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2019年2月18日 地域住民の“新しい足”を輪島で体感!小さな電動カート定期便に乗って毎日の移動をスマートに変えるヒントがみえた!

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ゴルフカートが街なかを走る? しかもこれが、エコカーなの?

――――ここは石川県輪島市。能登半島の北西、静かな港町。朝市や輪島塗、おいしい海の幸、海と棚田がつくるきれいな景色……。

そんな輪島は、実は金沢から近いのに遠くに感じる街でもある。輪島と金沢方面を結ぶ鉄道は2001年に廃止され、公共交通はバスが主役に。

そんな輪島の街で、環境にも街にも人にもやさしいモビリティが動き始めています。エコカーというと、ハイブリッド車(HV)や、プラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)などをすぐに思い浮かべるけど、ここ輪島のエコカーはちょっとユニーク。

自動運転で走る小さなバスが、すでに輪島に定着していた!

※輪島市商工会議所の次世代交通対策事業紹介

輪島で走り始めたのは、ゴルフ場でみる電動カートを使った、「エコカーの定期便」。その名も「WA-MO」(ワーモ)。

このWA-MO、自分で操作はできないけど、タクシーやバスよりも気軽に乗れる新しい市街地移動手段として注目されている電動カート便で、乗車料金は無料。走行コースは3ルートが設定されています。

ひとつは旧輪島駅や文化会館と市立輪島病院を結ぶ「病院コース」、もうひとつは輪島奉燈が保存されているキリコ会館や足湯、馬場先商店会、旧輪島駅を結ぶ「キリコ会館コース」。そして3つ目が、輪島キリコ会館、輪島朝市、永井豪記念館、輪島ドラマ記念館、輪島塗会館といった観光施設を結ぶ「塗めぐりコース」。

WA-MOは、環境や利用者にやさしいだけじゃない、ちょっとびっくりする技術が試されています。

それは、自動運転! 塗めぐりコースの一部区間は、運転手がハンドルやペダルを操ることなく、自動で走る区間があるんです。

これは乗ってみたい。電動カートを使った定期路線便という新しい動きを体験し、手がけた人たちの思い、エコカーの近未来を体感したいということで、現地へむかってみました。

自動運転で走る電動カート定期便、仕組みは手軽なアトラクション!

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輪島キリコ会館で時刻表をみると、WA-MOの運転時間は11~16時の間、00分、20分、40分発の毎時3本で走っている。「はいどうぞー乗ってくださーい」と運転手。このWA-MOのりばの光景は、遊園地のアトラクションに乗る雰囲気で、やさしい感じ。

「はいじゃあ出発しまーす」で、キュルキュルーッというモーターの音といっしょに走りだす。その走りはまさにゴルフカート。ルーフはついてるけれど左右ドア部分はオープンだから、輪島の空気を肌で感じられていい感じ。

で、自動運転の区間はどんな仕組みなの? と聞くと、「ゴルフ場などで無人で動くカートと同じですよ。地面に幅1cmぐらいの電磁誘導線が埋め込まれていて、電動カートはその電磁誘導線を頼りに走るという仕組み」と教えてくれました。

「自動運転の区間も、運転手は緊急時にハンドルやペダルに触れるような心構えでいる。前方に人が急に道を横切ったりすれば、ブレーキを踏んで手動モードに切り替わる」

おもしろいのは、「とまれ」の一旦停止標識前で自動停止する点。ちゃんと一定時間止まり、再び発進する。このあたりも自動でやってくれる。さらに再スタートのタイミングは、運転手の意図で変えることもできるという。

「車体には3つのガイドセンサーがついていて、地面に埋め込まれた電磁誘導線の信号を感知しながら走る・曲がる・止まるを実行する仕組みですね」。うーん、なるほど。

国・自治体・民間が一緒になって具現化させる次世代交通の姿

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実際に乗ってみて「こうした小さな“公共エコカー”が、ほかの街でももっと広がればいいのに」と思ってしまう。で、なぜ輪島市がこうした「環境にも街にも人にもやさしいモビリティ」に先陣を切ってトライしたか……気になる。

この輪島の電動カート定期便「WA-MO」は、国・自治体と、民間が手を組んで取り組む実証実験のひとつ。正式名称は「専用空間における自動走行等を活用した端末交通システムの社会実装に向けた実証」。

経済産業省と国土交通省の平成28年度「スマートモビリティシステム研究開発・実証事業」のうち、「専用空間における自動走行等を活用した端末交通システムの社会実装に向けた実証」を産業技術総合研究所(産総研)が受託。

産総研は、この実験機会を公募。手を上げた23地域のなかから石川県輪島市(輪島商工会議所)、福井県永平寺町(永平寺町、福井県)、沖縄県北谷町(北谷町役場)の3か所を「小型電動カート応用・開発」の場に選んだということです。

WA-MOは、輪島商工会議所の直轄事業として誕生。輪島市の5~10年後を見すえた次世代交通対策事業にむけた取り組みのひとつ、WA-MOは、高齢者の買い物や病院通い、観光客ののんびりめぐりの“やさしい足”として定着しているようです。

輪島とは違ったアプローチも…横浜で試された電動カート定期便

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輪島の街を小さな電動カートで結ぶWA-MOは今後、市役所や消防署、税務署、図書館、学校、病院、保育所、高齢者施設といった、地域拠点を結ぶルートへと拡大させたいという想いがあります。しかも、自動運転で。

こうした輪島で体験した“新しいエコカーアクション”は、鉄道が走っていないエリアだけの話ではありませんでした。今度は横浜へと目を向けると、地勢や住宅環境にあわせた電動カートの実証実験が行われていました。

実証実験の場所は、横浜市金沢区富岡西。京急線 京急富岡駅の西に広がる、急坂ばかりの街。坂の途中に住む人たちは、「ちょっと駅前のスーパーへ、なんて軽い気持ちで歩いて行けない。坂道が急な上に、暑い日はいっぱい汗かいちゃうし、お年寄りは足が弱って気軽に外にも出られない」ということで、こうした電動カートの定期便を待ちわびている感じでした。

この実証実験の正式名称は「沿線地域交通課題解決に向けた新しい交通システム『電動小型低速車』実証実験」。京急電鉄と横浜国立大学による「産学連携の協力推進に係る協定」と、横浜市と京急電鉄の「京急沿線(横浜市南部地域)における公民連携のまちづくりの推進に関する連携協定」という、2つの協定にもとづいて動き出した実験です。

この実験で手応えを感じたようで、こんどは横須賀に舞台を移して、先端的なモビリティを体感できるデモンストレーションや展示を行う「ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジ 2019」というイベントも動き出しています。

――――電動カートによる、エコでコンパクトな定期便の近未来が、ちょっと見えてきた。

電動カートが走る輪島で実感した「smart move」(スマートムーブ)

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今回、輪島で定着しはじめた電動カート定期路線便「WA-MO」(次世代交通対策事業)に乗ってみて感じたのは、千枚田のようなきれいな海や山、そこでとれた山海の幸が店先に並ぶ朝市の街には、排出ガスが出ないエコカーがいいということです。

環境省は「移動をエコに」をテーマに、通勤、通学、買い物、旅行などの移動シーンを「地球にやさしい移動手段」をチョイスするアクションを推奨しています。

その名も「smart move」(スマートムーブ)。ひとり1km移動するとき、自家用乗用車利用で141 g-CO2/人キロ、バス67g-CO2/人キロ、鉄道20g-CO2/人キロのCO2が排出されるといわれます。
(出典:国土交通省 輸送量当たりの二酸化炭素の排出量(2016年度 旅客))

そこで環境省は「電車やバスなどの公共交通を利用しよう」「自転車や徒歩を見直そう」「エコドライブや、エコカーへの乗り換え」「エコ旅行やエコ出張といった長距離移動の工夫」「カーシェアやコミュニティサイクルなどの利用」といった5つの“移動のチェンジ”を呼びかけています。

――――スマートムーブの取組事例やヒントは、環境省の公式ページに載っているから、こちらもあわせてチェックしてみて。

<低酸素社会実現に向けたアクションに参加する>
https://ondankataisaku.env.go.jp/decokatsu/smartmove/about_smartmove/index.html

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