地球温暖化防止コミュニケーター

コラム

地球温暖化の自然への影響

2018年12月5日掲載

植物の紅葉や開花の時期は気温に密接に関係するため、地球温暖化の影響を受けやすいと言えます。
気象庁では、季節の遅れや進み、気候の変化などを知るために生物季節観測をしています。


■紅葉は遅れる傾向

カエデの紅葉は、標本木のカエデの大部分が赤く色づくと発表されます。
2018年は秋の気温が高かったため、札幌や秋田など北日本を中心にカエデの紅葉は平年より10日以上遅くなった所が多くなりました。
例えば、私が住む盛岡のカエデの紅葉は、2018年は11月22日で平年より14日も遅く、1953年の観測開始以来、2番目に遅くなりました。近年、盛岡のカエデの紅葉は、10年に5.9日の割合で遅くなっています。1970年代半ばまでは10月に紅葉していましたが、最近は11月中旬に紅葉しており紅葉の遅れは顕著です。

(出典)仙台管区気象台HP「4.3 岩手県の気候の変化」(※1)

全国の51の観測地点のカエデの紅葉は、1953年以降、10年あたり2.8日の割合で遅くなっています。紅葉は平均気温との相関が高いことから、要因の一つとして長期的な気温上昇、つまり地球温暖化が考えられます。

(出典)気象庁「気候変動監視レポート2017」(※2)


■サクラの開花は早まる傾向

一方で、サクラの開花は近年早まっています。2018年のサクラの開花は、25か所で平年より1週間以上も早くなりました。また、1953年以降、全国58の観測地点のサクラの開花は、10年あたり1日の割合で早まっています。背景には春先の気温の上昇があります。

(出典)気象庁「気候変動監視レポート2017」(※2)

4月1日までにサクラが開花する所は1960年代では、三浦半島から紀伊半島にかけての本州の太平洋沿岸と四国、九州でしたが、2000年代では関東、近畿、中国地方まで北上するようになりました。逆にもともと暖かい地域では開花が遅くなる現象が観測されています。
2017年は、鹿児島では4月5日に桜が開花しましたが、平年より10日遅く、1953年の観測開始以来、最も遅くなりました。冬の十分な寒さを受けて芽が成長し始める「休眠打破」という現象が暖冬の影響で遅くなったことが原因と考えられています。

さくら(ソメイヨシノ)の4月1日の開花ラインの変化

(出典)気象庁HP(https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/chishiki_ondanka/p09.html


今後、地球温暖化がさらに進むと、サクラの開花は寒い地域ほど早まり、暖かい地域では今より遅くなることも予想されます。地球温暖化は植物や生態系に大きな影響を与えるため、これまでの季節感が変わってしまうかもしれません。

【参考資料】
(※1)http://www.jma-net.go.jp/sendai/wadai/kikouhenka/4_3Iwate_2017.pdf
(※2)https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/monitor/2017/pdf/ccmr2017_all.pdf

大隅 智子(おおすみ ともこ)

地球温暖化防止コミュニケーター・トレーナー
気象予報士/防災士
NHK盛岡放送局「おばんですいわて」に出演中

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