「SDGsって大変そう」と思うあなたがそれでも再エネを選びたくなるイベントを開催
1月24日19時から、FRaUとのコラボレーションによるYouTubeライブを開催しました。
世界で脱炭素化が叫ばれている中、私たち一人ひとりは何をすべきなのか。イベント前半では温暖化と地球の現状について、後半では再生可能エネルギー（再エネ）や、私たちにできるアクションについてゲストと視聴者が一緒に考えました。
司会：長谷川ミラ（モデル）
ゲスト：バービー（タレント）、石川直樹（写真家）、江守正多（国立環境研究所）、川又孝太郎（環境省）
温暖化の影響で村ごと移住を強いられる人も
「地球の今を知る」と題した第一部では、世界中を旅してきた石川さんが全身で体験した地球の現状を数々の写真と共に紹介。なかでも印象的だったのが、米アラスカ州の北西部、北極海に浮かぶサリチェフ島シシュマレフ村の話です。地球温暖化の影響で永久凍土が溶け始めており、海面上昇により住宅が海の中に沈んでしまう。この地では、こうした現象が十数年前から起こっており、現在村ごと他地域に移住する計画が進んでいるそうです。
「街で暮らしていると実感しにくいですが、地球温暖化の影響をもろに受けている人たちがいることを、身をもって感じました」と石川さん。
しかし、気候変動の問題は決して遠い国の話ではありません。地元、北海道で地方創生に携わるバービーさんは、「札幌雪祭りも深刻な雪不足に悩まされています。また、気温や降水量の変化によって、とれる魚や作物の種類や量にも変化がみられるなど、温暖化の影響があちらこちらで現れ始めています」と話しました。
私たちが排出したCO2が発展途上国や将来世代を苦しめる？
そもそも、地球温暖化はなぜ起こっているのでしょうか？江守先生はその仕組みについて解説し、「人間活動によって排出された二酸化炭素(CO2)をはじめとする温室効果ガスが、温暖化の原因であることは疑う余地がないとされています」と説明しました。
つまり、私たちがこのままCO2を排出し続けていくと、温暖化がますます進み、世界各地の気候変動はより深刻化。原因に責任のない乾燥地や島国をはじめとする発展途上国の人々、さらには将来世代が深刻な被害を受けることになります。
こうした事態を避けるために、世界は今、脱炭素化に向けて動き始めています。日本でも温室効果ガス排出量を2030年までに45%削減、2050年までに実質ゼロとすることを目標に掲げているのです。
私たちにできるアクションは？
生活を変えることなくCO2を減らせる再エネ切り替え
第二部のディスカッションで主な議題となったのが、「再エネ」です。脱炭素化に対して、日本では「エアコンを我慢しなければならない」「高い機器を購入する必要がある」などネガティブな印象を抱いている人が多いよう。しかし、“我慢”だけではCO2排出量を実質ゼロまで減らすことはできません。
「単なる制度や技術の導入ではなく、人々の世界観の変化を伴う社会の大転換が起きる必要があります」と江守先生。例えば、化石燃料ではなく、太陽光や風力などをエネルギー源とする電気を使用すれば、エアコンを使ってもCO2は排出されません。つまり、再エネの普及拡大が進めば、私たちは生活スタイルを変えることなく、CO2排出量を減らせるということです。
あなたの行動が再エネ普及拡大を後押しする一票に
現在、多くの電力会社が再エネ由来の電力メニューを打ち出しており、料金も既存の契約と同等、もしくはさらにお得なものも。切り替えも電気料金の明細書などがあれば電話やインターネットで簡単に手続き可能。まさに、誰もが“5分でできるSDGs”なのです。
川又さんは「電気を再エネ100％に切り替えれば、家庭から排出されるCO2を半減させることができます。需要が高まれば必然的に供給が増えていくため、再エネ開発や投資を後押しする一票だと思って、ぜひ切り替えに踏み切ってほしい」と語りました。
司会を務めた長谷川さんは、最後に「気候変動や脱炭素を遠いところの話と捉えず、点と点をつなげて、いかに自分ごと化していくかが大切。それぞれのライフスタイルに合った取り組みを心地よい範囲で始めていってもらいたい。この動きが広がって、日本全体の常識が変わる日が待ち遠しいです」と語り、イベントを締めくくりました。
FRaUでは、当日のイベントレポートを掲載しています。ぜひチェックしてみてください。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/92293?media=frau外部リンク