身近なレジャー施設の代表である水族館。休日には、家族連れやカップル等、多くの来場者で賑わっています。
そんな水族館でも、再生可能エネルギーが導入されています。今回は、横浜市の水族館「横浜・八景島シーパラダイス」の取組みを紹介します。
「CO2排出量ゼロ電力水族館」を実現
西武グループの一員であり、日本国内外に5つの水族館を運営する株式会社横浜八景島(神奈川県横浜市)。その中で代表的な水族館ともいえる「横浜・八景島シーパラダイス」では、2022年1月より水族館エリアで使用するすべての電気量を、再生可能エネルギーに由来する実質CO2排出ゼロの電力に置き換えています。これにより、水族館で使用する全電力がCO2フリー電気となり、「CO2排出量ゼロ電力水族館」として運営しています。
海の生物が快適に暮らす環境を維持・整備するために、電力の使用が不可欠となる水族館。「横浜・八景島シーパラダイス」を運営する株式会社横浜八景島は、横浜市が推進する「Zero Carbon Yokohama 2050年までの脱炭素化」の主要施策の一つである「再生可能エネルギーの地産地消」について、水族館事業者としてその趣旨に賛同し、自社のサステナビリティアクションの一つとして取り組んでいます。
「CO2排出量ゼロ電力水族館」を実現
使用する電力は、東京電力エナジーパートナー株式会社(東京都中央区)が、横浜市内の事業者に提供する「はまっこ電気」を導入。横浜市内の家庭から出されるゴミの焼却と、横浜市内の家庭による太陽光発電で作られる電力を活用することで、再生可能エネルギーの地産地消を実現しています。
「横浜・八景島シーパラダイス」では、水族館エリアで使用する全電力について「はまっこ電気」を導入することで、施設全体の約64%をCO2フリー電気で賄っていることになり、同量のCO2削減を実現しています。
横浜市とともに、再生可能エネルギーの地産地消を推進
横浜・八景島シーパラダイスの取組みの背景や今後の計画について、担当の市ヶ谷さんに話をお聞きしました。
―「横浜・八景島シーパラダイス」の「CO2排出量ゼロ電力水族館」に取り組まれた経緯や背景は?
西武グループでは、CO2排出量削減目標を排出量原単位(CO2排出量/営業収益)として示し、2030年度までに2018年度比で25%削減を目指しています。
それを受けて、当社では横浜市内において創出した環境価値を地産地消する趣旨に賛同し、横浜市の施策「Zero Carbon Yokohama」に貢献するとともに、CO2削減をより推進していくため、「はまっこ電気」を導入し、「CO2排出量ゼロ電力水族館」に取り組んでいます。
その他にも、当社は横浜市ブルーカーボンオフセット制度に参画し、「海水熱を使ったヒートポンプ導入」や「わかめの地産地消」によるCO2削減を行っています。
―今後、取組んでみたいことは?
自然エネルギー(太陽光、風力、水力)を活用した電力の地産地消を推進するとともに、ごみ減量化に向けてのリサイクル汚泥活用、経年劣化による設備機器更新時の高効率機器導入、照明のLED化等、今後も環境負荷低減の取組みを推進していく予定です。
地元の横浜市内で作られた電力を活用し、CO2削減に取り組む「横浜・八景島シーパラダイス」。みなさんも、「横浜・八景島シーパラダイス」を訪れた際は、生きものや水族館の施設を楽しみながら、その裏側を支えている再生可能エネルギーのことを考えてみてはいかがでしょうか。