COOL CHOICE チャレンジ COOL CHOICE チャレンジ

~地球温暖化対策を実践する1週間~

2018年11月26日~12月2日

「COOL CHOICE チャレンジ~地球温暖化対策を実践する1週間~」では、地球温暖化の現状を知り、
省エネ・低炭素型の製品への買換え・サービスの利用・ライフスタイルの選択などの「賢い選択」を
広く国民や企業の皆さまに実践していただくことをお願いしています。

本サイトでは地球温暖化対策の取組を促進するため、
先進的な取組をしているエコ・ファースト認定企業とSBT認定企業の事例をご紹介します。
ぜひ実践していただくための参考にしてもらえたらと思います。

SBT認定取得
エコ・ファースト企業認定
積水ハウス株式会社2019.01.29

ゼロエネルギー住宅の供給で
脱炭素化へ
環境戦略と事業戦略の一体化で
CO2削減と業績向上を同時に実現

積水ハウスイメージ図

「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」(ZEH)の販売数を増やす積水ハウス。2017年度には、新築戸建住宅の居住時年間CO2排出量を1990年度比で83.6%削減することに成功しました。その最大の要因は環境戦略と事業戦略を一体化させたことにあります。来るべき脱炭素社会において必要とされる企業であり続けるために、地球温暖化対策が欠かせないといいます。

今回の取材にご協力いただいた方:
常務執行役員 環境推進部長 石田建一さん

企業理念を実現するために環境問題への取組は不可欠

企業理念の一つに「人間愛」を掲げる積水ハウス。「私たちは家を売っているのではありません。“幸せな人生”を売っているのです」と石田さんは説明します。人々が幸せな人生を送るためには、地球環境が守られていなければなりません。つまり、同社が企業理念を実現するためには環境問題への取組が不可欠なのです。また、「住宅は他の商品に比べて寿命が長く、顧客をサポートしていくためには企業の継続が欠かせません。積水ハウスは将来も必要とされ続ける企業でなくてはならないのです」と石田さんは話します。

画像はイメージです
画像はイメージです

顧客が居住することで排出されるCO2の量を減らす

住宅のライフサイクルにおけるCO2の排出量は、スコープ1(事業者自らによる直接排出量)とスコープ2(他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出量)、スコープ3(その他の間接的排出量)の3つに分けられます。積水ハウスの場合、スコープ3が97.5%を占めており、その中でも製品使用時の排出量が57.2%と突出しています。つまり、顧客が住宅を購入し、居住することで排出されるCO2の量を削減することが求められているのです。

2016年度 スコープ1、2、3のCO2排出量の内訳(2016年 積水ハウス株式会社調査)
2016年度 スコープ1、2、3のCO2排出量の内訳(2016年 積水ハウス株式会社調査)

ZEH販売によって新築戸建住宅の居住時CO2排出量を83.6%削減

そこで積水ハウスが取り組んだのが「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」(ZEH)の開発と供給です。ZEHとは、「快適な室内環境」と「年間で消費する住宅のエネルギー量が正味でおおむねゼロ以下」を同時に実現する住宅のこと。同社は2013年にZEHを発売し、2017年度には同社の新築戸建住宅の76%を占めるまでに事業を成長させました。「累積ZEH棟数は3万5881棟に上り、世界で最も多くZEHを供給した企業となっています」と石田さんは言います。ZEHの販売増によって、積水ハウスの2017年度の新築戸建住宅の居住時年間CO2排出量は1990年度比で83.6%削減できました。

快適な暮らしと「省エネ」「創エネ」を実現する積水ハウスのZEH
快適な暮らしと「省エネ」「創エネ」を実現する積水ハウスのZEH

地球温暖化対策の効果と業績が連動して上昇する

積水ハウスがCO2排出量を削減できた理由として、環境戦略と事業戦略の一体化に成功したことが挙げられます。同社の新築戸建住宅の居住時年間CO2排出率(1990年度比)は、2007年度の71%から、2017年度には16%に低下しています。この間積水ハウスは2009年から1990年比で50%以上CO2排出を削減できるグリーンファーストモデルの販売を、さらに2013年からはZEHにグレードアップしたグリーンファースト ゼロの販売を開始し、この比率を上げてきました。つまり、ZEHを販売すればするほど地球温暖化対策が進み、同時に積水ハウスの業績も上がっていくのです。
そのため、積水ハウスの社員はセミナーの開催などを通して、ZEHのメリットである光熱費の大幅削減や高い快適性を得られることを顧客に伝えたり、経済産業省が行うZEH支援事業の補助金利用を提案したりしてZEHの普及に取り組んでいます。また、経営層もメディアなどを通じてZEHがビジネスチャンスを拡げ、かつ地球温暖化対策にも役立つことをアピールしており、全社的な活動として力を入れているのです。

新築戸建住宅の居住時年間CO2排出比率および環境配慮型住宅の比率(2017年 積水ハウス株式会社調査)
新築戸建住宅の居住時年間CO2排出比率
および環境配慮型住宅の比率
(2017年 積水ハウス株式会社調査)

地球環境への貢献に対する高い評価が社員のモチベーションアップに

世界は今、脱炭素社会へと向かっています。石油や石炭などの化石燃料を使わずにCO2などの温室効果ガスの排出を防ぎ、太陽光などの再生可能エネルギーの利用を進めて持続可能な社会を築いていこうとしているのです。「将来も必要とされ続ける企業になるためには脱炭素社会への順応が必要であり、積水ハウスはすでにその準備が整っています」と石田さん。同社の環境問題対策への貢献は多くの投資機関や政府機関などから高く評価されており、それが企業のイメージアップだけでなく、ZEHの普及を担う社員たちの仕事に対するモチベーション向上にもつながっています。

世界的なESG投資指標「FTSE4Good Index series」など外部機関から高い評価を獲得
世界的なESG投資指標
「FTSE4Good Index series」など
外部機関から高い評価を獲得