SMART MOVE

自転車と一緒に電車で旅をしよう。

コロナ禍を踏まえて、一人でサイクリングの旅に出た。

気になっていたサイクルトレインに、初めて乗ってみた。

自宅から最寄りの「大垣」駅を停車駅とする養老鉄道には、【サイクルトレイン】という電車が定期的に出ている。通勤で利用する際、地域の方が自転車と一緒に利用しているのはよく見かけていたが、時折そこに混ざって、サイクリングを楽しむ目的で乗っている人がいる。同じサイクリング愛好家として一度は試してみたいと、時間ができた休日にぶらりと利用してみることにした。

コロナ禍であるから、サイクリング仲間と一緒に遠出するようなことはできない。でも、一人旅で近くの街を散策するくらいならちょうどいいかもしれない。もうすぐ春がやってくる。季節の匂いを感じて、新年度に向けたリフレッシュにもなりそうだ。

目的の駅は「多度」駅にした。養老鉄道のホームページで調べてみると、多度大社の他に古い街並みやちょっとした名物も食べられそうで、半日程度の日帰りにはちょうどいい小旅行になりそう。

養老鉄道ホームページ「沿線観光情報」より (https://www.yororailway.co.jp/kankou-gourmet.html

電車の先頭に【サイクルトレイン】のマークがついている。この電車で間違いない。【サイクルトレイン】としてそのまま自転車が詰め込める電車は限られており、全ての電車で利用できるわけではないからあらかじめ注意が必要。帰りの電車の時間も確認しておくと安心。

養老鉄道では、進行方向の前から2両目が自転車で乗れる車両に指定されている。「大垣」駅から「多度」駅までの電車の所要時間は約1時間弱。自転車と一緒に乗っている不思議な感覚が、見慣れた景色を新鮮に感じさせてくれる。

体を休められ、環境にも負担が少ない。一石二鳥のサイクルトレイン。

「多度」駅からのサイクリングコースを調べていると、【サイクルトレイン】という仕組みは環境に良い取り組みでもあることを知った。確かに考えてみれば、いざサイクリングするといっても目的地のコースに辿り着くまで車で行くこともしばしばだ。車の利用を控えればCO2の排出は抑えられるし、何より電車での移動中は体を休められるので、その分ラクで気持ちにも余裕もできる。

ちょっとウトウトしていると、あっという間に「多度」駅に到着。電車の中でしっかり体を休められた。ここからは多度の街を散策だ。駅前の案内図にはサイクリングコースの他にハイキングコースなども描かれている。養老山脈の麓にあたる多度は昔から旅人がよく訪れる街だ。

人通りの少ない道を選びながら、知らなかった多度を散策。

何度か行ったことのある多度大社へは最後に向かうことにして、サイクリングコースとなっている「多度峡みそぎ滝」や「古い街並み」にまず行ってみることにした。自転車だから行ってみたいと思える場所というものがあるものなのだ。途中、川べりへ降りてロードコースを走った。車に乗っていたらきっと気付くことはなかっただろう、雰囲気のある景色にたくさん出会うことができた。

その名の通り山の峡谷にあり、車では辿り着けない場所にある「多度峡みそぎ滝」。そして多度大社の近くにある「古い街並み」へ。この街の古き歴史を思わせる独特の風情漂う軒の前を、自転車で颯爽と通り過ぎる。サイクリングだからこそ見られる景色、出会える発見、感じる匂いや空気がある。何度か来たことのある街のはずなのに、全く知らない場所だらけなのに驚く。

旅の終わりに、多度大社へお参り。

全国的にも珍しい、生きた神馬がいることで有名な多度大社。この日訪れた時には神馬舎にその姿はなかった。しかし、いつ来てもここは神聖な気持ちにさせてもらえる。

お参りをした後は、ちょっとしたお楽しみ。境内周辺のお店で空いた小腹を満足させる。

【サイクルトレイン】の取り組みは地方路線で少しずつ増えている。「日本全国サイクルトレイン路線リスト」(https://jitensha-hoken.jp/blog/2017/04/japan-cycle-train-list-2/)のホームページを見ると、東北から九州までさまざまな地方路線が【サイクルトレイン】を実施しており、いつか新型コロナウイルスの影響が収束して来た頃には、全国のいろんな電車に愛車と一緒に乗ってみたい。
旅の醍醐味は目的地にあるのではなく、目的地までの道のりの中にこそある。自転車に乗るからこそ見つけられた景色や出会える感情に、もっとたくさんの人が気付いて欲しいなと思う。そんな価値観をみんなが共有し広めることができれば、CO2削減による環境貢献ももう少しできるのかもしれない。


「COOL CHOICE(=賢い選択)」にご賛同ください。

「COOL CHOICE」は、CO2などの温室効果ガスの排出量削減のために、脱炭素社会づくりに貢献する「製品への買換え」、「サービスの利用」、「ライフスタイルの選択」など地球温暖化対策に資するあらゆる「賢い選択」をしていこうという取組です。 未来の地球のために、「COOL CHOICE」に賛同して、できることから始めてみませんか?

◆ご賛同はこちらから
https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/join.html