎年のように異常という言葉が聞かれるようになる中、それに対する対応策や
予防策が求められる。


取材：テレビ西日本

温暖化や潮流変化、外来種の流入などが原因ではないかと指摘される環境異変が佐賀県の海や川、湖などで起こっている。
唐津市鎮西町の馬渡島周辺では、ここ数年ソラスズメダイ、ミツボシクロスズメダイなどこれまでの玄海灘では見ることができないカラフルな海の生き物たちが見られる。
また、一般的に海水温の上昇が原因と言われるエダサンゴの白化現象も見られ、数年前からすると徐々に周辺の海水温が上昇しているという。
佐賀県玄海水産振興センターがまとめた「佐賀県玄海沿岸海域における地球温暖化による漁場環境・水産生物への影響調査」によると唐津市周辺で漁獲したアワビを夏の港内で蓄養する際、２～３割が死滅したり、イカ釣りにおいて表層水温が高くなったことが原因で漁具を入れる水深を深くしないとイカが獲れないなどの報告が上がってきている。
また玄海水産振興センターの海水温調査によると、唐津湾の表層水温が年間平均で0.0144℃上昇しているとされ、約50年後の2050年には0.72℃上昇するものとみている。


取材：サガテレビ

地球温暖化による影響が出始めている長崎県。
2013年の夏は猛暑に見舞われ、最も暑かった8月18日の
最高気温、37.8℃は、県内の最高気温1位タイとなった。
また、最低気温が0℃未満となる冬日の日数も減少している。
長崎県では過去100年間で平均気温が約1℃上昇し、様々な生物の
生育に影響を与えている。
県内の桜の開花日は過去50年間で3.7日早くなっているという。
さらに、海面の水位も上昇しており、1980年半ば以降、年間で約3.3ミリ
も上昇している。
これ以上の温暖化を防ぐためにも、私たちが身近にできる、
家の断熱の強化などの省エネ対策が求められる。

取材：テレビ長崎

甘くて酸がない高品質のミカンが生産される熊本県は、
全国４位の出荷量を誇る。しかしそのミカンに異変が
起こっている。ミカンが日焼けを起こしたのだ。
皮が壊死し、パサパサになってしまったミカンが
少しずつ増えてきているという。
日焼けが原因で炭そ病を起こしている身もある。
ミカンは土からの養分と太陽の光を受けて成長するが、
近年の夏は日照時間の長さと強すぎる太陽の光によって、
日焼けミカンが増えてしまっているのだ。
熊本の２０１３年７月の日照時間は２２２．３時間で、
これは平年値を２０％も上回っている。このような
地球温暖化によるものと思われる現象によって日焼け
してしまったミカンは、生のまま出荷できなければ、
加工用に回すか廃棄せざるを得ない。
温暖化という言葉がメディアから聞こえてきたのと
比例するように日焼けミカンは増えてきたと生産者は言う。
人が感じないような小さな気候の変化をミカンの木は
感じ取っていたのだ。

取材：熊本放送

地球温暖化による海水温の上昇によって、
ナルトビエイの生息域が広がっている。
大分県では平成１４年から５年ほどアサリの漁獲量が
大幅に減少したが、これは本来熱帯の海に生息している
ナルトビエイが北上を進め、アサリを食べてしまうためだ。
その証拠に、ナルトビエイの駆除を本格的に始めた平成１８年に
アサリの漁獲量が復活した。
県は駆除には海中での詳しい行動を知ることが大事として、調査を
進めており、徐々に移動経路が明らかになってきている。
また、漁業組合も対策に乗り出しており、アサリが小さいうちに
移植してナルトビエイが来ても食べられないようにカゴに入れて
守る取り組みを始めている。
温暖化という現象に向き合いながら、研究が進む生態調査の結果を
今後どのように活かしていくか。漁業関係者の苦悩は続く。

取材：大分放送

温暖化は宮崎県の海にも変化を与えているようだ。
海水温が上昇し、今までは暖かい海まで
見に行っていた魚たちが宮崎でも見られるように
なったと地元のダイバーは語る。
ミドリイシサンゴの１年間の成長は早くなっており、
面積も数も増加しているという。
海水温の上昇によって宮崎の海がサンゴにとって良い
環境になっていると専門家も認める。
実際にここ１０年ほどは、冬でも海水温が１８℃を超えることが
多く、昔に比べ水温が上がっていることがわかる。
こうした海水温の変化による影響はサンゴだけには
留まらず、多くの南方系の生物が定着するようになった。
サンゴや、ダイバーに人気の熱帯魚が増えたことで、
観光客の増加が見込めるようだ。
しかし、良い影響ばかりではない。
冬の海水温が高すぎて魚が１年中元気に海藻を食べ過ぎてしまうため、
海藻が増える量と魚が食べる量のバランスが崩れしまっていると専門家は指摘する。
海藻の生い茂っている藻場は、様々な水生生物の生産の場であるが、
それがなくなると資源が残りづらく、水産の生産力が低下することが
懸念される。
豊かな海の恵みをどう守っていくのか。
将来を見据えた取り組みが求められる。

取材：テレビ宮崎

毎年、鹿児島県では多くのウミガメが産卵のために
砂浜に上陸するが、ウミガメは卵が産み落とさ
れてから数日間の砂の温度が、29.7度より低いと
オス、高いとメスが生まれやすくなることが、こ
れまでの研究でわかっている。

大牟田一美館長（屋久島うみがめ館）は、「海水温
が高いと早くウミガメが産卵に来る。すると、
29.7℃になるまでに日数があるとオスが生まれる
数が多くなる。地球温暖化になり、集中的に雨が
ずっと続くことで、砂の温度が下がってくるため、
生まれてくるのがすべてオスになるということは
否定できない。」とウミガメの生態に与える温暖化
の影響を懸念している。

一方、西隆一郎教授（鹿児島大学水産学部）は、「地
球温暖化は過去に何回もあったことで、それでウ
ミガメが絶滅したわけでもないので、影響はゼロ
とはいえないが劇的にあるかというと慎重に議論
したほうがいい。」と、大局的な見方をするべきだ
としている。

取材：南日本放送

暖かい沖縄県では本州と違い、積雪量の減少などから温暖化を 実感することはあまりないが、沖縄でも身近なところに温暖化による 影響は見られている。
サンゴの白化現象はその一つで、 温暖化も要因とされているのだ。ここ100年間で 九州や沖縄周辺では海水温度が0.7℃から1.1℃も上昇しているという データもあり、このような持続的な海水温度の上昇がサンゴの白化現象を 引き起こすと考えられている。
ただ単にきれいなサンゴが白化するだけではなく、 サンゴは海の中で二酸化炭素を取り込み、酸素を作り出すメカニズムを 持っていたり、小魚の住処になるなど、様々な働きをしており、そのサンゴが 白化することにより、海の生態系のバランスが崩れてしまうと考えられている。
観光県沖縄にとって大切なサンゴ礁と海の生態系を守るためにも、 生活の中で省エネを心がけることが重要となる。


取材：琉球放送