10月21日は「あかりの日」。今から約140年前、1879年(明治12年)のこの日、アメリカのトーマス・エジソンが、世界で初めて実用的な電球を開発しました。その発明を記念して日本照明工業会、日本電気協会、照明学会の三団体が設立した「あかりの日」委員会によって1981年に制定されました。
同委員会は、あかりへの関心を高める啓発活動として「住まいの照明 省エネBOOK」の発行、「あかりの日」全国街頭PRの実施、全国小学生ポスターコンテストの開催などを推進しています。
今年で第36回を迎える「あかりの日」ですが、環境省は、同委員会と連携し、LEDなど高効率照明の普及促進に向けた情報発信を行っています。
「あかりの日」の関連行事として今年で16年目を迎えた「全国小学生ポスターコンテスト」は、照明の持つ意義を改めて認識するとともに、正しい照明の知識の普及と啓発活動の推進の一環として開催されています。毎年多数の応募がありますが、今年は、全国から472点の応募がありました。
本レポートでは、10月15日、パナソニックリビングショウルーム東京で行われた授賞式の模様をお届けします。
授賞式の冒頭、日本照明工業会の揖斐洋一会長が、授賞式に参加した小学生たちを前に、「自然の恩恵に感謝しつつ、電気のある生活のありがたみを考え、この先いかにエネルギー資源を活用していくか、知恵を発揮していきましょう。また、この「あかりの日」とポスターコンテストが、将来ノーベル賞受賞者が出て来るきっかけになれば」とスピーチ。未来の発明者たちを元気づけていました。
つづいて、日本照明工業会 道浦正治筆頭副会長、環境省 地球環境局地球温暖化対策課国民生活対策室 伊藤賢利室長がLED照明の現在や地球環境の大切さなどについて話し、集まった小学生とその父兄のみなさんも熱心に耳を傾けていました。
さて、受賞作品についてですが、「あかりの日」第16回全国小学生ポスターコンテストの最優秀賞に選ばれたのは、島根県の松江市立生馬小学校6年生の松尾煌太(まつお・こうた)さんの作品です。
「あかりの日」委員会 内橋聖明委員長から表彰状を受け取った松尾さんは、ポスターについて、「電球と蛍光灯をイメージして描き、特に黄色の変化をがんばって描きました」と語り、受賞を喜んでいました。
画用紙の真ん中に電球が描かれ、その周りを照らすように塗られた、温かみのある黄色の濃淡が印象的な作品。普段から時間のあるときには絵を描いているという松尾さんですが、今回はイメージが浮かんであっという間、約1時間で仕上げたそうです。
授賞式に先立ち9月7日に行われた審査会では、グラフィックデザイナーの長友啓典審査委員長が、「あかりの波動を黄色いグラデーションで表現し、そこに白地を残すことで、あかりの広がりが躍動感をもって見る人に伝わってきます。(中略)作者は気づいているかわかりませんが、これは作者が本来もっている描くことについての感性です」と評しました。また、圧倒的な票数で最優秀賞に選ばれたそうです。
最優秀賞のほか、優秀賞10点、入選30点は、「あかりの日」のホームページに掲載されています。
授賞式後は、「小学生親子LED工作教室」が開かれ、親子で協力し合ってLEDキットを組み立てたあと、そのキットを、思い思いに製作したクリスマスリースやハロウィンのかぼちゃ風ランタンの中などに取り付けて、自分好みのLED照明を作っていました。
みなさんも、この「あかりの日」をきっかけにして、LED照明による省エネや地球温暖化対策への理解を深め、豊かな暮らしへの第一歩としていただければと思います。