「ウォームビズ四国」キャンペーン 〜四国4県の取り組み〜

暖房時の室温を20℃にして快適に過ごすライフスタイル「ウォームビズ」の実践の輪を広げるべく、全国各地でさまざまな取り組みが行われています。これまでにも山口県下関市での「ウォームビズランチレシピ」の取り組みをご紹介しましたが、今回は、徳島県・香川県・愛媛県・高知県の四国4県が合同で取り組んでいる「ウォームビズ四国」キャンペーンについてご紹介します。

「ウォームビズ四国」キャンペーンとは? 

「ウォームビズ四国」キャンペーンがスタートしたのは平成26(2014)年度から。ウォームビズの実践の輪を広げるためには、各県がバラバラに取り組むよりも、四国全体で協力した方が、より効果が期待できるだろうと各県の担当者間で意見が一致し、この年から四国一帯で取り組むこととなりました。
このキャンペーンでは、ウォームビズの取り組みを広く啓発することを目的として、4県で構成する四国地球温暖化対策推進連絡協議会がポスターコンテストを実施しています。

コンテストは毎年実施されています。ウォームビズを啓発するためのポスターを募集し、最優秀作品のうち1点が翌年度のキャンペーン用ポスターとして採用され、四国の各県で掲出されます。ポスターは、手描きで制作する絵画・イラスト部門と、コンピューターを使用して制作するCG制作部門があり、各部門から賞を選定します。

今年度も昨年(2016年)の11月から募集を開始し、78件の応募がありました。そのなかから選ばれた優秀作品と、それぞれの受賞者に聞いたポスターに込めた思いやポイントなどをご紹介します。

最優秀作品(絵画・イラスト部門)


末澤 彩純さん(香川県)

「四国の特産物達が防寒着を身に着けたり、あたたかい飲み物を飲んだりして、室温20℃を目指そう、良い環境を目指そう! というメッセージをポスターに込めました」(末澤さん)

この末澤さんの作品は、平成29年度の「ウォームビズ四国」キャンペーンのポスターに採用が決定しました。

最優秀作品(CG部門)


好村 亜朱華さん(香川県)

「四国をキャラクター化し、熱いお茶とこたつであたたまっている様子を描きました。ほのぼのとした幸せな家庭を、おせんべいで表現しました。CGで湯気を表現し、20℃と描くところに苦心しました」(好村さん)

優秀作品(絵画・イラスト部門)


末本琴乃さん(香川県)
「寒い季節をのりきろう!と、四国から飛び出し、楽しい『動き』を表現しました」(末本さん)

一宮 桃子さん(香川県)
「見た人誰もが、見るだけであたたかくなるような、ホカホカ感をポスターで表しました!20℃の部分はアップリケをイメージし、かわいく仕上げています」(一宮さん)

優秀作品(CG部門)


中川 朋美さん(徳島県)
「“あたたまる=お鍋”から連想し、ねこ鍋を描くことで可愛らしさとほっこり感を演出しました。ねこにもマフラーなどの防寒着を纏わせることで、ウォームビズへの呼びかけを表しています。全体的にやわらかい暖色を使うことで、あたたかい温度を感じられるような作品に仕上げています」(中川さん)

濱﨑 菜々さん(高知県)
「どのようにしてあたたかさを表現しようか悩みました。エアコンだけでなく、こたつも上手に活用してあたたまろう、ということを伝えられるポスターにしています」(濱﨑さん)

愛媛県環境政策課の担当者によると、今年度の審査のポイントは「四国4県が一体となってウォームビズを頑張っていこうという気持ちが駆り立てられる作品」であること。絵画・イラスト部門の最優秀賞で、来年度のポスターに採用が決定した末澤彩純さんの作品は、徳島県のさつまいも、香川県のうどん、愛媛県のみかん、高知県のかつお、とそれぞれの県の特産品がかわいらしくキャラクター化され、みんなで室温20℃を目指そうと誓っているデザイン。来年度の秋から冬には四国中にこのポスターが貼り出される予定です。

ちなみに、ポスターは四国4県に在住、あるいは通勤通学をされている方ならだれでも応募することができます。これは、より多くの人を対象に募集を行うことで、幅広い世代の方に地球温暖化対策のために、いま自分たちに何ができるのか考えてもらうきっかけとなることを狙いとしているためです。
その結果、初年度から現在まで、平均で80件前後の応募がある、人気の企画となりました。


愛媛県環境政策課(左)と平成28(2016)年度掲出ポスター作品(右)

愛媛県環境政策課の事務所内では平成27(2015)年度 に最優秀作品に選ばれたポスターが、平成28年(2016)年度のキャンペーンポスターとして掲出されています。あたたかそうな格好をした女の子が持つ湯呑みから出ている湯気が四国の形をしているのがユニークで、大きな「20℃」の文字もインパクトがあります。四国各地でポスターを掲出することで、多くの方が前向きにウォームビズに取り組んでいるそうです。

4県全体で取り組もう!
「ウォームビズ四国」キャンペーン

「ウォームビズ四国」キャンペーンに参加する企業数は、ポスターコンテストを始める前の平成25(2013)年度は585団体でしたが、平成26(2014)年度、平成27(2015)年度はそれぞれ650団体を超すようになりました。四国に着実にウォームビズが根付いていることがわかります。

また、四国4県ではこうして合同でウォームビズの啓発に取り組む以外にも、それぞれ独自の活動も行っています。徳島県はウォームビズを啓発するイベント「アースパレード2016」を開催、香川県は電力や二酸化炭素の削減効果が一目で分かるウェブサイト「かがわ省エネ節電所 冬の登録」を、愛媛県はお店や公共施設などの協力施設に行くと、お得な割引や特典が受けられる「みんなででかけまシェアキャンペーン(ウォームシェア)」を、それぞれ行っています。
※ウォームシェアについて詳しくはこちら

各県担当者に聞く! 
ウォームビズを四国4県でやってみたら…。

この四国4県でのウォームビズ合同キャンペーンについて、各県のご担当者に実施した感想を伺いました。

「企業・団体等に配布したところ、多くの方々からあたたかい雰囲気のポスターで実施期間も分かるので、これからもキャンペーンを実施して欲しいとの要望があります」 (徳島県)

「企業・団体等が省エネ対策としてウォームビズを進める上で、ポスターの存在は、職員や従業員にウォームビズを広く知ってもらうのに非常に役に立っています。また、四国各県に数千枚単位で掲示されるため、学生を中心とした応募者の意欲向上につながっています」 (香川県)

「通勤通学や旅行等四国内での人の行き来は多く、キャンペーン中にどこに行っても同じポスターを見かけます。なので、ウォームビズを強く印象づけることができます。採用された作品は四国各県に掲載されるため、応募者の意欲も掻き立てられているようですね」 (愛媛県)

「ポスターデザインの作成を通じて、地球温暖化問題について考えてもらうきっかけにもなりました」 (高知県)

4つの県が「ウォームビズ」という一つの目的で力を合わせた結果、より多くの人がウォームビズに興味・関心を持つようになっているようですね。

みなさんのお住まいの地域では、ウォームビズについて独自の取り組みが行われていますでしょうか。ぜひチェックしてみてください!

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