全国で1,727店舗(2022年6月末時点)を展開するスターバックス。身近にお店があり、利用している人も多いのではないでしょうか。そんなスターバックスのお店でも、再生可能エネルギーの導入が進んでいます。
それぞれの地域に貢献できる再エネを導入
スターバックス コーヒー ジャパン株式会社(東京都品川区)は、2021年2月から、店舗で使用する電力を再生可能エネルギーに切り替えることを始めており、現在までに直接電力を契約できる全国のすべての店舗(400店舗)に導入が広がりました。
スターバックスによる取組みのユニークな点は、店舗のある地域ごとに電力を選定していることです。電力の供給先を選ぶ際は、環境に配慮した発電方法であることに加えて、その地域の雇用創出や地域課題の解決につながる活動を実施している発電所等の電力を導入することにしています。コーヒーを通じて、地域のコミュニティへの貢献を大切にしてきたスターバックスのこだわりといえます。
では、具体的には各店舗でどんな電力を導入しているのか。一例を紹介します。
大学発ベンチャー企業のソーラーシェアリングによる再エネを活用
スターバックス コーヒー 神栖店、ベイシア富里店、香取佐原店、成田美郷台店で導入されている再生可能エネルギーは、地元である千葉大学の講師と学生が立ち上げた大学発ベンチャーが運営する営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)で発電された電力です。
ソーラーシェリングは、農地の上で太陽光発電を行う仕組みで、一つの土地で農業と自然エネルギーによる発電を同時に実現しています。
スターバックス コーヒーでは、農業者の所得向上や休耕地削減といった地域貢献の活動をしている発電所の電力を選定し、地元の店舗に導入しています。
大気汚染のない世界の実現を目指す発電所の再エネを導入
またスターバックス コーヒー 木更津店、市原店では、地元にあるしらさぎ発電所(エコロジア第二太陽光発電所)で発電された再生可能エネルギーを導入しています。
発電所を所有する株式会社エコロジアは、小児喘息で苦しむ子供たちのため、太陽光発電や電気自動車を普及させることで大気汚染のない世界を実現したいという思いから設立されました。また地域貢献を目的として、フェンスに常設している蓄電池を用いた非常用電源ボックスは台風がもたらした大停電時に携帯電話の充電に使われるなど、地域住民に喜ばれました。木更津店と市原店の電力は、そうした活動をしている発電所から供給されています。
使用量よりも多い資源の回復、排出量よりも多いCO2の削減を目指して
スターバックス コーヒー ジャパンがこうした活動を実践する背景には、スターバックスが世界共通で目指す「リソースポジティブカンパニー」というビジョンがあります。これは事業活動によって使用する資源を奪うのではなく還元していくという考え方です。このビジョンに沿って、スターバックスは全世界で2030年までにCO2を50%削減することを目標としています。日本のスターバックスでも、再生可能エネルギーの導入を始め、サステナブルな店舗に変わりつつあります。
みなさんの身近にあるスターバックスコーヒーでも、その地域で活動している人たちによって発電された再生可能エネルギーが利用されているかもしれません。たまには店内で利用されているエネルギーの作り手のことを想像しながら、スターバックスのコーヒーを楽しんでみてはいかがでしょうか。
https://www.starbucks.co.jp/press_release/pr2021-4077.php外部リンク