みんなの「再エネ」取組み

再エネを導入された個人、自治体、企業の方に
取材を行い
具体的な導入事例などを
ご紹介させていただきます。

再生可能エネルギーが育むブルーベリー農園。
自然とエネルギーの調和を目指すソーラーシェアリングの取組み。

再生可能エネルギーが育むブルーベリー農園。自然とエネルギーの調和を目指すソーラーシェアリングの取組み。

神奈川県相模原市にある、さがみこベリーガーデン。都市部から近い自然豊かな山あいの農地に、33種類・約1100本のブルーベリーが摘み取れる会員制農園です。
このブルーベリー農園では、農地の上に太陽光パネルを設置して、太陽の光を発電と農業で「シェア」するソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)を導入しています。相模原市では初となるソーラーシェアリングであり、約270kWの発電設備によって一般家庭約80軒分の電力を作り出しています。

災害時には地域に電源を供給する役割も

さがみこベリーガーデンのソーラーシェアリングは、地域の災害時に果たす役割も期待されています。2021年7月には、地元の相模原市緑区前戸自治会と災害時における電源供給に関する協定を締結しました。
災害時に前戸地域で停電が発生した場合、ソーラーシェアリング(発電所)のパワーコンディショナーから、持ち運びが可能なポータブル蓄電池に充電。ポータブル蓄電池を自治会館などに設置し、地元住民がコンセントに携帯電話などの電気機器を繋いで活用できるようにします。ソーラーシェアリング(発電所)を自立運転モードに切り替えた場合、晴天時には全自治会員(約110世帯)分の携帯電話を充電できる電力量をポータブル蓄電池に充電することができ、停電が長引いた場合も継続的に通信手段を確保することが可能となります。
前戸地域では、2019年10月の台風 19 号によって山間部で土砂災害が発生したこともあり、この取組みは地元住民にとって災害時の不安解消にもつながります。

相模原市緑区前戸自治会と災害時における電源供給に関する協定を締結 相模原市緑区前戸自治会と災害時における電源供給に関する協定を締結

再生可能エネルギーを活用した、持続可能な農業を目指して

平時はソーラーシェリングによるブルーベリーの摘み取りを楽しむことができ、災害時は電源確保の役割を果たす観光農園。さがみこベリーガーデンを運営する株式会社さがみこファーム(神奈川県相模原市)の代表、山川さんに話を聞きました。

さがみこベリーガーデンのある神奈川県相模原市の青野原地区は、キャンパーをはじめ、たくさんの人が訪れており、豊かな自然を満喫できる場所です。そんな自然豊かなエリアの一角に、私たちは新しいコンセプトの農園をつくっています。
遊休農地を活用して、太陽の光でエネルギーと農作物を同時に育てる「ソーラーシェアリング」を相模原市で初めて実現し、ブルーベリーをはじめとする様々なベリー類や果樹を育てています。休みの日に、たくさんの人がここに気軽に訪れ、季節毎に実るおいしいベリー類を摘み取って思う存分食べ、様々な体験プログラムを通じて自然を満喫いただく。2022年6月のオープン以来、たくさんの会員の方にご来場いただきました。

再生可能エネルギーを活用した、持続可能な農業を目指して

農業もエネルギーも私たちの暮らしになくてはならないものです。私たちはテクノロジーを活用して生産性を上げるとともに、再生可能エネルギーを活用する新しい農業にチャレンジしていきます。こうした取組みを通じて、足腰の強い農業をつくり、地域に雇用を生み出すことで地域を元気にし、農業を持続可能で希望と誇りの持てる仕事にしたいと思っています。
農園に遊びに来ていただいて、こうした私たちの取り組みに賛同いただける方に、ぜひ農園づくり自体にも参画してほしいと思っています。様々な人たちと、この新しいチャレンジをご一緒できることを楽しみにしています。



食とエネルギーを自給し、地域の農業の担い手を育て、地域を活性化する手段として注目を集めているソーラーシェリング。地域において、その重要性は高まっています。
https://sagamicofarm.co.jp/