普段の生活に身近な施設や店舗で導入が進んでいる再生可能エネルギー。今回はみなさんが通勤や買い物等で利用するバス停の取組み事例を紹介します。
電力の地産地消で、国内初となるバス停留所のCO2フリー化を実現
2021年10月、東急グループの東急パワーサプライ(東京都世田谷区)と東急バス(東京都目黒区)は、世田谷通り沿いを中心とした50か所のバス停留所で再生可能エネルギーを導入しました。
この取組みでは、地元の世田谷区が保有する「世田谷区みうら太陽光発電所」(神奈川県三浦市)で発電された再生可能エネルギーの電力を活用し、国内初となるバス停留所のCO2フリー化を実現しています。
バス停留所の他に、世田谷区にある商業施設や美術館にも実質再生可能エネルギー100%の電力を供給。世田谷区の保有する発電所で発電した電力を、世田谷区の施設で消費するという「電力の地産地消」に取組んでいます。
区民・事業者・区が一体となった再エネ利用拡大の取組み
東急パワーサプライ、東急バスが参画する「電力の地産地消」の背景には、世田谷区が提唱する「せたがや版RE100」があります。
この取組みは、温室効果ガスの削減に向けて、企業が事業運営で使用する電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す「Renewable Energy 100%」(RE100)を、区と区民、地元の事業者が一体になって地域での再エネ100%実現を目指すものです。
こうした取組みに賛同し、東急グループの企業も、地域の脱炭素化を推進しています。
バスの停留所を始め、地域社会の再エネ化に取組む東急グループ。活動の背景や今後の取組みについて、東京パワーサプライの佐藤さんにお話を聞いてみました。
―地域の再エネ普及拡大に関する取組み内容についてお聞かせください。
当社はこれまでも、東急線沿線の生活者のみなさまを中心に、環境に優しいスマートな生活を提案しています。具体的な取組みは、以下になります。
①生活者のみなさまにとって身近な東急バス停留所のCO2フリーを実現
②東急線沿線の中でも有数の来街者数を誇る二子玉川の玄関口となる二子玉川ライズのステーションマーケットへの再エネ供給
③東急線沿線における文化の発信地である五島美術館への再エネ供給
これらを通して、環境社会の到来と再生可能エネルギーの活用を実感いただくきっかけになればと考えております。
―再エネの取組みについて、地域の声は。
当社が2020年に実施した東急線沿線の東急でんき&ガス契約者1,768名に対するアンケート調査では、「エコ・環境問題に関心がある」との回答が93.3%(注1)、「再生可能エネルギーを利用したい」との回答が約97%(注2)と、再エネ利用意向がある方が非常に多いことがわかっています。
また、40歳未満では「スマートで環境に優しいまちに住みたい」と回答した方が97.8%に達するなど、沿線生活者の環境問題への強い関心とスマートシティ希求の強い想いを感じています。こうした沿線のみなさまの声を背景に、当社では低炭素・循環型社会実現に向けた取組みとして、環境にやさしいスマートな生活を応援する「スマート生活ナビゲーター」を推進しています。今後も自治体と連携しながら、地域やお客さまにとって役立つ先進的でスマートなサービスに取組む予定です。
世田谷区では、自治体、企業、住民が一体となって、それぞれができることに取組むことで、再生可能エネルギーの利用拡大を推進しています。