富山マラソン

みんなのウェルビーイング実現に向けて。
富山マラソンSDGs宣言に基づく取組み。

2023.1.10

富山マラソン

身近に参加できるスポーツとして人気を集めているマラソン。全国各地でさまざまな大会が開催されており、参加を楽しみにしている人も多いのではないでしょうか。
北陸新幹線開業を機に2015年から開催されている、富山県の「富山マラソン」。ものづくりの街である高岡市をスタートし、射水市の美しい海や港の景色を眺めながら、環境未来都市である富山市のゴールを目指して42.195㎞を走ります。
2022年は11月6日(日)に開催され、市民ランナーを中心に約14,000人が参加し、心地よい汗を流しました。この「富山マラソン」はSDGs宣言をしており、マラソン大会の運営を通じてさまざまなサステナブルな取組みを実施しています。

不要な衣類をリサイクルした素材を使用して記念Tシャツを製作

マラソン大会の前日に開催されたイベント「富山マラソンEXPO 2022」では、スポーツウェアメーカーの「株式会社ゴールドウイン」と連携して、参加者から不要になった衣類を回収しています。2022年は約668kgの衣料品を回収しました。これは、Tシャツに換算すると約2,700枚分に相当します。参加賞Tシャツは、各地の回収拠点から集めたリサイクルポリエステルを用いて製作しています。
また、スタッフやボランティアのユニフォーム、キャップは年号表記のないデザインを採用しているため、翌年以降も使用することができるなど、無駄のない工夫にも取り組んでいます。

衣類回収及びリサイクル素材を用いたTシャツ製作

衣類回収及びリサイクル素材を用いたTシャツ製作

ゴミを拾いながらジョギングをする「プロギング」

また、マラソン大会に先駆けて、ゴミを拾いながらジョギングをする新感覚のフィットネス「プロギング」を体験する教室を開催。富山マラソンで優勝経験のあるランナーを講師に、大人から子供まで、スポーツをしながら脱炭素に貢献できるアクションに取り組む活動も推進しています。
富山湾の海岸ごみの8割は県内で発生し、川から海に流れ出ていることを踏まえ、富山マラソンのコースの魅力のひとつである富山湾を守る取組みを、こうした身近なスポーツと組み合わせ、ランナーや住民が地域の環境保全に気軽に参加できる場を提供しています。

ゴミを拾いながらジョギングをする「プロギング教室」を開催

ゴミを拾いながらジョギングをする「プロギング教室」を開催

フードドライブによる食品ロス削減の取組み

食品ロス削減の取組みとして、大会前日の「富山マラソンEXPO 2022」ではフードドライブブースを設置し、家庭で余っている食品を回収。大会当日は、給水所やフィニッシュ会場で提供する食品(エイド)で余剰があったものについて、その一部を廃棄せずに回収しました。これらの回収した食品は、特定非営利活動法人フードバンクとやまを通じて、福祉施設や福祉団体等へ届けられています。

「富山マラソンEXPO2022」のフードドライブブース

「富山マラソンEXPO2022」のフードドライブブース

マラソンの魅力を守るために、SDGs宣言とともに取組みを実施

持続可能な大会運営を目指して、サステナブルな取組みを推進する富山マラソン。今後の取組みについて、富山マラソン実行委員会事務局に話を聞きました。

―富山マラソンがSDGs宣言をした背景を教えてください。

富山マラソンは「2022」大会で、7回目を迎えました。世界中のマラソン大会と比べれば、まだまだ歴史は浅いですが、ランナーはもとより、ボランティアや企業、団体、地域社会のご協力のおかげで、開催を重ねてこられたと考えています。
また、「山・海・まち」の環境・ロケーションが富山マラソンの大きな魅力の一つであると捉えています。地域社会・環境を守り、より良いものにしていくことが、この先も富山マラソンの持続的な開催につながるものと考え、「富山マラソンSDGs宣言」によりSDGsの達成に貢献するさまざまな取組みを実施していくことにしました。
このSDGs宣言に基づき、衣類リサイクルやプロギング、食品ロス削減のほか、海岸清掃活動、完走メダルのリサイクル、環境配慮素材の使用等にも取り組んでいるところです。

―SDGsの活動について、選手や関係者の反応は。

プロギングの参加者からは、フィットネス効果を得られ、SDGsにもつながる取組みができるということで好評の声をいただいています。
今年の富山マラソンに参加いただいたゲストランナーや招待選手からも、「SDGsへの取組みなどに富山マラソンの特色が感じられた」「食品ロス削減の取組みをされており、改めて素晴らしい大会だと感じた」といったお言葉をいただきました。

―今後の取組みについて教えてください。

今年の大会では、協賛企業である北陸コカ・コーラボトリング株式会社が、日本コカ・コーラ株式会社、日本製紙株式会社と協働で取り組む「飲料容器回収・紙製コップのリサイクル実証実験」に、富山マラソンが協力しました。実証実験ということで、一部の給水所に限定して実施しましたが、今後結果を検証し、より多くの給水所でリサイクルに協力できないか検討していきたいと考えています。
今後も、富山マラソンとしてSDGs達成に対してどのような形で貢献できるか、新たな取組みを検討していきたいと考えています。



マラソンを通じて環境保全の活動にも取り組むことで、大会に関わる方々の心身と社会が健康になるための活動を推進する富山マラソン。スポーツを続けられる環境を維持するために、皆様もできることから取り組んでみてはいかがでしょうか。