提供:公益財団法人日本セーリング連盟

提供:公益財団法人日本セーリング連盟

自然の力を利用して、海上で行う「脱炭素なスポーツ」。
公益財団法人日本セーリング連盟の取組を紹介します!

2022.3.14

公益財団法人日本セーリング連盟

ヨットの帆に受けた風の力を利用して水上を進むセーリング。自然の力を利用して、競技場のように照明や空調も使わず、エンジンによる排気もないセーリングは、まさに脱炭素を象徴するスポーツといえます。

セーリングにとって、自然環境の保全は競技の存続にも大きくかかわる重要な課題となっています。

セーリングの競技連盟である公益財団法人日本セーリング連盟は、「残したいのはきれいな海」をスローガンに、これまでセーリングの大会を通じてさまざまな環境保全活動を行ってきました。

今回は「海のスポーツ競技」を通した環境保全に関する取組を紹介したいと思います。

子どもから大人まで楽しく学べる取組を実践

公益財団法人日本セーリング連盟は、公認しているレースのうち年間で約35の全日本クラスの大会(2020年度)において、シングルユースプラスチック(注)及びゴミの量全体の削減など環境にやさしいレース運営を行っています。

具体的な取組としては、使い捨てのペットボトルからマイボトルへの切り替えを推奨、ヨットが転覆した際に自分達のドリンクボトルが海中に流れ出さないよう艇につなげておくボトルホルダーの制作・配布、レース中にゴミが出たら支援艇に渡してもよい規則の明文化、なるべく使い捨てプラスチック製品ではなく代替品を使うように推奨、といった活動が挙げられます。

(注)1回または短期間しか使われない使い捨てプラスチック。

また、レースとともに開催されるイベントとして、ビーチにあるゴミを拾うビーチクリーン活動や使えなくなったヨットの帆を再利用したエコバッグを作成するワークショップなど等、子どもから大人までを対象に楽しみながらCO2排出削減のできる啓発活動を実践しています。

神奈川県藤沢市の片瀬海岸でのビーチクリーン活動

提供:公益財団法人日本セーリング連盟(神奈川県藤沢市の片瀬海岸でのビーチクリーン活動)

エコバッグを作成するワークショップの開催風景

提供:公益財団法人日本セーリング連盟(エコバッグを作成するワークショップの開催風景)

自然と共存するスポーツを持続するために

きれいな海を守るために公益財団法人日本セーリング連盟が取り組んでいる環境保全活動。取組に対する思いについて、公益財団法人日本セーリング連盟の理事である永井さんにお話を聞いてみました。

読書促進キャンペーン「グラブを本に持ちかえて」

写真:公益財団法人日本セーリング連盟理事 永井さん

―環境保全活動に取り組もうと思われたきっかけは?

室内で行われるスポーツと異なり、セーリングの競技の場は海や湖など、まさに自然相手のスポーツです。我々セーラーがいつまでも楽しく安全にセーリングができるために、持続可能な環境を守ることは必須条件になります。地球温暖化による異常気象、海面温度上昇、海面水位上昇等スポーツへの直接的な影響が懸念される中、「海」という自然環境を守るためにあらゆる努力を重ね、地道に活動していくことが日本セーリング連盟の役割であると考え、取り組み始めました。

―今後取り組んでいきたい活動は?

海に浮遊するプラスチックの約7~8割は陸由来のものと言われています。まず、海の現状を知り、自分達で何ができるか、何をしなければいけないか、環境に対する意識を変えてもらうことが重要だと思っています。一個人ができることは限られていますが、3R(Reduce、Reuse、Recycle)を始めとして、自分ごととして少しでもできることから実践していただきたいと思っています。

海で活動するセーラーのみならず、イベントや勉強会等を通じて、子どもから大人まで一般市民の方々にも幅広く環境の取組を発信し、行動変容につなげていけると嬉しいです。

将来を担う子ども達に現状を知ってもらう海洋教育を推進

公益財団法人日本セーリング連盟は海洋教育にも積極的に取り組んでおり、2020年には東京海洋大学と連携し、セーリングスポーツに参加する子ども達と保護者に向けて、海洋マイクロプラスチックに関する環境学習教材を制作しました。

小笠原諸島、パラオに向かうレース上で採集したマイクロプラスチックを実際に使いながら、将来を担う子達たちが、外洋域にマイクロプラスチックが浮遊している現状への理解を深められる学習を推進しています。

中学生を対象とした海洋教育の様子

提供:公益財団法人日本セーリング連盟(中学生を対象とした海洋教育の様子)

男女を問わず、ジュニアからシニアまで、誰もが自分に合った楽しみ方ができるセーリングは、生涯スポーツだと捉えることができます。だからこそこれからもスポーツを楽しむために持続可能な環境を守らなければいけません。

みなさんもスポーツを楽しめる環境を維持するため、できることから取り組んでみてはいかがでしょうか。

日本セーリング連盟公式サイト
https://www.jsaf.or.jp/fun/

日本セーリング連盟 環境委員会の紹介
https://www.jsaf.or.jp/hp/about/committee/environment


関連するゼロカーボンアクション30:

(24)使い捨てプラスチックの使用をなるべく減らす。マイバッグ、マイボトル等を使う

(30)植林やごみ拾い等の活動

ゼロカーボンアクション30をもっと見る