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今回は、リノベーションで家の照明をLED照明に切り替えた、タイプの異なる3つのお宅を取材し、LED照明導入のポイントと、消費電力の変化をリサーチしてきました。

実例1:築40年の一戸建て住宅がリノベーションで快適エコ住宅に変身

Eさんが築40年の一戸建ての中古住宅を購入したのは2007年のこと。すぐに建て替えるつもりが、共働きで3人のお子さんの育児に追われているうちに家に愛着がわき、そのままきてしまったそうです。
2015年に、古い戸建て住宅の耐震改修には区から助成金が出ることを知り、家を丸ごとリノベーションすることにしました。

照明は、気に入っているアンティークのペンダントライトなどの一部を除き、ほぼすべてLED照明に切り替えました。

リノベーション後の1階リビングダイニング

「以前は、LED照明は種類が少なくデザインも選べないというイメージを持っていたのですが、リノベーションをした2016年には種類が豊富になっていて、いいデザインのものが多数ありました。施工会社の方からも長寿命で省エネになるからとすすめられ、自然とLED照明を選んでいました」とEさん。


リノベーションして開放的になったキッチン

壁付けの照明器具は施工会社と決めましたが、その他にネット通販でLEDスポットライトを購入。棚に飾った本に当てて間接照明のように演出するなど、自分好みにアレンジしました。
「LED照明はすごく高額というイメージも、もう昔のものですね。安いものなら器具と電球がセットで数千円ほどのLEDスポットライトもあり、手軽に取り入れられるようになっています」(Eさん)


LEDスポットライトで雰囲気もアップ

2016年6月に完成し、新居で初めて迎えた冬の電気代が、大幅に低くなったことに驚いたとのことです。
リノベーション前後の照明の消費電力を比較すると、以下のように約40%の省エネでした。さらに実際の電気料金で比べてみると、リノベーション前の冬と比較すると半分以下になったそうです。

「LED照明への切り替えに加えて、壁の断熱改修や、1階の窓を二重サッシにすることによる効果も大きかったようです。
エアコンの他に、間伐材を燃料とする環境にやさしいペレットストーブも設置したんですが、ストーブをつけるとすぐに部屋があたたまり、止めても快適な温度を長くキープできます。エアコンをつけることがほとんどなくなりました。バスタブにためた湯も冷めにくくなったので、追い炊きが減りました。
こうした少しずつの節電が積み重なって、大幅な省エネになっているのだと思います」とEさん。

どことなく暗く寒かった築40年の家が、リノベーションで明るくあたたかい快適なエコ住宅に変身しました。
築年数が古い建物ほど、窓の断熱化が不十分なケースも多いといいます。リノベーションのような大掛かりなことができなくても、二重サッシにするだけでも断熱効果はグッと高まるので、LED照明への切り替えにプラスしてぜひ取り入れたい知恵ですね。

実例2:中古マンションの照明を全てLEDに替え、開放的なくつろぎの家に

Nさんご夫婦は2015年春に中古マンションを購入しました。最初からリノベーションをする目的で中古マンションを選んだそうです。
購入してすぐにリノベーションを行い、2015年秋に新居が完成しました。

リノベーション後の玄関。間接照明とブラケットライト(壁付けの照明)で雰囲気のある空間に

工事が始まっても、照明については全くのノープランだったと言うNさん。
「建築家の方といっしょに照明のショールームに行き、最近のLED照明の色や明るさなどについて詳しく説明していただいて、やっと真剣に考え始めました。省エネしつつトータルコストが削減できるなら、とLED照明に変えることにしたんです」

その後、1カ月かけて家の中の照明プランを決め、照明器具も1つ1つ自分で選びました。
「開放感と広さを重視した家づくりをしたかったのと、部屋が明るいのが好きなので、照明の色は自然光に近い白色の昼白色をメインにしました。でも、2015年頃はまだ昼白色のLED照明があまりなく、色もメーカーで微妙に違うので、色選びに悩んだのを覚えています。今はLED照明の光色のバリエーションも豊かになったのでうれしいです」(Nさん)

リビングのLEDシーリングライトは調色機能付きに

照明の色でいちばん悩むのが、リビングのメイン照明です。リラックスしたい時は赤みのある電球色が心地いいと言われますが、アイロンがけなどの家事をする場合などは青白い昼光色や白くて自然光に近い昼白色が向いています。また、Nさんのように好みの光色に統一したいという方も多いでしょう。
そんなときは、光の色味を調節できる調色機能付きのLED照明が便利です。Nさんもリビングのシーリングライトは調色機能付きにし、好きな色に調整しているそうです。

リビングダイニングはスポットライトを
壁に当てて間接照明風演出も
キッチン。元の照明器具を残し蛍光灯をLEDに変更

以前は消費電力の高い白熱灯シーリングライトが各部屋に使われていたこともあり、リノベーション後は約65%もの省エネに成功。Nさんのねらいどおり、トータルコストも大幅削減できました。

※洗面所、トイレ、バスルームは含んでいません

洗面所、トイレ、バスルームの照明は、リノベーション前から付いている蛍光灯ダウンライトをそのまま使用していますが、LED電球にも対応している機種なので、切れたタイミングで随時、LED電球に切り替えているところです(※1)。なので、上の比較には入れていません。
これらもすべてLEDに切り替え終われば、省エネ度はさらにアップします。

「ここに越してくる前に住んでいたマンションはオール電化だったので、電気代がとても高かった記憶があります。自分の好きな空間を楽しみながら、自然と省エネもできているというのは気分がいいものですね。」(Nさん)

※1電球形LEDランプへの交換は正しい方法で行うことが大切です。交換時の注意点について、詳しくはこちらを参照ください。

実例3:事務所ビルを住宅に!約70%の大幅省エネも成功!

最後にご紹介するのは、事務所ビルを住宅用にリノベーションしたお宅です。
Tさんは奥さまと3人のお子さんとともに、仕事の都合でロンドンで生活していましたが、2014年、転勤で日本に戻ることになりました。
「共働きで育児には実家のサポートが必要だったので、東京都心にある妻の実家の周辺で新居を探しました。5人家族なので希望は4LDK。でも場所柄、高額な割には狭いマンションしか購入できないことを知り、ショックを受けました」(Tさん)

そんなある日、実家の10軒ほど隣の建物に〝for sale〟と書かれた紙が貼られているのを発見。築15年の地下室付き4階建て事務所ビルでした。建坪10.5坪の間取りだったものの頑張れば手が届く価格だったのと、地下室付きという点に魅力を感じ、住宅用にリノベーションして住むことを決めました。

リノベーション前の2階

照明は主にダクトレールを取り付けてLEDスポットライトを多用するスタイルを選択。2階のリビング、ダイニング、キッチンと1階玄関はLEDダウンライトをメインにしました。

リノベーション後の2階。暗い印象もあった事務所が明るくゆったりしたリビング、ダイニング、キッチンに変身

「イギリスではシーリングライトはほとんど使われておらず、ダウンライトやシャンデリアがポピュラーです。その雰囲気が好きだったので、リノベーションした家はダウンライトにしたいと思いました。
明るさが足りなかったときのことを考えて、工事中に急遽、ダクトレールも設置しました。ダクトレールの利点は、いつでも照明を増設・取り外しできる点です。実際、子どもがダイニングテーブルで勉強するようになってから、LEDスポットライトを2個増設しました」(Tさん)

自然光が多く入る4階は子ども部屋
照明はLEDスポットライトのみ  
3階の寝室のみLEDシーリングライトを使用

全室LED照明に切り替えたのは、消費電力を抑えて省エネ&節約をするためです。地上4階建てで、地下室も合わせると全部で5階。トイレや洗面所も2カ所ずつあって部屋数は多いのですが、照明の消費電力はリノベーション前に比べて、なんと70%も省エネできていることがわかりました。

※外灯と階段の照明は含んでいません

2階のリビング、ダイニング、キッチンと3階の寝室の窓は二重サッシにしたので暖房効率がよく、真冬でもエアコンを使うのは朝と晩の数時間くらいだとか。また、玄関には人感センサを設置していて、これがとてもよかったとTさんは言います。

「バスルームや洗面所は1階の玄関横にあります。階段を降りて1階に着くと、人感センサとつないである玄関中央のダウンライトが点灯する仕組みです。夜間、帰宅時に玄関ドアを開けたときも自動で照明がつきます。
ムダに照明を付けっ放しにしなくていいですし、暗い中を手探りで照明スイッチを探す行動がなくなって、壁が汚れることもありません。これ、本当におすすめです」

1階の玄関の照明には人感センサを活用

家庭で電気使用量が多いのは、1位が電気冷蔵庫で2位が照明です(※2)。家庭にはたくさんの照明があるため、ひとつひとつは少なくても電気使用量は全体として多くなります。
省エネ効果にすぐれているLED照明に切り替えることは、効果的な節電とCO2の削減につながります。今回ご紹介した3つのお宅はリノベーションで大きく変身しましたが、皆さんのお宅もLED照明に切り替えながら、上手に部屋をイメージチェンジしてみてはいかがでしょうか。
※2 2016年度版スマートライフおすすめBOOKより

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