内科医の馬渕知子先生がアドバイス!
体内の熱を作る力を高めて、冬を快適に、元気に過ごそう!

体が冷えて暖房を使いすぎてしまったり、外出することが面倒になってしまうことはありませんか?これから本格的な冬を迎えるのに先立って体内の冷えを防ぎ、寒さに対応できる体作りをすることで、過度に暖房を使わなくても、快適に冬を過ごすことができます。内科医の馬渕知子先生に、冷えや寒さを防ぐ体作りのポイントについて伺いました。

――以下、内科医の馬渕知子先生にお話を伺いました。――

同じ部屋にいても、
寒い人と寒くない人がいるのはなぜ?

同じ部屋にいても、寒く感じる人と、寒さを感じない人がいますよね。なぜこのように体感温度に違いが出るのかというと、寒さを感じやすい人は、体内で熱を発する力が足りていない可能性があります。というのも、もともと人間の体は、体温を一定にしようとする働きがあります。気温が低いと、体の表面、つまり皮膚から熱が奪われますが、体内では温められた血液が全身をめぐることによって、体温を保っています。この血液を温める熱を最も作っているのが、筋肉です。
しかし、体内で血液を温める力が弱く、奪われていく熱をカバーすることができなくなり、均衡が崩れると、寒さを感じます。体内についた脂肪には熱をため込む保温効果があるので、痩せている人や体脂肪率が極端に低い人は寒さを感じやすく、逆に筋肉量があって脂肪が多いお相撲さんは、冬でも薄着でいられるのだとか。また、手先や足先など、末端に冷えを感じる人が多いのは、血液の流れが悪くて毛細血管まで温められた血液が十分に行き届かないことが原因のひとつになっていることがあります。

同じ部屋にいても、寒い人と寒くない人がいるのはなぜ?イメージ1

また、寒さを感じやすいかどうかは、平熱とも関わりがあります。平熱が高い人は体内で熱を作る力が強いので寒さに強くなり、平熱が低い人は体内で熱を作りにくい体質であり、寒さに弱くなり必要以上に暖房を使うことになってしまうことがあります。また、体温は免疫力にも関係していて、平熱が低めの人は免疫力が低くなりがちで、風邪やインフルエンザなどの感染症に感染症にかかりやすいことも。免疫力が弱いと、将来的にはがんなどの病気を発症してしまうリスクも高まりますから、注意が必要です。体内の熱を作る力を高めることは、目の前の寒さ対策だけでなく、長い目で見ても大切なことなのです。
過度に暖房を使うと、乾燥によるリスクにも気をつけなければなりません。例えば、寒い季節はノドの渇きを感じにくいので、隠れ脱水症状を起こしやすくなります。ノドが乾燥するとインフルエンザなどの感染症にもかかりやすくなるので、エアコンなど空気が乾燥する暖房器具を使うときは、こまめな水分補給を心がけましょう。体内の水分が少ないと、汗をかきにくくなり肌表面の水分も少なくなるので、乾燥肌に悩まされている女性も、水分補給を心がけてみるとよいでしょう。

同じ部屋にいても、寒い人と寒くない人がいるのはなぜ?イメージ2



体を温めるには
「赤っぽい」肉や魚がおすすめ!

体内で熱を作る力を高めるには、筋力をつけることが一番です。しかしこれは時間がかかることなので、すぐにできる対策として、まずは食事に気をつけてみましょう。おすすめの食材は、赤っぽい肉や魚です。例えば、牛肉や豚肉の赤身、馬肉や羊肉などのジビエ、マグロやカツオがおすすめで、これらは体を温めるはたらきがある成分がたっぷり含まれています。体を温めるために必要な血液が十分にあることもポイント。具体的な成分では、血液の生成に関わるタンパク質、鉄やビタミンB12を意識して摂取するようにしましょう。
また、糖質がエネルギーに変わる時にも熱を放出するので、代謝をサポートするビタミンB1も大切です。ビタミンB1は豚肉やうなぎに多く含まれますが、ビタミンB1の吸収を助けるにんにく、ニラと一緒に食べると、さらに効果が期待できます。

体を温めるには「赤っぽい」肉や魚がおすすめ!イメージ1



内臓の筋肉を使って、体内の熱を作ろう。

消化の面でも、肉や魚は体を温める効果があります。肉や魚は消化に時間がかかるので、そのために内蔵が頑張って働いて、筋肉を使っています。体を動かして筋肉を使うとポカポカ温まるように、内臓の筋肉を使うと発熱し、温かくなります。逆に、ご飯や麺類、お餅など炭水化物は消化が良いのが特徴です。すぐにエネルギーになるので、体が温まるスピードは早いですが、長続きしません。
冬に旬を迎えるゴボウやレンコンなどの根菜類、ほうれん草などの緑黄色野菜は体を温めます。シチューや鍋にして、肉や魚と合わせてたっぷり食べると良いですね。近年注目を集めている麹や甘酒など酵素がしっかりと生きている発酵食品も、体の代謝を助ける酵素が多く含まれているので熱を作り出すサポートとしてオススメです。

内臓の筋肉を使って、体内の熱を作ろう。イメージ1



体内の熱を運ぶのは血液。
血流を良くして、体のすみずみまで温かく!

先ほどもお話しましたが、体内で作られた熱を運ぶのは血液なので、血液の巡り、つまり血流を良くすることも大切です。血管は、冷たいと感じると縮まり、温かいと広がりますが、この収縮反応を高めると、血流が良くなります。血管の収縮反応を高めるためには、お風呂で冷たい水と温かいお湯に交互につかる「交代浴」が効果的です。自宅のお風呂ではなかなか難しいと思うので、シャワーの冷水と温水を10秒ずつでも手先や足先に交互にかけるだけでも効果があります。
また、肩こりや体のこわばりがあると、血流が悪くなってしまうことが多く、寒さを感じやすくなります。肩甲骨を動かすストレッチをしたり、太い血管が通っている脇の下から体側をしっかり伸ばすようにするとよいでしょう。脇の下と同様に太い血管が通っている首元、足元が冷えると寒さを感じやすくなってしまうので、冷やさないように注意してくださいね。

体内の熱を運ぶのは血液。血流を良くして、体のすみずみまで温かく!イメージ1

体内の熱を作る力を高め、血流を改善すると、寒さ対策になるだけではなく、健康面でも多くのメリットがあります。食事や毎日の生活にちょっとした工夫を取り入れて、過度な暖房に頼らず、快適に冬を過ごす「WARM BIZ」を実践してましょう。

<プロフィール>
馬渕知子
東京医科大学医学部卒業後、同医科大学病院皮膚科学講座に所属しながら同病院に勤務。 その後、マブチメディカルクリニックを開院、現在に至る(院長)。 内科学・皮膚科学が専門であるが、あらゆる科との提携を結び、 多面的に人間の体を総合的にサポートする医療を推進している。
馬渕知子先生



「ウォームビズ」とは

環境省は暖房時の室温を20℃で快適に過ごすライフスタイル「WARM BIZ」を推進しています。
「20℃」は目安です。暖房の適切な使用をお願いします。
(身近に温度計を置くことをおすすめします。)
◆ウェブサイトはこちらから
https://ondankataisaku.env.go.jp/decokatsu/warmbiz/


「COOL CHOICE(=賢い選択)」にご賛同ください。

「COOL CHOICE」は、CO2などの温室効果ガスの排出量削減のために、低炭素型の製品・サービス・ライフスタイルを賢く選択していこうという取り組みです。
クールビズも「COOL CHOICE」の一つです。
未来の地球のために、「COOL CHOICE」に賛同して、できることから始めてみませんか?
◆ご賛同はこちらから
https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/join.html


みんなで集まる!「ウォームシェア」
余分な暖房を止めて、みんなでひとつの部屋、場所に集まることでエネルギーを節約するのが「ウォームシェア」。
たとえば、個別の部屋の暖房は止めて街へ出かけて、図書館や博物館、児童館などの公共施設、レクリエーション施設などを利用すれば、全体としてエネルギーの使用量を抑えることができます。
詳しくは「ウォームシェアについて」のページをご覧ください。
WARM SHARE 『ご存じですか?ウォームシェア』