「紙の微細なパウダー加工技術」と「紙パウダーと合成樹脂との混成技術」を開発し、水蒸気で発泡させた独自製品「ER(アースリパブリック)」を持ったことでEU輸出企業から買いが入り、ミニマムサイズながら年商10億まで辿り着き、メーカーとしての基礎ができました。
この事業と並行して、紙の微細パウダーと合成樹脂を練り込み、プラスチック成形技術で成形可能な紙リッチ(51%以上)の成形材料「MAPKA(マプカ)」を開発しました。MAPKAは当初、食器からスタートし、イベント容器として使用されていましたが、従来品は利用者がその場で捨ててしまうのに対し、MAPKA容器はリユースが可能で持ち帰りが大半となり、ゴミにならないと評判を呼び拡大しました。
世界的な「使い捨てプラスチック問題」、「海洋汚染問題」が大きく取り上げられる中、MAPKAはプラスチック業界から次世代素材の一つ、確実にCO2削減が可能な素材として注目されるようになりました。
ER、MAPKA事業のコアは、25~50㎛の紙パウダーの生産技術にあります。
当社の代表者は元々素人だったので、日本の粉砕機メーカーのいずれかに頼めば簡単に出来るものと考えていました。しかし全国20数か所のメーカーを回り粉砕試験をしたところ、粉砕どころか綿状になり、粉にはできませんでした。
粉砕試験だけで1年が経過し、まったく成果が出ないため何度も投げ出したくなりましたが、何とかしたい一心で続けていました。
1年3ヶ月後のその日も結果は失敗で終わり途方に暮れていましたが、食事で入った蕎麦屋で蕎麦粉を作る石臼を見て、「すり潰し」という方法を思い付き、その方法で第1号の機械を製作しました。この機械に紙をそのまま投じてパウダーになって出てきた時は、大きな達成感を得ることが出来ました。
この紙の微細パウダー化技術(ドライ式)は未だに同様の技術が世界的に見ても存在せず、紙パウダーを合成樹脂に練り込んで混成させたER、MAPKAも海外マーケットに進出できました。欧米ではこれらのCO2削減効果に大きな反響があり、紙パウダーと生分解樹脂、紙パウダーとバイオ樹脂など新たなチャレンジが世界的企業とのコラボレーションにより展開されています。
近々にそうした材料で作られたストローやトレーも登場します。
この度は当社がゼロから開発した、主原料が紙パウダーの成形材料「MAPKA®」及び紙パウダー入り発泡体「Earth republic®」をCOOL CHOICE LEADERS AWARDにご選出いただきありがとうございました。
紙の微細パウダー化量産技術は世界的にも類するものが無く、まさにメイドインジャパンのオンリーワン技術・製品であり、MAPKA®とER®は使い捨てプラスチックの原料を確実に50%以上削減が可能なCOOL CHOICE製品です。