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2021.12.07

暮らしに木を取り入れて、快適&脱炭素なライフスタイルを♫

冬が近づくにつれ、風が冷たくなり、休日はおうちで過ごす時間も増えているのではないでしょうか。
冬本番を迎える前に、おうち時間を暖かく快適にするだけでなく、暮らしに木を取り入れることで脱炭素なライフスタイルにしてみませんか?

環境省の「ゼロカーボンアクション30」では、「(12)暮らしに木を取り入れる」をアクションの一つに掲げています。

暮らしに木を取り入れることが、脱炭素や快適さとどうつながるのでしょうか。今回は、一般社団法人全国木材組合連合会の 肥後 賢輔さん、坂田 幹人さんにお話しを聞きました。

肥後 賢輔(ひご けんすけ)

一般社団法人 全国木材組合連合会 参与。全国15,000社の製材会社・木材流通会社が会員の全国組織で木材の需要拡大に取り組む。個人住宅やビルの木造・木質化の促進、間伐材入りコピー用紙の普及などを進めている。

坂田 幹人(さかた みきと)

一般社団法人 全国木造住宅機械プレカット協会 常務理事。木材と木材をつないで住宅を組み立てる際に、そのつなぎ目を予め工場で加工するのが「機械プレカット」。加工した木材を、組み立てる順番に建築現場に運び込むことで、工事現場で出るゴミを減らし、建築期間も短くできる。

――木材と脱炭素のつながりを教えてください。

木は光合成により、空気中のCO2を吸収し、酸素を排出します。このとき、木の中に取り込んだ炭素は、燃やさない限り、木の中に蓄えられ続けます。そのため、木材を使った建設・製造時のCO2排出量は、鉄やコンクリートなどの他の素材と比べて少ないことが分かっています。

さらに、輸入材ではなく国産材を使うことで、運搬時の二酸化炭素排出量も抑えられます。

木が一年間に吸収するCO2の量は、樹齢40~50年でピークを迎えます。そこで、ピーク後の樹齢50~55年くらいに切って、そのあとに苗木を植えて育てることで、常に多くのCO2を効率よく吸収できるようになります。

このサイクルを成立させるためには、切ったあとの木を山に放置して腐らせてしまうのではなく、木材として使用してCO2を木の中に長く固定しておくことも重要です。

木材は、再生可能な資源です。現在、国内の森林蓄積量は約52億立方メートルあり、一年間に1億立方メートルずつ成長していますが、そのうちの4分の1、約2,500万立方メートルしか使われていません。

森林は、二酸化炭素の吸収のほか、地下水を豊かにするなどの水源のかん養、土砂災害の防止、木材・キノコ・山菜といった林産物の供給、保健休養の場の提供など、私たちにとって欠かせない役割を果たしています(出典:政府広報オンライン 外部リンク)。

こうした健全な森林の育成のためには、木を間引きして植栽の密度を調整する「間伐(かんばつ)」といった手入れを行うことが必要です。

「植林」→「育林(間伐などの手入れ)」→「(成長した木を)伐採」→「利用する」、そしてまた「植林する」というサイクルを回していくことが重要なのです。
国産材はもっと使用していいんですよ。

――住宅に木材を使うメリットは?

木材には、人にとって心地よいと感じられるさまざまな効果があるといわれています。
例えば、「木のぬくもり」と言いますが、木材には、目に見えない小さな穴がたくさん空いていて、空気が含まれています。そのおかげで断熱性が生まれ、木に触ったときにぬくもりを感じることができるのです。

また、内装に木材を使用すると、「あたたかい」「明るい」「快適」という印象を与えることや、湿度を調整する効果やリラックス効果があることがわかっています。
木を床材に使用すると衝撃緩和効果があります。

林野庁では、それらの効果を客観的なデータに基づいて、分かりやすく紹介した『科学的データによる木材・木造建築物のQ&A』という冊子を発行しています。

林野庁『科学的データによる木材・木造建築物のQ&A』

出典:林野庁 『科学的データによる木材・木造建築物のQ&A』から抜粋(外部サイトへリンク)

――国産材の利用促進に向け、どんな動きがありますか?

木造建築は燃えやすいと思われる方が多いかもしれませんが、最近は、火に強い木材を使ったビルが、街中に建てられています。

宮城県仙台市の仙台駅前にある「髙惣(たかそう)木工ビル」は、耐火木材を活用していることや、国内初の7階建ての純木造ビルであることが評価され令和3年度木材利用優良施設コンクール(主催:木材利用推進中央協議会)で「農林水産大臣賞」を受賞しました。

髙惣(たかそう)木工ビル(出典:木材利用推進中央協議会)
髙惣(たかそう)木工ビル(出典:木材利用推進中央協議会)

髙惣(たかそう)木工ビル(出典:木材利用推進中央協議会)

ほかに、国産材の利用を促進する表彰制度には、木の価値を再発見させる製品や取り組みについて、特に優れたものを消費者目線で表彰する、林野庁補助事業の「ウッドデザイン賞」というものもあり注目を集めています。

「ウッドデザイン  ベスト・プラクティスブック」表紙(出典:ウッドデザイン賞 運営事務局)

「ウッドデザイン ベスト・プラクティスブック」表紙(出典:ウッドデザイン賞 運営事務局)

CO2を吸収し、私たちにあたたかみや快適さを与えてくれる木材。
2021年10月1日には、都市の木造化を推進するための法律(脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律)が施行され、木材利用促進の対象が公共建築物から建築物一般に拡大されました。
ぜひ、皆さんも、家を建てたり、リフォームしたりする際に、木材を利用してみませんか。

ゼロカーボンアクション30

CO2の吸収や国土を災害から守るといった森林の持つ多くの働きを発揮させるためにも、木材を使って森を育てることは大切なことです。

12 暮らしに木を取り入れる

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