エネルギーの地産地消でCO2フリー!
信州ブレイブウォリアーズのクリーンエネルギープロジェクト

2022.3.15

信州ブレイブウォリアーズ

長野県で「地域愛着活動」に取り組むプロバスケットボールチーム、信州ブレイブウォリアーズ。

2020年、創設10周年を迎えた信州ブレイブウォリアーズは、環境・農業・食育・福祉・育児・教育・健康・新型コロナウイルス対策・災害復興支援・防災をテーマとした地域愛着活動として、10のプロジェクト を実施しました。そして翌2021年はその中の8プロジェクトをSDGs活動として継続し、2030年以降の未来に向けた「BRAVE ACTIONS」として推進しています。

今回は、その中の1つである「ENERGY ACTION」についてご紹介します。

Bリーグ初のCO2フリーゲーム開催

2021年2月、信州ブレイブウォリアーズは、松本市におけるホームゲームにおいて、Bリーグ初となるCO2フリーゲームを2試合開催しました。

この試合では、照明や音響等の試合会場で使用する電気に、長野県企業局が運営する水力発電所でつくられた電力と、川中島水素ステーションの水素からつくられた電力を活用しました。地元である信州産の再生可能エネルギーによるCO2フリー化を目指した取組です。

CO2フリーゲームの仕組み

提供:信州スポーツスピリット(CO2フリーゲームの仕組み)


試合当日は、会場の近くに水素ステーションで水素を充填した燃料電池自動車(FCV)4台を設置し、一部の飲食ブース等に電力を供給しました。

また、会場内では、発電所からの電力供給状況をモニター表示して「見える化」し、FCVと水力発電の仕組を説明するジオラマを展示して、環境負荷低減に向けた取組をPRしました。

試合会場でのFCV展示

提供:信州スポーツスピリット(試合会場でのFCV展示)


試合が開催された松本市総合体育館では、通常の試合開催日に使用される電力は1日当たり約3千kWhになります。CO2フリーゲームを2試合開催したことにより、CO2排出量が合計で2,835㎏削減されました。

その後も、信州ブレイブウォリアーズはホームゲームの開催時を中心として、クリーンエネルギーの普及啓発活動に取り組んでいます。

2021年12月25、26日に開催したイベント「ゼロカーボンクリスマスゲーム2021」では、関東経済産業局や長野県企業局と連携し、燃料電池車(FCV)の給電によるクリスマスツリーの点灯式や水力発電の仕組みを紹介する模型展示、試合のハーフタイムでは九州大学の西原准教授による水素エネルギーのトークショーを開催し、集まったファンに対してクリーンエネルギーの重要性を伝えました。

ゼロカーボンクリスマスゲーム2021の様子

FCVの給電によるクリスマスツリー点灯

提供:信州ブレイブウォリアーズ(FCVの給電によるクリスマスツリー点灯)

FCVの説明パネル

提供:信州ブレイブウォリアーズ(FCVの説明パネル)

水力発電の仕組みを説明する模型

提供:信州ブレイブウォリアーズ(水力発電の仕組みを説明する模型)

九州大学の西原准教授による水素エネルギーのトークショー

提供:信州ブレイブウォリアーズ(九州大学の西原准教授による水素エネルギーのトークショー)

身近で発生した自然災害をきっかけとして、活動に取り組む

ホームタウンを中心に、地域の企業等と連携しながら、一人でも多くの人々が信州とバスケットボールをもっと好きになる地域愛着活動に取り組む信州ブレイブウォリアーズ。

SDGs活動を始めた経緯や今後の取組について、運営会社である株式会社信州スポーツスピリットの渡辺智之取締役にお話を聞きました。

株式会社信州スポーツスピリット 渡辺智之取締役

写真:株式会社信州スポーツスピリット 渡辺智之取締役

―SDGs活動「BRAVE ACTIONS」に取り組もうと思われた理由は?

2019年10月に発生した台風19号の影響により、千曲川が氾濫し、ホームタウンである長野市と千曲市でも甚大な被害を受けました。当時、私たちは、翌日にホームゲームの試合があり、設営を行っていたのですが、夕方以降は会場周辺が洪水で埋まってしまい、試合を中止せざるを得ない状況となりました。

台風や地震などの自然災害による被害が日本や世界中で多発していることを身近に感じるとともに、地域被害を目の当たりにして、「スポーツチームとして、何かできることはないか」と考え始め、頻発する自然災害を少しでも抑えるため、スポーツを通じて地球に優しい活動を伝えていきたいと思ったことがきっかけになりました。

―クリーンエネルギーの啓発を行うようになったきっかけは?

地球に優しい活動を考えている中で、「水素エネルギー」の存在を知り、自動車に使用されていることを知りました。まずはファンに知ってもらい、地球環境を考えるきっかけになってほしいと思いました。

2021年は、運営会社で燃料電池自動車(FCV)を導入し、試合会場以外でも啓発活動に努めています

―今後取り組んでみたい活動は?

日本や世界中で、地球環境を考えて活動している自治体や企業が増えていると思います。まずはいろいろな企業とつながり、活動を続けていくことが大事だと考えています。まだ実施できていないSDGs活動に何でもチャレンジしていきたいです。特に、CO2削減につながる活動は続けていきたいですし、弊社でも少しずつCO2排出量を減らしたいです。

みなさんも普段使用している電気について、少し考えてみてはいかがでしょうか。再生可能エネルギーへの切り替えやスマートメーターによる電力使用量の見える化など、身近にできることがあるかもしれません。スポーツチームの取組を参考に、できることから取り組んでみましょう。


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