建物のエネルギー消費量全体に占める照明のエネルギー消費の割合は、意外と多いものです。オフィスビルでは夏季で約24%、冬季で約33%を占めています。 卸・小売店では、夏季で26%、冬季には36%にものぼるのが現状です。
出典:経済産業省 節電メニュー 資源エネルギー庁推計
照明を最新のLED照明に替えた場合、明るさはそのままに、大幅な省エネをすることができます。その一例をまとめたのが以下の表です。
LED照明は寿命が長いので、取り替えなどに関するコストや手間も軽減できます。
最新のLED照明には、センサや無線制御器具など、省エネをサポートする便利な機能がついています。
周囲の明るさを感知する「あかるさセンサ」は、周囲が暗くなると自動的に点灯。外光が入るなどして周囲が明るくなると自動的に消灯する便利なセンサです。窓際の過度な明るさや、照明が点灯する初期の余分な明るさを抑えることができます。
人の在・不在を検知する「人感センサ」は、人がいない時には自動的に最小限の明るさに減光します。
また、「無線制御器具」に交換すれば電源は既設の配線を利用し、新たに照度調節用信号線の配線をする必要がありません。簡単に照度調節を導入でき、リニューアルにおすすめです。
これらを活用することで効率的に省エネできるだけでなく、環境に合わせた照度調節などが簡単にでき、快適さもアップします。
従来の照明器具からLED照明器具に交換すると、上でご紹介している通り、消費電力を大幅に削減することができます。
また、LED照明は光源寿命が長く、一般的な電球形LEDランプの定格寿命は白熱電球※の約40倍。LEDシーリングライトの光源寿命※も従来の点灯管式蛍光ランプの約7倍です。寿命が長いと廃棄物も少なくなり、買い置きの心配もなく、取り替える手間まで減らせます。
LED照明は従来の照明器具に比べると購入価格は高めですが、電気代を含めたトータルコストは安くなります。 また、CO2の排出も少なくなり、地球温暖化対策に貢献できます。
※ JISにおいて、「白熱電球」の正式名称は、「一般照明用白熱電球」です。また、一般的には、「ボール電球」、「反射形投光電球」、「ハロゲン電球」なども「白熱電球」と呼ぶ場合があります。
※ 一般的なLEDシーリングライトの光源は長寿命のため交換できません。
光源寿命=器具寿命となります。
ハロゲン等の白熱電球に比べ、LED照明の光には熱源となる赤外線が少ないため、照射物に大量の熱を与えることがありません。
熱によって溶けやすいチョコレートやケーキ、口紅等のライトアップにも最適です。
昨今のLED照明は、食べ物をより美味しく見せたり、衣服や化粧品の微妙な色味の違いも表現できるなど、照射物をより美しく見せるために光の波長を制御したものが増えてきました。 目的に応じて適切な光を選べることもLED化のメリットです。
自治体により内容は異なりますが、LED照明の導入には補助金を受け取ることが可能です。国によるLED照明の税制優遇措置ほか、自治体によるLED照明の補助金・支援策があります。 対象になるかならないかは、国、自治体の各担当課に確認をしてください。
また、照明器具メーカーやリース会社など、さまざまな企業がLED照明のリースを行っており、人気が高まっています。
リースなら、通常LED照明を導入するためにかかる初期費用(LED照明器具代・工事費用)をかけずに、月額固定のリース料金のみで導入することができます。
LED照明に切り替えることで電気代を大幅に削減し、環境によってはリース料を支払ってもコスト削減効果を得ることが可能です。
照明器具は10年を過ぎると故障率が急に増えていきます。10年を目安に、LED照明への切り替えを検討してみてはいかがでしょうか?