COOL CHOICE LEADERS AWARD 2018

受賞者インタビューページは2020年3月末日頃に
掲載終了いたします。

受賞者インタビュー

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プロダクツリーダー部門

リンナイ株式会社

多様なエネルギーを賢く最適に利用できる
究極の省エネ給湯・暖房システム
「エコワン」の開発

執行役員 開発本部 商品開発部長・中島 忠司 (なかしま ちゅうじ)さんが語る、エコワンを開発した理由

執行役員 開発本部 商品開発部長・
中島 忠司 (なかしま ちゅうじ)さんが語る、
エコワンを開発した理由

この度は弊社が開発・販売している「エコワン」における環境性能への効果をご評価いただき、栄誉ある環境大臣賞を受賞できたことに大いなる喜びを感じます。特に開発当初から関わってきた一人としては大変誇りに思います。 ガス機器メーカーであるリンナイが、なぜ、ガスと電気を併用するエコワンを開発したのか、ということは当初から多くの方に聞かれました。その第一の理由は、オール電化の波、そして省電力のヒートポンプの登場とその市場への普及でした。電気のヒートポンプ給湯機(エコキュート)はヒートポンプで効率的な運転をするだけでなく、割安な深夜電力を利用してお湯を作って、タンクにため、それを給湯やお湯はりに用いる、という画期的なシステムでした。その最大のメリットはランニングコストがガス給湯器よりも安くなる、ということです。このエコキュートが普及することで、弊社の主力製品であったガス給湯器の販売にも影響があり、ガス機器メーカーとして対応を迫られました。2006年当時、弊社の危機感はそれまでになく高まっていました。

新製品の開発コンセプトは「ハイブリッド」

新製品の開発コンセプトは「ハイブリッド」

「このままではガス給湯器がどんどん減っていってしまう」。それは会社としての共通認識でした。そこから、私を含めて6人が集まり、将来の給湯器のあり方、そして、リンナイの今後どのようにしていくのかを協議するために、当時、その6人で合宿をしました。朝から晩まで様々なアイディアを出し合いました。そこで導かれた結論が「ガスと電気のハイブリッド」。わかりやすくいえば、ガスと電気のいいとこ取りであり、「お互いに補完し合って、エネルギーをムダにしないようにする」、というものです。ですが、エネルギーの自由化で、ガスと電気の領分があいまいになる前の話で、今思えば、大胆な発想の転換でした。

エコキュートは非常に効率がよく、しかも低コストでお湯が作れます。しかし、ヒートポンプの特性上、すぐにお湯を沸かすことができないため、タンクが空になると水が出てしまいます。ですので、必要なお湯の量よりもいつも多めにためておく必要があります。

一方、エコワンは、ヒートポンプで高効率なお湯を作る機能にプラスして、タンクが空になった時には、瞬発力に秀でたガスで素早くお湯を作ることができるので、必要以上のお湯をためなくてもよい、という発想です。

ガス機器メーカーならではの苦労もあった

ガス機器メーカーならではの苦労もあった

ヒートポンプは電気で動きます。ところが、弊社はガス機器メーカー。ヒートポンプをゼロから開発するのは、時間がかかります。エコワンを開発するうえで、最初のハードルがそこでした。しかし、幸いなことに協力してくれるヒートポンプのメーカーが現れたことで、エコワンの実現へ大きな一歩を踏み出すことができました。

次のハードルは、ガスと電気の「最適なバランス」を見極めるシステムです。ヒートポンプは効率が高いので、できるだけ多く運転させたい。だからと言って、使わないお湯まで作ってしまっては、かえって非効率です。そのため、各家庭におけるお湯の使用状況を想定し、最適な時、最適な量のお湯を「使う直前」に作り、ためておくことができる「究極の省エネシステム」の開発が求められました。開発中はそれこそ24時間単位での評価試験を何十日も連続して続けました。

開発チームに参加した開発本部 商品開発部 第一温水設計室 主査・小川 純一 (おがわ じゅんいち)さんは語る

開発チームに参加した開発本部 商品開発部
第一温水設計室 主査・小川 純一 (おがわ じゅんいち)さんは語る

私は、入社して5年目くらいの時に、新製品開発のチームに加えていただきました。会社の主力となる可能性がある製品の開発チームに入れたことを、幸せに感じたのを覚えています。

私が担当したのは、気温、水温などの諸条件、そして各家庭の様々な使用シーンを組み合わせた膨大な評価作業です。まず、後にエコワンとなる製品の試作品が、一般家庭でどのような使われ方をするのかを想定します。そして、想定できる使われ方のすべてにおいて、適温のお湯を供給できるシステムの開発が求められていました。それはもう、気が遠くなるほど膨大な作業量です。しかも、内容は緻密。そういった作業を重ねる中で、時には想定通りにお湯が作られない場合もあります。そういう場合には、何が原因なのかを考え、それを突き止め、改良します。地味な作業ですが、そういうことが技術者の主要な仕事だと思います。

やがてシステムが完成し、私たちの初代のエコワンに組み入れました。エコワンがデビューしたのは、2010年のことです。

再び中島さんが「エコワン時代」の到来を予見

改良を重ね、エコワンは、省エネ設備の評価基準となる給湯一次エネルギー消費量において史上最高レベルに到達することができました。CO₂排出量は、従来機器に比べて5割近く削減しています。その環境性能は、ゼロ・エネルギ―・ハウス(ZEH)の省エネ基準をクリアすることができるほど。

「省エネルギーが必要だ、光熱費を下げたい」と言っても、我慢の省エネは続かないもの。エコワンのように、省エネ性能が高まれば、給湯・暖房の光熱費を確実に抑えられます。お客様も「光熱費が同じなら、環境にやさしいものを」と選んでくださるようになりました。また、東日本大震災以降、エネルギーの安定供給を求める声が高まっていますし、今後、ガス併用のエコワンに注目が集まるのではないかと期待しています。そのような折にこの栄えある賞をいただいたことは大変光栄です。