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2021.07.13

太陽光パネルを屋根に設置して快適に!発電のほか、暑さ対策も

屋根の上に太陽光パネルを取り付けた住宅

屋根の上に太陽光パネルを取り付けた住宅

日差しの照りつける暑い夏。一軒家に住んでいる方は、2階や3階に上がったときに、「1階よりも暑いな。屋根に近いからかな?」と感じたり、「この日差しを太陽光発電に利用できないかな」と思ったことはありませんか?

太陽光パネルを屋根に設置すれば、おうちの電力が賄(まかな)えたり、電力会社に売電できることはもちろん、パネルによって直射日光が遮(さえぎ)られるため、断熱効果も期待できます。
突然の停電の際も、太陽光発電設備がおうちにあれば安心ですね。
暑い夏もおうちで快適に過ごすための屋根の太陽光発電について、PVソーラーハウス協会の櫻庭義海さんと大越正人さんに話を聞きました。

櫻庭 義海(さくらば よしみ)・写真右 大越 正人(おおこし まさと)・写真左
櫻庭 義海(さくらば よしみ)・写真右

1997年に設立したPVソーラーハウス協会(茨城県龍ケ崎市)の代表。会員社は全国に約250社。協会の活動理念は「健康で快適な住環境の普及」と「住宅の省CO2化」。同協会オリジナルの断熱ブラインドの製造・販売も行っている(断熱ブラインドサイト https://www.honeycom-b.com/)。

大越 正人(おおこし まさと)・写真左

同協会の工務店支援室 室長。

太陽光発電設備の導入は、どんなおうちに向いているの?

太陽光発電設備の導入は、どんなおうちに向いているのでしょうか?
櫻庭さん、大越さんによると、

  • 南側に屋根の大きな面が向いていると、太陽光を効率的に取り入れやすい
  • 屋根の一面を大きく使って設置することが多いため、シンプルな形状の切妻屋根(2つの長方形の長辺を山形に組み合わせた構造)などに比較的向いている

などがポイントです。みなさんのおうちの屋根に、太陽光パネルを設置できそうか迷ったら、工務店やリフォーム業者などの専門家に相談してみましょう。

屋根の上の太陽光パネルの日射遮蔽効果と天井の断熱材の効果は?

PVソーラーハウス協会は2015年7月31日、断熱なしの屋根と、断熱ありの屋根にそれぞれ太陽光パネルを設置して、パネルによる日射遮蔽(しゃへい)効果について実験しました。

真夏の外気温と室内の天井面の温度を、一時間置きに測定
図1 太陽光パネルを屋根の上に設置した際の天井面の温度推移(無断熱)

図1 太陽光パネルを屋根の上に設置した際の天井面の温度推移(無断熱)

図2 太陽光パネルを屋根に設置した際の天井面の温度推移(断熱有)

図2 太陽光パネルを屋根に設置した際の天井面の温度推移(断熱有)

図1は、天井に断熱材を入れていない倉庫の屋根に太陽光パネルを設置した場合について、外気温と、室内の天井面の温度を測定したデータです。

図2は、天井に断熱材を入れている倉庫の屋根に太陽光パネルを設置した場合について、外気温と、天井面の温度を測定したデータです。

結果は、パネルの載っている部分と載っていない部分によって、大きな違いが

結果は、図1(無断熱)では、午後1時に外気温が36.4度になったとき、「パネル無(パネルが載っていない部分)」の天井面の温度は56.5度で、外気温に比べて約20度も高くなっていることがわかります。室内はとても熱気がこもった状態になっていたそうです。また、同時刻の「パネル下(パネルが載っている部分)」の天井面の温度は47.1度で、外気温の36.4度よりは約10度も高くなっていますが、「パネル無」の56.5度より10度ほど抑えられていることがわかります。

一方、同時刻の図2(断熱有)の天井面の温度は、屋根上の太陽光パネルの日射遮蔽(しゃへい)効果と天井の断熱材の効果によって35.5度に抑えられ、外気温の36.4度より0.9度低いことがわかります。

結論 太陽光パネルと天井の断熱材を組み合わせれば、さらに快適性がアップ

結論として、天井の断熱材と屋根上の太陽光パネルをどちらも設置しない場合、室内の天井面の温度は、真夏の昼間には外気温より20度も高くなることがあるとわかりました。また、天井の断熱材がなくても、屋根上の太陽光パネルの設置があれば、日射遮蔽効果によって、天井面の温度上昇を抑えられることや、断熱材と太陽光パネルの両方を組み合わせれば、さらにおうちの快適性をアップできることがわかりました。
(詳しい実験内容は、同協会のホームページhttps://www.pv-solar.co.jp/?page_id=7682をご参照ください)

屋根の上に太陽光パネルを設置した人からはどんな声があったの?

太陽光パネルを屋根の上に設置したおうちの人からは、どんな反響があったのでしょうか。櫻庭さんと大越さんによると、2階に南向きのリビングがあり、夏はとても暑く、いつもエアコンを一番低い温度に設定しているおうちがあったそうで、「パネルの設置後は、日射の遮蔽効果がかなりあって部屋が涼しくなり、『エアコンの設定温度がだいぶ変わった』と喜んでいました」。

月に一度の電気代の請求書で、「うちの太陽光発電設備で、これだけの売電効果があったんだ」というのを確認して、満足感を得ているお客さんも多いそうです。また、停電になったときにも安心だからと太陽光発電設備を設置する人が増えているとのことです。

太陽光発電設備の導入や断熱リフォームは誰に相談・依頼するの?

大越さんによると、まずは新築のときに施工した会社に相談するのが、その家の構造や断熱仕様をよくわかっているので、安心だそうです。または、太陽光発電設備の導入実績や断熱リフォームに強い会社に相談するのがおススメです。

費用と工期はどれくらいかかるの?

大越さんによると、太陽光発電設備の平均価格は1 kWあたり約27万5千円(※)で、おうちのリフォームで5kWくらいを屋根に載せる場合は、おおよそ138万円くらいの費用がかかるそうです(工事内容にもよります)。
工期は、足場を組んでパネルを屋根に上げるのか、専用リフトなどで上げるのかなど、そのおうちのケースによって異なりますが、パネルとパワーコンディショナ(インバータ)の設置と電気工事で1週間くらいを目安にするとよいそうです。

補助金はどんなものがあるの?

環境省では、快適・健康・お得な家族にも地球にもやさしい暮らし方のための既存住宅の断熱リフォームや、新築住宅のZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)化(※)を呼びかけ、「断熱リフォーム補助金」や「住宅のZHE化補助金」の申請を受け付けています。
太陽光発電設備の導入は、「住宅のZHE化補助金」を利用するための必須要件です(太陽光発電設備の導入のみを対象とした補助金制度ではありません)。ぜひ下記からチェックしてください。
(※)住宅の高断熱化と高効率設備によりできる限りの省エネルギーに努め、太陽光発電等によりエネルギーを創ることで、1年間で消費する住宅のエネルギー量が正味(ネット)で概ねゼロ以下となる住宅

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