みんなの「再エネ」取組み

再エネを導入された個人、自治体、企業の方に
取材を行い
具体的な導入事例などを
ご紹介させていただきます。

再生可能エネルギーで脱炭素化や地域防災に資するまちづくりを推進。創業の地・愛媛で、地域の未来に向けて紡ぐ「糸プロジェクト」。

再生可能エネルギーで脱炭素化や地域防災に資するまちづくりを推進。創業の地・愛媛で、地域の未来に向けて紡ぐ「糸プロジェクト」。

太陽光発電所の開発や運営などの再生可能エネルギー事業に取り組んできた株式会社アドバンテック(愛媛県西条市)。そうした再エネに関するノウハウを活かし、創エネ・省エネ・電力マネージメントなど、エネルギーのトータルサービスを提供するESP(Energy-Service-Provider)事業を展開しています。
近年、脱炭素化の推進や地域防災に着目し、アドバンテックが取組んでいる太陽光発電や蓄電池等を活用したまちづくりのプロジェクトを紹介します。

太陽光発電による電力を蓄電設備に充電することで、非常時に対応

アドバンテックは、創業の地である愛媛県西条市において、新しいまちづくりのモデルとなる「糸プロジェクト」を推進しています。「建築」「エネルギー」「食」「テクノロジー」「グリーンインフラ」という5つのプロジェクトテーマを基に、遊びやすく暮らしやすい自然溢れるまちづくりを目指しています。
5つのテーマの中の「グリーンインフラ」については、マルシェやレストランなどが立地する商業ゾーン「いとまち」において、非常時の避難施設として活用でき、災害時にも様々なライフラインを確保できるレジリエンスなまちづくりを推進しています。

太陽光発電を活用した商業ゾーン「いとまち」 太陽光発電を活用した商業ゾーン「いとまち」

災害時には72時間分の電力、水、食を提供できる防災拠点

具体的な取組として、商業ゾーン「いとまち」の屋根に太陽光パネルを設置し、発電した電気を「いとまち」で使用。余った電気は大型蓄電設備に充電しておくことで、曇りの日や夜間に活用するとともに、非常時には災害時において人命救助の目安となる72時間(3日間)にわたって電気を使えるようにしています。
「いとまち」にあるマルシェでは、防災拠点として415名の避難者を収容し、72時間分の非常用電源、水、食を提供することができるため、今後は地元の西条市の地域継続計画(DCP)にも貢献していく予定です。

商業ゾーン「いとまち」の防災システム 商業ゾーン「いとまち」の防災システム

創業の地で、再エネを活用した地域防災の拠点づくりを推進するアドバンテック。「いとまち」に対する思いや今後の計画について、サステナブル事業部の小林さんに聞いてみました。

再エネの活用による地域の防災強化を推進

アドバンテックの小林さん アドバンテックの小林さん

―「いとまち」で防災拠点に取組もうと思ったきっかけや経緯は。

当社では、2012年から日本全国に太陽光発電所を展開してきました。そのノウハウを生かして、弊社の創業地である愛媛県西条市への恩返しとして脱炭素化の推進や地域防災に資するまちづくりとして「いとまち」の取組みを開始しました。現在は「脱炭素×防災」に強い街のモデルケースとして、まちづくりを推進しています。

―今後の取組みについて。

自治体との取組みとして、南海トラフ巨大地震の全国で最も高い津波が想定されている黒潮町と連携し、太陽光発電による再エネの導入による防災強化を進めています。今後は、新たにEVを導入することで避難所の非常用の電源として活用することを予定しています。
こうした取組みを全国各地へ展開し、引き続き再エネ活用の推進・防災強化を進めていきたいと思います。また、「いとまち」では、西条市の賑わいの中心として人々が楽しく過ごせる町を目指すとともに、さまざまな再エネ活用の実証の場となることを目標としています。



近年、気候変動の影響が顕著になる中、地域の防災機能は重要なものとなっており、再生可能エネルギーの活用も欠かせないものとなりつつあります。


愛媛県西条市「糸プロジェクト」
http://ito-pj.town/