CO2ネット・ゼロへの挑戦
東京ガスグループは2019年にグループ経営ビジョン「Compass2030」で、挑戦の1つとして「「CO2をネット・ゼロ」への移行をリード」を掲げました。
それ以降も、2050年に向けたカーボンニュートラル宣言、2030年温室効果ガス46%削減目標をはじめ、環境、社会、制度・市場をめぐる環境が激変していることも踏まえ、2021年11月にCompass2030実現のための具体的な道筋となる「Compass Action」を策定し、ガス体と再エネの両輪で責任あるトランジションをリードすることで、ビジョン実現に向けた取組を加速させることを示しました。再エネについては国内外で取扱量600万kWの実現を目指すことを掲げており、再エネの活用を含む新たなエネルギーソリューションを提供することで、利用者とともに地球規模での環境負荷低減を推進しています。
初期投資不要の太陽光発電によるソリューションサービス
東京ガスグループの東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社(東京都港区)では、施設の屋根や敷地に初期投資不要で太陽光発電を設置し、保守管理まで一貫したソリューション「ソーラーアドバンス」を提供。さまざまな業種の企業等で導入されています。
2021年10月には、本田技研工業熊本製作所でソーラーアドバンスによる3.8MWの自家消費型太陽光発電事業を開始し、2023年度末までに7MWまで増設を予定しています。さらに国内の事業所向けでは最大容量となる20MWHのリチウムイオン蓄電池を導入し、休日等に余る太陽光発電電力を蓄電し、平日使用することで再生可能エネルギーを無駄なく利用し、年間約3,300tのCO2削減を見込んでいます。
高精度な需要予測に基づく自己託送サービスの運用
また、余剰電力を遠隔地にある施設へ送電する「自己託送」に取り組む企業等も増えています。そうした企業等のニーズに応え、「ソーラーアドバンス」を活用した自己託送のサービスも提供しています。
2022年2月から、東京建物株式会社の物流施設「T-LOGI」の3施設(埼玉県久喜市・神奈川県横浜市・千葉県習志野市)の屋上に太陽光パネルを設置。発電した電力を施設内で消費し、かつ余剰電力を東京建物が所有する商業施設「SMARK(スマーク)伊勢崎」(群馬県伊勢崎市)に自己託送することで、再生可能エネルギー由来の電力を余すことなく活用しています。これにより、年間約1,030tのCO2削減効果が見込まれています。
自己託送サービスを実施する場合には、エネルギーサービス設備遠隔管理システムである「ヘリオネットアドバンス」を活用。各太陽光発電設備の発電量と各施設の電力需要を30分毎に予測し、予測結果に基づいた自己託送オペレーションを運用しています。
東京ガスグループが提供するサービスについて、東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社(以下TGES)のソリューション技術本部エンジニアリング技術開発新商材技術グループ、佐藤さんと落合さんにお話をお聞きしました。
―利用者の評価は?
TGESの「ソーラーアドバンス(SolarAdvance)」は、既に他サービスで東京ガスグループとお付き合いがあったお客様を中心に浸透してきており、手軽に導入できる再エネ調達手段として、評価を頂いていると感じています。
―東京ガスグループの強みは?
単純なPPAというよりも、エネルギー設備運用のプロとして、現在のお客様の設備・運用を確認し、最適な設備検討が可能な点、比較的大容量の設置が可能な場所に自己託送などを使ったソリューション提案ができる点です。自己託送についても、更なる商品力の向上のため、日々開発や見直し等を実施しています。
2019年からサービスを開始し、工場や倉庫などを中心に約20MW程度の契約実績を有し、市場の変化にも柔軟に対応します。
自社で発電した再生可能エネルギーを、自ら活用できる「自己託送」。東京ガスグループでは、余剰電力まで有効に活用することで、再生可能エネルギーを最大限導入する手法のお手伝いをさせていただきます。
https://www.tokyogas-es.co.jp/business/energy/bio-gas/solaradvance.html外部リンク