暖房時の室温を20℃(目安)で快適に過ごすライフスタイル

暖房時の室温を20℃にして快適に過ごすライフスタイル「ウォームビズ」。あたたかさをキープしながらもよりおしゃれを楽しむにはどうすればよいのでしょうか? 今回は女性編に続く男性編です。今回もプロのスタイリストから小物を上手に取り入れた着こなしや下半身の防寒テクニックなどを教えてもらいました。今すぐ取り入れることができるアイディアもあるので、オフィスやプライベートでぜひ試してみてください。

オフィスなどに最適なスーツ・ジャケットスタイル

まず最初に、オフィスなどでスーツやジャケットを着用する場合のウォームビズファッションをご紹介します。あたたかいのに着ぶくれせず、スマートに着こなすためには、どんなアイテムを使うとよいのでしょうか?

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首回りに秘策あり オフィス仕様のスリーピース

ジャケットの下にベストを着こんだスリーピースはビジネスシーンで活躍するうえ、ウォームビズとしても基本的なスタイル。
さらにあたたかくしたいときは小物をうまく活用してみましょう。

フォーマルなスーツスタイルでは保温性に優れたスリーピースを選ぶのがおすすめです。スリーピースだけでは肌寒く感じてしまう場合は、ジャケットの下にマフラーを重ねてみましょう。結ぶのではなく首から下げ、ジャケットの裾からは出ないようにするのがコツです。このとき、胸元からマフラーの柄を少しだけ見せてもよいでしょう。

合わせるネクタイはあたたかみのあるウールタイがおすすめです。
このときネクタイの色はジャケットではなくシャツの色に合わせて選ぶと、おしゃれのバリエーションが広がります。冬のスーツスタイルはダークカラーにまとまりがちですが、シャツとネクタイを差し色にすることでメリハリを出すことができます。

下半身は、足首までしっかりカバーする10分丈の男性用のタイツやスパッツなどの機能性インナーと靴下の重ね履きで保温性を高めます。このとき取り入れたいのが、薄手で通気性のいいシルクの5本指ソックス。汗による蒸れを抑えながら、保温しにくい末端の冷えを防いでくれます。

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スマートに着こなすジャケットスタイル 

冬らしい起毛素材やニットを取り入れたややカジュアルなジャケットスタイルです。
さらに保温性の高い機能性インナーを活用して、見た目以上のあたたかさを保ちます。

ジャケットの素材は起毛感のある厚手のコットンスエード。
あたたかく着こなしながら季節感も演出します。下には長袖のVネックニットを着用していますが、最近のジャケットは、アームホールが細めに作られていることが多いので、厚手のニットだと腕回りが窮屈になることも。合わせるのなら、薄手で編み目の細かいハイゲージニットなどジャケットの型やサイズに合ったものを選びましょう。

また、濃紺や黒、グレーなどのダークカラーの多い冬のコーディネートは全身が暗くなりがち。ボトムスがダークカラーであれば、ジャケットには明るいカラーを合わせたりして、色の明暗を意識するとスタイリッシュな印象になります。

肌着には保温性に優れた機能性インナーを上下で使用しているのに加えて、薄手の腹巻も重ねています。胸の下から腰までを覆うので上半身もあたたまります。

なお、足を組んだ時などにインナーの裾がはみ出すことに抵抗がある方は、下半身は七分丈のインナーを選べば心配ありません。
見えない部分で保温するのがポイントです。

休日のカジュアルスタイル

自宅でのんびり過ごすほか、カフェなど近場の外出にもおすすめのカジュアルスタイル。
あたたかさとくつろぎを感じる着こなしを楽しみます。

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トレンドを意識する大判ストールスタイル

ざっくりと首に巻いているのはマフラーではなく大判ストール。
さらに裾のすぼまったイージーパンツ、外出時には雪山にも対応するアウトドアブーツなど保温性の高いアイテムを組み合わせることで、おしゃれで冷え知らずのコーディネートに仕上げました。

女性に人気の大判ストールは、男性用のおしゃれアイテムとしても注目されています。たとえばマフラーのように首に巻くと、首から肩にかけて大きくカバーできるため高い保温効果が得られます。また、肩にかけたり膝にかけたりとさまざまな使い方ができます。男性もアイテムとして取り入れてみてもいいでしょう。

定番のニットカーディガンは裏地にボア素材を使用した「裏ボア」タイプのものを着用すると、1枚でも重ね着をしたようなあたたかさが得られます。

ボトムスには、履き心地のよさと流行を兼ね備えたイージーパンツがおすすめ。イージーパンツはデニムなどに比べて、カラーバリエーションが豊富なのであえてカラフルなものを選んで遊び心を演出してみてはいかがでしょうか。なお裾がすぼまっているものであれば、冷たい空気が入り込みにくくもなります。

ブーツは、保温性に優れているアウトドア向けのアイテムを活用しましょう。ブーツ内部はクッション性が高く、裏地は厚め。足元も冷え知らずです。

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首元までしっかり「あったか」軽快ニットコーデ

同系色でまとめた大人っぽいカジュアルスタイル。
小物を使用せず、すっきり着こなしながらも体をあたためるには、インナーが重要です。
上下に機能性インナーを重ね着するだけではなく、薄手の腹巻も利用してあたたかさを逃しません。

マフラーなどを使わずに首元を温めたい場合は、タートルネックと襟付きニットを組み合わせると簡単です。タートルネックはあえて折りたたまないことで自然な着こなしを演出するとともに、首全体をカバーして体感温度を高めることができます。

ボトムスは、裏起毛などの保温性にすぐれたものを選びましょう。
イージーパンツでも、厚手でハリ感のある素材を選べばカジュアルな中にもスマートな印象を出すことができます。上下同系色でまとめれば、大人らしい印象になります。
なお、パンツの裾がすぼまっていなければ、足首部分がキュッとしまっているタイプのインナーと組み合わせるとあたたかくなります。

上半身はストレッチ性と保温性の高い機能性インナーを着用し、シルク素材などの薄手の腹巻も重ねましょう。動きを妨げない軽快なスタイルが楽しめます。

このひと工夫であったかおしゃれ 
ウォームビズファッションのポイント

ストールやマフラーを上手に取り入れよう

特にストールは女性のアイテムであると認識されがちだったり、マフラーともども、屋外で使用するものと考えがちですが、マフラーであれば結ばずに首にかけてその上からジャケットを羽織ったり、ストールであればラフに首に巻いたりしても違和感なく使用できまます。

また、ウールやカシミヤなどのあったか素材を使用したニットタイも首元をあたためるのに役立ち、見た目にもあたたかい印象を与えます。おしゃれのアクセントにもなるので服装に合わせて試してみましょう。

あたたかさの決め手は下半身の密閉具合にあり

冷気が入り込みやすい下半身は、いかに肌を外気に触れさせないかが鍵になります。ボトムスの下には機能性素材の男性用タイツやスパッツなどのインナーを着用し、靴下は薄手の5本指ソックスと普通のソックスを2枚重ねて履くのがおすすめ。
ビジネスシューズも保温性の高いハイカットのものを選ぶと保温効果が高まります。

また、ボトムスのインナーの上から長めの靴下を重ねて裾を密閉し、さらにブーツを履けば足元はまったく冷気にさらされなくなります。寒さに合わせて靴下の長さや履き方を調節してみましょう。

アウトドアブランドやスポーツメーカーのアイテムもチェック

アウトドアブランドやスポーツメーカーの冬用アイテムは、雪山登山やウィンタースポ―ツ等で使うためにつくられています。そのため通気性を兼ね備えた断熱性や防寒性に優れたものが多く、ウォームビズファッションでも活躍します。
ウォームビズのアイテムとして、取り入れてみるのもよいでしょう。 

シルク素材のインナーや靴下に注目を

シルクも女性もののイメージがありますが、じつはシルクは薄くて肌触りがよく、吸湿性・通気性に優れているため男女問わずに活用したい素材です。実際に男性用のシルクのインナーもあります。
防寒アイテムとしては、シルクの靴下や腹巻も有効。フィット性に富んでいるためスタイルに響きにくく、とくにシルクの靴下は重ね履きをしても靴が窮屈にならず快適です。
2回に分けてお届けした冬のあったか着こなし術。
ぜひ毎日のコーディネートの参考にして、よりおしゃれに、快適なウォームビズファッションを楽しみましょう。
< スタイリスト紹介>
伊藤正美さん
スタイリスト事務所DEXI代表。アパレル会社を経て「2006-07 A/Wパリコレクション」に従事。現在は映画やCM、ドラマ、雑誌などの衣装、デザイン&撮影コーディネートを担当するほか、「DEXI School」の講師も務めている。
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