みんなの「再エネ」取組み

再エネを導入された個人、自治体、企業の方に
取材を行い
具体的な導入事例などを
ご紹介させていただきます。

地域と再エネの共生と相互発展を目指し、自治体に包括的な支援を提供

2050年カーボンニュートラルの実現には、国と地域の協働・共創が不可欠であり、地域の特色を最大限に活かした取り組みが必要だと言われています。再エネ普及拡大に向けた自治体支援などを積極に進めている、再生可能エネルギー地域活性協会(略称:FOURE)の事務局長 采川 佳弘さんに、同協会の取り組みについて聞きました。

采川 佳弘
采川 佳弘(さいかわ よしひろ)

一般社団法人再生可能エネルギー地域活性協会(FOURE)事務局長。2007年 東急不動産株式会社入社。不動産投資業務、その他事業などを経て、2020年から再生可能エネルギー事業に従事。

発電所の設置から再エネの利活用まで 地産地消モデルの確立を支援

2021年6月に設立されたFOUREは、地域と再エネの共生や相互発展を目指しています。2022年2月現在、理事を務める東急不動産をはじめとする発電事業者、小売電気事業者、再エネ設備・機器メーカー、金融機関や自治体など、多岐にわたる分野から計23団体が加盟。「再エネの普及拡大には地域理解が必須である」という課題意識のもと、各地域が抱える課題を再エネと結びつけながら、最適なソリューションを提供できる事業者とともに解決していく仕組みづくりに取り組んでいます。

FOURE設立目的イメージ FOURE設立目的イメージ

その一つが、自治体と再エネ事業者、双方のニーズを吸い上げ適切なマッチングおよび事業化を支援するプラットフォームビジネスです。再エネ導入を何から始めたらいいのかという自治体と、地域社会と関係を深めたい再エネ事業者との間の適切なマッチングをFOUREが行うことで、自治体は脱炭素化や地域活性を進める上で必要なリソースやアイデアを提供してもらえるほか、円滑な自走化に向けた支援を受けることができます。

FOUREのプラットフォームビジネスイメージ FOUREのプラットフォームビジネスイメージ

例えば、自治体からの「EVや災害対策の用途で再エネを活用したい」という相談に対して、同協会は関連する技術やノウハウをもった再エネ事業者を集めたワークショップを開催して、提案事項をまとめているそう。「発電所の設置だけにとどまらず、再エネ電気を地域で利活用する地産地消モデルの確立に向けた具体的な手法まで提案してほしい」という自治体の声に応える、包括的なソリューションを提供しています。

自治体と事業者が連携 地域理解を得ながら持続可能な発展を実現する再エネ導入へ

多くの自治体が難しさを感じている各家庭の再エネ電力への切り替えについても、生活者の行動変容をテーマとしたイベントをFOUREと自治体とが協働で実施することが検討されています。

また、同協会が立ち上げた「FOUREふるさと納税サイト」を利用すれば、自治体は地域の観光・産業に関する魅力の発信に加えて再エネに関する取り組みも紹介することで、脱炭素化や地域活性化を応援してくれる新規納税者の開拓を行うこともできます。

自治体は今、ゼロカーボンシティの実現に向けて、具体的な道筋を立て早急にアクションにつなげていくことが求められています。自治体と同協会メンバーである事業者、または自治体同士がタッグを組むことで、地域の持続可能な発展を実現する再エネ導入に向けた行動の輪が全国に広がっていくことが期待されます。