エコドライブ活動情報

自動車メーカーが取り組むエコドライブ②

取組み事例

自動車メーカーが取り組むエコドライブ②

今回は自動車メーカーが取り組むエコドライブ第2弾をご紹介します。

前回の自動車メーカーによるエコドライブの取り組み紹介では、トヨタ自動車と日産自動車の販売店で受けられるエコドライブのアドバイスをご紹介しました。
第2弾となる今回はHonda(本田技研工業株式会社)とSUBARU(富士重工業株式会社)に独自のエコドライブの取り組みについてお話を伺いました。両社はどのような取り組みを行っているのでしょうか?


はじめに、本田技研工業株式会社 経営企画部 環境安全企画室 開発技師の加藤久さんにお話を伺いました。


Q Hondaのエコドライブの取り組みについて教えてください。

A Hondaでは、3つの柱を中心にエコドライブに取り組み、広げています。この3つの柱とは、「Honda独自のシステムによる取り組み」、「ドライバーの皆さんのご自身による取り組み」、「行政と連携した取り組み」になります。 Honda独自のシステムによる取り組みとして、ナビゲーションシステム「インターナビ」があります。「インターナビ」とは、普通のカーナビでは把握できない渋滞情報、災害情報、安否情報など、多彩な情報をドライバーの皆さんへご提供するホンダ独自の「通信型ナビ」です。

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多彩な情報を提供するなかでも、環境に優しく経済的なエコドライブを実施するためのサービスとして「eco情報」と「省燃費ルート」が挙げられます。
「eco情報」では、平均燃費や燃料消費量などのデータをホンダのインターナビ情報センターへアップロードして記録します。このデータは、ユーザーのパソコンやスマートフォン上で、日々のエコドライブの成果を確認することが出来ます。また、同じ車種同士で燃費ランキングを競うこともでき、楽しくエコドライブの腕試しをすることができます。
「省燃費ルート」では、燃料消費量が最も少なく、CO2排出も削減できる環境に優しいルートをナビで案内します。交通の流れが悪く、停車発進の多い道や、勾配のある道を通ることで燃費が悪くなることがあります。

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所要時間が短くても、ルート全体の燃料消費量は増えてしまう場合があるのです。「省燃費ルート」では、「フローティングカーデータ※」からつくられた「区間ごとの燃料消費量」の情報を使って、距離や時間よりも、目的地までもっとも燃料消費量の少ないルートを案内します。

※フローティングカーデータとは インターナビ装着車がセンサー役となり、その車が走りながら集める交通情報のこと

このように、ナビゲーションシステム「インターナビ」を使用していただくことで機械的にエコドライブのサポートをしています。


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次に、ドライバーの皆さんのご自身による取り組みとして「ECON」スイッチが挙げられます。「ECON」スイッチを押すと運転の仕方による燃費の悪化を抑え込み、燃費を良くするようクルマが頑張ります。例えば、うっかりアクセルを深く踏み込んでも、クルマ側でエンジンの力を抑え、CVT※が効率よくはたらき、ふんわりおだやかな加速になります。また、エアコンを省エネモードにしてエンジンの負担を減らすこともできます。このように燃費「ECON」スイッチの効果とあなたの運転で、クルマと力をあわせ「燃費向上=ガソリン代の節約=CO2 削減」のチャレンジを是非お楽しみください。

※CVTとは 連続可変トランスミッション(Continuously Variable Transmission)歯車以外の機構を用い変速比を連続的に変化させる動力伝達機構(トランスミッション)

Q 行政と連携したエコドライブはどのような取り組みですか?

A 世界初となる「信号情報活用運転支援システム」です。このシステムは、行く先にある交通信号の情報を取得し、ドライバーに表示することで、よりスムーズで燃費効率に優れる運転をサポートします。都道府県警察が整備している信号情報活用運転支援システムに対応しています。走行中に、道路に設置された高度化光ビーコン※から得られる複数の信号予定情報と、自車の位置・速度の情報に基づき、「信号通過支援」「赤信号減速支援」「発進遅れ防止支援」を表示します。

※近赤外線技術を応用した、走行車両の車載装置との双方向通信機能と車両感知機能を併せ持つ装置

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メーター内に信号情報を表示することで、より安全で円滑な走行をサポートができますので、エコドライブにつながると考えています。

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Honda独自の取り組み、お客様ご自身による取り組み、行政と連携した3つの取り組みによって、今後もエコドライブが世の中に広がっていくこと期待しています。

続いて、SUBARUのエコドライブの取り組みをご紹介します。
富士重工業株式会社 総務部 環境推進室 主査の四谷正さんにお話を伺いました。

Q SUBARUのエコドライブの取り組みについて教えてください。

A SUBARUでは、クルマの安全性能をあげることによって、エコドライブに取り組んでいます。SUBARU独自の先進運転支援システム「アイサイト」をご存知ですか?

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SUBARUでは、ステレオカメラで常に前方を監視し、危険を予測して必要に応じてブレーキなどの制御を行い、安全運転を支援するプリクラッシュセイフティ技術などの機能を持つ「アイサイト」を、世界に先駆けて市販車で実用化しました。

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「アイサイト」は、人の目と同じように、左右2つのカメラで立体的に環境を把握するステレオカメラにより実現した「ぶつからない技術」・「ついていく技術」・「はみ出さない技術」・「飛び出さない技術」・「注意してくれる技術」の5つの機能を備えています。

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「アイサイト」の5つの機能のうちエコドライブに一番関連のある、「ついていく技術」についてご紹介します。
「ついていく技術」とは、「全車速追従機能付クルーズコントロール」のことで、高速道路や自動車専用道路で、0km/h~100km/hの広い車速域で先行車に追従走行します。渋滞時でも追従し、先行車が停止するとブレーキ制御で減速、停止、停止状態を保持※します。
ペダル操作のわずらわしさを軽減し、快適で安全なロングドライブを提供します。

※2分以上停止状態が続いた場合、電動パーキングブレーキを使用した停止保持に切り替わります。 この停止保持機能は、電動パーキングブレーキと連動することによって長時間の停止を可能にするシステムです。


走りにこだわるSUBARUですから、運転の上手なドライバーのように滑らかでスムーズな加減速を実現しています。最新のシステムではカラーでのカメラ認識が可能となっており、先行車のブレーキランプの点灯を認識することもできるので、早めに制御を行い、スムーズで安心感のある減速を実現しています。対象との距離や形状、移動速度を正確に認識することができます。
この「ついていく技術」によって、無駄なアクセルワークが無くなり、燃費を向上させることができます。

その他の技術、性能につきましては、「アイサイト」のホームページをご覧ください。
http://www.subaru.jp/eyesight/digest/

最後に、エコドライバーの皆さんへメッセージをお願いします。

A 環境に優しい走りをしようと思えば空吹かしはしませんよね?エコドライブを実践するには、乗る人の思いが大切だと思います。SUBARUでは、乗る人の思いとリンクして、意のままに動いてくれるクルマを作っています。クルマの性能が良いと、ドライバーの思うようにクルマを操れるようになります。「走る・曲がる・止まる」というクルマの基本的な性能が優れていれば、安心のドライブが可能になります。走りを極めると、クルマはもっと安全になるのです。
クルマに乗るすべてのお客様に、“安心と愉しさ”を提供するために、SUBARUは、これからも独自の安全性能を磨いていきます。


HondaとSUBARUによるエコドライブの取り組みはいかがでしたでしょうか。
各社の最新技術によって安全で環境に優しいクルマが作られ、エコドライブへと繋がっています。
未来の地球のために、エコドライブによる運転を日々の習慣にしてみませんか?




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