みなさんのオフィスの天井照明はすでにLED化されていますか?大幅な省エネができ、明るさの調整なども簡単なLEDは、経費とCO2削減の強い味方。最近種類が豊富になったリニューアル向けの製品を使うなどすれば、特注品を作ったり、大がかりな工事をすることなく取り換えできるケースも多く、意外と工期やコストが少なくてすみます。
国内大手メーカーの多くはここ数年で続々と蛍光灯照明器具の生産を終了しています。また、蛍光灯器具と比べ、以前は高価だったLED照明器具の価格は下がり、リニューアル専用の器具も多数登場していますので、オフィスの照明器具のリニューアルがしやすい環境になっています。みなさんのオフィスでも検討してみませんか。
(一社)日本照明工業会 照明成長戦略2020 Ver.2より
省エネ対策を進める政府は2030年にLED等のSSL※1のストック(設置比率)を100%にすることを目標に掲げています。また、これを見据え、日本照明工業会では、2020年にフロー(出荷比率)100%、ストック50%をめざしています。LEDへの切り替えは、省エネや操作性の面からオフィスの魅力を高めることになり、ビルオーナーにもテナント企業にも大きなメリットをもたらすと同時に、地球環境保全につながります。
※1 LED、有機EL、レーザー等の半導体照明
オフィス天井に設置してある照明器具の本体を活かし、反射板や安定器、ソケット、蛍光灯などがあらかじめセットされているリニューアル専用ユニットを組み込む方法があるのをご存じですか?天井の張り替えや本体の取り外し、パーツ類をつなぐ作業が不要なため、土日だけの短工期での施工が可能。工程数が少なく、経費が節減できる上、廃棄物が少ないため、処分コストが減らせるのもメリットです。また、元の照明器具のイメージをあまり変えずにリニューアルできます。
近年増えてきたシステム天井(グリッドタイプ)に対応したリメイクユニットも登場しています。既設器具本体や、空調・スプリンクラー、ルーバーなどの設備はそのまま活用し、反射板や電源、蛍光灯、ソケットを取り外してLEDユニットを設置します。
使い方にもよりますが、JIS(日本工業規格)では照明器具の適正交換時期の目安は約10年としています。長く使用していると、安定器やソケット、リード線など、外からは判断できない劣化が進んでいる場合があり、それによって故障率が高くなっていきます。設置して10年以上経っている場合は、ランプの交換だけでなく、照明器具全体の取り替えを検討しましょう。
JIS C 8105-1「照明器具-第1部:安全性要求事項通則 解説」
解説図5に基づき(一社)日本照明工業会作成
これまで使用していた照明器具を取り外し、大きさを合わせた照明器具を設置すれば、天井の張り替え無しにリニューアルが可能。取り外し跡を隠すことができ、既設器具の埋込穴や電源位置を活かせるため、工事の手間も減らせます。
資料提供・協力:パナソニック株式会社 エコソリューションズ社
一般的なオフィスビルでは、冬季には約33%ものエネルギーが照明に使用されています。LED照明は、普及当初に比べ性能が大きく向上していることもあり、明るさはそのままに大幅な省エネが可能です。
たとえばオフィスや会議室の蛍光灯照明器具(例:FLR40形2灯用 逆富士形器具)をLED一体形器具に換えるだけで、約67%の省エネになります。
また、LEDは明るさの調整が簡単。センサを組み合わせれば器具の消費電力をさらに減らせます。明るさセンサを使えば昼光を利用するなどして余分な明るさを抑え、約30%の省エネ、人感センサを使えば人がいない時は自動的に最低限の明るさにでき、約10%の省エネになります。
参考資料・イラスト:(一社)日本照明工業会 「照明器具カエルBOOK ver.3.2」
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