気象予報士に教わる、
これからの天気と私たちにできること<第5回>

COOL CHOICE編集部
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第5回:NPO法人 気象キャスターネットワーク
気象予報士 井田寛子さん

NPO法人 気象キャスターネットワークに所属する、気象予報士の皆さんにご登場いただくインタビュー連載企画。第5回は、TBS『あさチャン!』のお天気キャスター・井田寛子さんにお話を伺いました。動植物や自然がもたらす災害に興味を持ち、気象予報士の資格を取得したという井田さん。地球温暖化に関する情報を幅広く伝える、地球温暖化防止コミュニケーターとしても活動されています。(2017年3月21日取材実施)

※地球温暖化防止コミュニケーターとは
http://funtoshare.env.go.jp/ipcc-report/#section_about

出前授業での様子

地球温暖化の専門家と、皆さんとをつなぐ「橋渡し役」に

―井田さんは、地球温暖化防止コミュニケーターとして数多くのイベントやメディアにも登場されています。どのような活動をされているのか、お話いただけますか?

気象とも密接な関係がある「地球温暖化」について、幅広く一般の方々に伝え、21世紀の低炭素社会にふさわしいライフスタイルを送ってもらうために、講演や小学校への出前授業などを行っています。人前でお話をさせてもらうので、テレビではなかなか難しい双方向のコミュニケーションを取れるのが魅力ですね。テレビなどのメディアを通じて顔を知られていることもあって、身近な立場で直接お伝えすると、皆さん話を持ち帰って家族やお友達に伝えてくれるんですよ。文字どおり「コミュニケーション」で拡散していく力を感じます。

―イベントや出前授業では、どういったお話をすることが多いですか?

「地球温暖化」というと難しいイメージもあるので、わかりやすく伝えることに重点を置いています。例えば、「歯磨きをしている間に、水道の蛇口を開けっぱなしにしておくのと閉めておくのとでは、どれくらい水の消費量が違うでしょう?」とか、「その場合のエネルギー消費量の差は?」などクイズ形式にしたりすると、大人の方もお子さんも、皆さん真剣に考えてくれますね。

―難しい話をわかりやすく伝えることって、大事ですよね。

仕事柄、地球温暖化の専門家の方々とお話をする機会も多いのですが、ご自身の研究内容をどう伝えればいいか、もどかしく感じている方も大勢いらっしゃいます。私たちが、専門家の方から地球温暖化の現状や将来の予測などについて学び、その内容を一般の方々にわかりやすく伝える「橋渡し役」を務めるのも、コミュニケーターの使命だと感じています。

―井田さんご自身は、今、どのような問題に関心がありますか?

もともと自然が好きなこともあって、この仕事を選びました。先日も沖縄へ取材に行ってきたのですが、国内最大級のサンゴ礁「石西礁湖(せきせいしょうこ)」では、約70%のサンゴが海水温の上昇のために死滅しているそうです。またワシントンでは今年、サクラが寒波で大打撃を受けました。身近な植物を見ても、何かしらの警鐘が発せられていることは多いと思います。そういったことを見逃さないようにしていきたいですね。

地球温暖化が進むと、サクラにも影響が?

―東京では、3月21日にサクラの開花発表がありました。

ソメイヨシノの開花は、東京が最も早く3月21日。昨年と同じでした。東京に比べると西日本は少し遅くなる見通しです。これは、西日本が今年は暖冬傾向だったためです。

―暖冬だと、サクラの開花が遅くなるんですか?

サクラの開花には、寒暖差と日照時間が関係しています。冬がしっかり寒くて、春にだんだんと暖かくなると平年並みに。冬が暖冬だと、花の芽の成長がやや遅くなり、開花が遅れるといわれています。ちなみにソメイヨシノは人工的に遺伝子操作された植物なので、ほかの植物と違って一気に開花します。サクラの木々が一斉に満開になる美しさを見られるのは、このためですね。

―今年は何日間くらい咲きそうですか?

平年並みの1週間ほどだと思います。寒の戻りがあると、もう少し長くて、10日ほど見られるかもしれません。逆に気温が一気に高くなったり、天気が荒れてしまうと、散るのも早まってしまいます。開花後の天気次第なので、天気情報をチェックしてくださいね。

―地球温暖化が続いて冬の気温が上がると、サクラにも影響が及びますか?

このまま地球温暖化が進み、寒い日がほとんど無くなってしまうと、サクラが咲かなくなる可能性もあります。“入学式にサクラ”という、日本の春の風景が変わってしまわないようにしたいですね。

お話を伺って

気象キャスターネットワークの皆さんが、地球温暖化防止コミュニケーターとして専門的な話をわかりやすく伝えることを心掛けていること。このまま地球温暖化が進んでしまうと、サクラが咲かなくなってしまう可能性もあることを伺いました。日本の春の象徴であるサクラが見られなくなるのは、考えたくない未来です。そうならないようにするためにも、皆さんも井田さんたち地球温暖化防止コミュニケーターによる、取り組みや働きかけに目を向け、低炭素社会実現に向けてエコドライブの実施やエアコンの適正使用など、身近にできることから取り組んでいきませんか?

井田寛子さん

NPO法人 気象キャスターネットワーク 所属。TBS『あさチャン!』でお天気キャスターを務めている。普段から、輸送に関わるCO2排出量が少ない食料を意識して買い物をしているという。「皆さんが“このままじゃいけない”と危機感を持ってくれたり、“何かムダなことをしていないか”と探してくれるだけでも違ってくるはず」と、穏やかな表情の中にも熱意が感じられる様子で話してくださった。

NPO法人 気象キャスターネットワーク
http://www.weathercaster.jp/

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