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平成29年3月7日(火)~10日(金)の4日間、最先端の照明技術が一堂に会する国際照明総合展「ライティング・フェア2017」(主催:(一社)日本照明工業会、日本経済新聞社)が東京ビッグサイトにて開催されました。13回目となる今年は、国内外から212社が出展。LED照明を中心に多彩な技術やサービスが披露されました。
今後、LED照明は私達の生活をどう変えていくかをテーマに、建築士であり照明コンサルタントの江口惠津子さんが新製品やサービスをチェック。2回にわたってレポートをお届けします。1回目のテーマは「家庭生活の中のLED照明」です。

省エネ+新機能でより多くの人が使いたくなるLED照明へ

蛍光灯から省エネ効果の高いLED照明へと切り替えが進む一方で、蛍光灯などに比べて高額などの理由から、なかなか切り替えに踏み切れない家庭もまだ少なくありません。フェアではそういう方にも興味をもっていただけそうな、安全性や快適性の新たな機能が加わったLED照明が多く展示されていました。

「特に天井に取り付けるタイプの照明器具・シーリングライトに付加価値のついたタイプが多く展示されていました。シーリングライトはリビングや寝室などの主照明として一般的に用いられているので、新しい機能をきっかけに切り替えが促進されれば、省エネ効果は大きいと思います」と建築士・照明コンサルタントの江口惠津子さんは期待を寄せています。

たとえば、震度4以上の揺れを感知すると自動で点灯する防災機能を持ったLEDシーリングライト。点灯した後に停電になった場合でも、淡いブルーグリーンの光が約30分ともるので、足元に危険がないかを確認しながら避難の準備ができます(※1)。

「お年寄りや小さい子どものいるご家庭には特に安心ですね。高効率LED採用で従来蛍光灯器具に比べて消費電力は半分以下なので、普段の省エネ効果も高いです」(江口さん)

(※1)避難で家を離れる際はブレーカーを切断しておきましょう。

実例を視察する江口さん

他にも、部屋のニオイを分解・脱臭する機能がついたシーリングライトが登場。LED照明はセンサが人を感知して人がいるときだけ点灯し、脱臭機能はタイマーで必要な分だけ運転するのでムダがなく、省エネしながら照明と脱臭機能が利用できます。
臭いが気になる玄関やトイレ、クローゼットなど、2畳くらいまでの小さな空間が対象です。

「どちらのシーリングライトも、新たな機能が加わっても消費電力はほとんど変わらず、しっかり省エネになります。安全性や快適性と両立することでLED照明がよりスムーズに家庭生活に浸透するとうれしいですね」(江口さん)

2つのケースにコーヒー豆を置き、ニオイの感じ方を比較

インターネットと連動させて省エネも便利度もUP

LED照明はそれ自体が省エネ性能の高いものですが、センサなどと連動させて明るさを変えたり、効率よくオンオフをコントロールしたりすることで、省エネ効果がより高まります。今回のフェアではそうした照明制御システムも多彩でした。

たとえば、近距離無線通信〝ブルートゥース〟を搭載したLED照明を取り付けることで、既設の配線を利用して照明器具を一括コントロールする仕組みも登場。
スマートフォンに専用アプリをダウンロードして設定すれば、各部屋の照明器具の明るさを調整したり、複数の照明を組み合わせたシーンの設定を手元で行うことができます。賃貸住宅や分譲マンションなど、配線工事を新たにできない住宅でも手軽に省エネ・節約ができます。

スマホで簡単に部屋の照明を一括コントロール

さらに、春には照明と連動した新たなスマートフォンアプリもリリースされる予定です。インターネットに接続するための専用ルーターを取り付けてそのアプリをダウンロードすると、スマホで電気使用量をリアルタイムで見ることができたり、照明の消し忘れを確認して消したりなど、家電を外から簡単に操作できるようになります。

LED照明をはじめ、省エネと蓄電を組み合わせた複合的なシステムへ

「エアコンなど照明以外の電化製品もつなぐことができるので、より効果的な省エネができます。さらに太陽光発電による蓄電など他の製品やサービスとも連動でき、ゆくゆくは家のエネルギーを丸ごと管理することも可能です。
〝快適な室内環境〟と〝年間で創出・消費する住宅のエネルギー量が正味でおおむねゼロ以下〟を同時に実現する住宅を〝ZEH(ゼッチ)(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)〟と言いますが、それがより身近になってきたように感じます」(江口さん)

また、未来のシステムとしては、LED照明をプラットフォームに〝IoT(アイ・オー・ティー)〟を実現する仕組みが参考出展されていました。
IoTとはInternet of Things(モノのインターネット)の略で、いま最も注目されている仕組み。パソコンやスマホなどの情報通信機器に限らず、すべての〝モノ〟がインターネットにつながるというものです。

 

LED照明をプラットフォームにしたIoT構想

たとえば、LED照明の省エネ効果はそのままに、カメラやスピーカーを接続して自宅にいる子どもを外から見守る、寝室の天井照明のオンオフデータを解析して一人暮らし高齢者の安否を確認、スーパーでは売り場の照明に近づいた買い物客のスマートフォンにクーポンを送るなど、LED照明をプラットフォームにしてさまざまなことを実現していこうというものです。
人の在・不在を検知するセンサなどを取り付ければ、省エネの効率をもっとアップさせることができます。

「家庭の電化製品というと、今までは冷蔵庫や掃除機などが思い浮かび、照明については二の次になりがちでした。でもこれからは省エネを牽引するLED照明が私達の生活をより良く変えていくカギになるかもしれません」(江口さん)

COOL CHOICEブースを出展

ライティング・フェア2017には環境省もCOOL CHOICEブースを出展しました。
地球温暖化対策として何をすればいいのかが分かるスマートフォンアプリ「COOL CHOICE」の体験&ダウンロードコーナーや、将来起こるかもしれない異常気象を360°VR映像で体験できるコーナーなどを用意し、多くの方にご参加いただきました。
スマートフォンアプリ「COOL CHOICE」はこちらからもダウンロードできますので、ぜひお試しください。

COOL CHOICE (環境省)のブース では多くの方がアプリやVRを体験

今回は、ライティング・フェア2017で発表されたLED照明の中から、特に気になった家庭向け新製品&新サービスをご紹介しました。次回、PART2では「オフィスや店舗のLED照明」をレポートします。

取材協力:NECライティング、パナソニック、東芝ライテック

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