2月27日(月)、環境省主催による「スポーツ×再エネ」をテーマとしたオンライン対話セッションが開催されました。
当日のオンラインセッションには、スポーツファン・関係者を中心に40名強が参加。サッカー、野球、バスケットボールの各ジャンルから、それぞれのチームのゲストが参加し、再エネ活用を始めとする脱炭素活動の事例を紹介しました。また、各スポーツチームのゲストと環境省によるクロストークでは、スポーツチームが脱炭素活動に取り組む上でのポイントについて議論しました。
セッションの冒頭では、環境省から「再エネ スタート」「気候変動×スポーツ」の取組み、2022年10月からスタートした新しい国民運動について紹介。「環境に配慮した製品・サービスを取り入れることで、生活がより豊かになり、脱炭素にもつながる」という国民運動とともに、「地域に密着し、サポーターとの絆が強いスポーツチームと一緒に、地域に合わせたライフスタイル提案をできれば」と呼びかけました。
サッカークラブが市民とともに取り組む太陽光発電事業
スポーツチームの取組事例としては、サッカーのジャンルからは清水エスパルスが登壇。次世代へサッカーのできる環境を引き継いでいくために2007年からスタートした「エスパルスエコチャレンジ」の活動、市民出資による太陽光発電事業について説明。
スタジアムの駐車場に設置したソーラーカーポートによって静岡市役所3庁舎の電力を賄っており、年間29トン(※設置時試算)のCO2を削減している実績を紹介しました。
日本一のサステナブル・スタジアムを目指して、再エネを導入
続いて野球のジャンルでは、楽天グループ、東北楽天ゴールデンイーグルスの取組みを紹介。野球を通じて環境・地域・社会の3つのテーマを軸に社会課題解決に取り組み、日本一のサステナブル・スタジアムを目指す活動の一環として、2022年に電力を100%再生可能エネルギー由来の電力に切り替えを実施。これによって、2021年の実績値と比較して事業活動によって排出されるCO2の約9割に該当する年間約2600トンの削減効果が見込まれることを紹介しました。
ファン、パートナー企業、クラブで取り組む脱炭素アクション
バスケットボールのジャンルからは、アルバルク東京が登壇し、よりよい未来づくりに向けた貢献を目指す社会的責任プロジェクト「ALVARK Will」を説明。
また2022-23シーズンにおいてCO2排出量の算出・可視化、ホームゲーム全試合で発生したCO2のオフセットを目指す「脱炭素プロジェクト」や、水素燃料から発電によるバッテリーを活用した会場への給電やフードドライブなどファン、パートナー企業、クラブのみんなでCO2を減らす取組みである「カーボンニュートラルアクション」についても紹介しました。
身近で一緒に取り組めること、地道に根気強く続けていくことが大切
各スポーツチームと環境省によるクロストークでは、スポーツチームによる脱炭素の活動について対話。
環境省から各チームの取組みについて、どんなことがサポーターや地域住民の行動変容のきっかけになったのかという質問に対して、アルバルク東京の浅野さんは「4分の1のペットボトルのごみを減らすことができたマイボトルプロジェクトは、お客さまに響いた取組みといえる。身近にできること、一緒に取り組めることがよいのでは」と話しました。
また楽天グループの細田さんからは「東北楽天ゴールデンイーグルスで続けているエコステーションを初めてヴィッセル神戸で実施した時、サポーターにも戸惑いが感じられた。やはり地道に根気強く活動を続けていくことが大切だと思う」というコメントがありました。
最後に環境省から、「環境行動はよいことだが面倒だという意識があると思う。こうした活動を続けていく場として、地域のスポーツスタジアムは重要な場所。今後も取組みを続けてほしい」と呼びかけ、1時間にわたるセッションは終了しました。
「スポーツ×再エネ」と銘打った、今回のセッション。3チームの事例を通じて、スポーツチームが再エネを始めとする脱炭素の取組に踏み出すきっかけの場となったのではないでしょうか。