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2021.01.21

モデルハウスで住み心地を体験!
省エネ住宅は都市圏の騒音やカビ予防にも効果あり

家で過ごす時間が増え、住まいの快適性を見直す声が高まっています。また、テレワークの普及により、都心から離れて郊外で戸建住宅の購入を考える人も増えているそうです。そこで今回考えたいのは、都市圏におけるエコで省エネルギーな住まいについて。都市部ならではのメリットなど、“ZEHを超える超ZEH”な住宅を提供している株式会社一条工務店のモデルハウスを見学し、お話をうかがいました。

高断熱・高気密の住宅は、都市圏での住まい心地もアップ

「寒冷地でも都市圏でも、暮らしを快適にする住宅の機能は同じ。まずは断熱性と気密性を高めることです」と話してくれたのは、株式会社一条工務店豊洲展示場店長の千葉章博さん。 確かに、日本のほとんどの地域で、冬は暖房、夏は冷房が必要とされていますから、断熱性と気密性を高めることで快適性がアップすることに地域差はないといえます。

その上、断熱性と気密性の向上は、都市圏の住宅事情による問題解決にも役立っています。例えば、都市部では狭小地に建つ住宅が少なくありません。隣家が近く、三方が隣家と近接している場合など、日差しが入らず通気性も悪いため結露が起こりやすいのですが、住宅の性能を高めることでこうした欠点もカバーします。

また近隣住宅の生活音や交通騒音なども気になるところです。オンライン会議中に家の外の雑音が入るのが悩みの種という人も多いのではないでしょうか。そうした音漏れも、高い気密性によって防ぐことができます。

「あれ?寒い…」マンションから戸建への住み替えで気づく誤算とは

千葉さんによると都市圏では今、マンションから戸建への住み替え需要も増えているそうですが、住み替えてみて初めて「意外と寒い」と後悔するケースも少なくないのだとか。 なぜなら多くのマンションは鉄筋コンクリート造で、蓄熱体であるコンクリートは本来、外気の影響も受けやすいのですが、自分の住まいの上下、左右の住戸が暖房をすることでコンクリートが温まり、自分の住まいも温まっています。しかし、戸建の場合はそうはいきません。
「マンションに住んでいる人の中には、木造は寒いから住みたくないという人がいます。でも実は木よりコンクリートや鉄のほうが熱が伝わりやすいので、断熱性の高い家をつくるなら木造のほうが向いています」(千葉さん)。
多くの人が鉄筋コンクリート造なら暖かいと誤解しているようですが、断熱面や気密面での対策をしないと、冬は寒く、夏は暑い家になりかねません。

例えば実際に住宅建築を考えたとき、大きな窓をつけたいと希望する人も多いと思いますが、住宅の中でもっとも熱の出入りが多いのが窓。省エネ性能を考えるときに忘れてはいけない部分です。日本では、昔はアルミフレームに1枚ガラスでしたが、最近では2枚ガラスや3枚ガラスの窓で、熱の伝わり方がアルミフレームの1/1000くらい小さい樹脂枠でできた窓も増えています。いずれにしろ性能の良い窓を使うというのが、快適な住まいづくりのポイントのひとつになります。

いかに熱を無駄なく利用するかが冷暖房費を左右する

「エコハウスの実現には、高断熱と高気密がセットで必要です。そしてもうひとつ、忘れてはいけないのが換気です」(千葉さん)。
現在の建築基準法では住宅の24時間換気が義務付けられていますが、屋内と屋外の空気がそのまま入れ替わる換気システムでは、せっかくの快適な室内温度が失われてしまい、冷暖房エネルギーがいくらあっても足りないということになってしまいます。
これを解決するのが、熱交換型の換気システム。例えば冬季、外気温が0℃で室温が20℃という温度差20℃の場合、熱交換効率が50%なら10℃、交換効率が90%なら18℃となって外気が室内に給気されます。熱を無駄なく利用すれば、当然、冷暖房費も抑えることができるというわけです。

さまざまな設備が進化しているうえに、今回訪れたモデルハウスではトイレからお風呂場まで生活スペースのほとんどに床暖房が入っており、なんと24時間運転で稼働しているそう。そのためヒヤッと感じる場所がありませんでした。床暖房にはエアコン室外機で作られる28℃の温水を利用しているそうですが、最小限の暖房だけで家中がじんわりとした温かさに包まれていることを実感できるのは、高断熱・高気密な家だからこそです。

一条工務店提供。ロスガード90は一条工務店の熱交換換気システム。

寒さも暑さも電気代も気にしないエコハウスを体験しよう

最後に、エコハウスを建てたいとき、モデルハウスの見学の際にどのようなことに着目すればよいかをうかがいました。
「新築するなら付随させる設備ではなく、建物本体の機能や構造を充実させたほうが良いと思います。その点をモデルハウスで見て感じてください。わかりやすいのは窓の品質と断熱材の品質だと思います。そして換気設備ですね。今はインターネットで多くの情報を得ることができますから、事前に比較検討されてからモデルハウスで実際に体験されるといいと思います。
新居を検討される際の優先事項として、立地や価格、デザインを挙げる方が多いのですが、住宅性能は後回しにされがちです。おそらく性能差によるリスクに気付かれていない方がほとんどです。家族の住まい心地を考えて住宅性能も検討いただけたらと思います」(千葉さん)
一条工務店の豊洲にあるモデルハウスでは、窓の違いによる温度や音の感じ方を体験したり、断熱材の種類などを間近で見ることができました。お近くの住宅展示場で体験してみると、住宅設備について理解が深まるのではないでしょうか。いつか新居を検討するときのために、一度、高断熱・高気密な快適住宅を肌で体験しておくことをおすすめします。

旭ファイバーグラス株式会社「家づくり見える化プロジェクトsupported by Aclear」調べ

豊洲展示場 営業課 店長 千葉章博

株式会社一条工務店

住まいの性能向上に務め、性能とコストパフォーマンスを両立できる住宅を全国で提供。省エネと創エネを追求し、建材はもちろん、窓や断熱材なども自社で生産している。
https://www.ichijo.co.jp/