「COOL CHOICE チャレンジ~地球温暖化対策を実践する1週間~」では、地球温暖化の現状を知り、
省エネ・低炭素型の製品への買換え・サービスの利用・ライフスタイルの選択などの「賢い選択」を
広く国民や企業の皆さまに実践していただくことをお願いしています。
本サイトでは地球温暖化対策の取組を促進するため、
先進的な取組をしているエコ・ファースト認定企業とSBT認定企業の事例をご紹介します。
ぜひ実践していただくための参考にしてもらえたらと思います。
大和ハウスでは従業員のECO活動を推進するために、各事業所が積極的に参加できる社内制度を整えています。また、バリューチェーン全体では、長期間使用されCO2排出量が最も多い住宅や建築物の「居住・使用段階」におけるCO2排出量の削減に貢献するため、販売する住宅や建築物などへの応用を見据えた「省・創・蓄エネに配慮したモデルオフィス」の導入も進めています。
今回の取材にご協力いただいた方:
技術本部環境部環境経営推進グループ 主任 置田晃子さん
「ボトムアップで行っているECO活動は大きく4つあります」と語る置田さん。その4つとは、①事業所の環境活動実績を業績評価に反映する「環境業績評価制度」、②全事業所にECO活動の周知と推進を行う担当者を選任しボトムアップを図る「ECOサポーター制度」、③各事業所で取り組む環境活動を表彰する「環境優秀事例社長表彰制度」、④商品化や水平展開につなげることを目的に、事業所やグループ施設といった自社施設へ省エネ技術を導入し実証検証を行うプロジェクトに予算を補助する「環境経営予算制度」。これらに加えて、各事業所単位でECO活動の進捗状況を見える化する「事業所ECO診断」を行い、PDCAサイクルに基づくECO活動を推進しています。
2015年に採択されたパリ協定を踏まえて、2016年度に「Challenge ZERO 2055」を策定。環境負荷ゼロへの挑戦を始めた大和ハウス。これは、創業100周年に当たる2055年を見据えた環境長期ビジョンで、前述の4項目は、このビジョンを達成するための取組の一部です。中でも、「環境業績評価制度」は画期的。置田さんは「従来の事業所業績評価は、財務面の業績評価のみでした。時間はかかりましたが、現在はこれに、ECO活動への取組などを評価する経営健全度評価を組み入れて、総合評価方式を採用しています」と導入の苦労を教えてくれました。
「Challenge ZERO 2055」では、全施設・全事業所で温室効果ガス排出量(売上高あたり)を、2015年度比で2030年に45%削減、2055年には70%削減を目標に掲げています。そのために、「各事業所の優れた取組を環境社内報やイントラネットで共有したり、研修を修了したECOサポーターが講師となって、事業所でも年2回ECO研修を実施するなど、全事業所が温室効果ガス排出量削減に力を入れています」と置田さん。
ECOサポーター制度による事業所での環境活動が評価され、2016年度に環境省の「環境 人づくり企業大賞2015」優秀賞を受賞。「講演会などを通じて、当社の取組を多くの人にお伝えする機会も増えてきており、ありがたく思っています」と置田さん。また、社内での影響について「社員の環境意識が高まることにより、これからの時代に重要となる「環境経営」の基盤を支える人財の育成につながっていることが大きな収穫の一つです」とメリットを語ってくれました。
公的補助金の活用に加え、社内で予算を補助する「環境経営予算制度」を利用して、自社・グループの事業所や施設に先導的な省エネ技術を導入。既存施設では、「大和ハウス東京ビル」で20時退社の徹底やライトダウンデーの実施による使用電力の削減、節水対策に取り組み2017年3月に「LEED-EBOM(リード・イーボム)認証(既存建物)」のプラチナ認証を取得しました。また、新築施設では日本初の再生可能エネルギーによる電力自給自足オフィス「大和ハウス佐賀ビル」で実証実験を開始。このビルでは同一規模の一般建築と比べ電力料金を年間約600万円削減できます。今後の取組について、「施設で得られた成果を自社施設へ水平展開するだけでなく、施設自体をショールームとしても活用。お客さまへの環境配慮型施設の提案や普及を加速させます」と語る置田さん。ECO活動を環境負荷やランニングコストの削減だけでなく、事業機会につなげる重要性を語ってくれました。