提供:阪神電気鉄道株式会社

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阪神甲子園球場のエコな取組
~環境に配慮した野球場を目指して~

2022.1.24

阪神甲子園球場

プロ野球の阪神タイガースのホームスタジアムや全国高校野球大会の会場として知られる阪神甲子園球場。100年近い歴史を有するこの球場では、環境に配慮した野球場を目指してさまざまな取組が行われています。

今回は、具体的な数字とともに、阪神甲子園球場の取組を紹介したいと思います。

年間約150トンのCO2削減

阪神甲子園球場は、内野スタンド全体を覆う屋根(銀傘)の上に太陽光パネルが設置されています。銀傘の上には約1,600枚の太陽光パネルが敷き詰められており、その発電電力量は年間約19.3万kwhに上ります。これは、阪神タイガースが1年間に阪神甲子園球場のナイトゲームで使用する照明の電力量に相当し、火力発電に比べると、CO2排出量を年間で約150トン削減することが可能です。また、約40万m²(阪神甲子園球場約12個分)の森林が1年間に吸収するCO2と同程度の量になります。

提供:阪神電気鉄道株式会社(真上から見たスタジアム)

提供:阪神電気鉄道株式会社(真上から見たスタジアム)


年間約7トンのリサイクル回収

帝人フロンティア株式会社と共同で、球場内で生ビールなどの販売に使用するポリエステル製のプラカップをリサイクルする取組を行っています。球場内に設置している専用回収カートや客席販売員(売り子)によって年間約7トンのカップが回収され、帝人フロンティア株式会社で再生ポリエステル繊維にリサイクルされています。リサイクルされた再生ポリエステル繊維は、来場されるお客様への配布物などに活用されています。

提供:阪神電気鉄道株式会社(プラカップから配布物へのリサイクル)

提供:阪神電気鉄道株式会社(プラカップから配布物へのリサイクル)


約7,500㎡の銀傘による貯水

阪神甲子園球場では、これまで井戸水をグラウンドへの散水やトイレの洗浄水に利用してきました。そして、2008年のリニューアル工事後からは、内野スタンド全体を覆う約7,500m²の屋根(銀傘)の上に降った雨が、地下のタンクに貯水されるようになり、グラウンドへの散水や場内トイレの洗浄水に使われています。これにより、球場が年間に使用する水量(約66,600㎥)の約65%を賄っています。

提供:阪神電気鉄道株式会社(雨水を活用したグラウンドへの散水)

提供:阪神電気鉄道株式会社(雨水を活用したグラウンドへの散水)


環境に配慮した野球場を目指してさまざまな活動を行っている阪神甲子園球場。2021年の夏には阪神タイガースの主催試合で排出されるCO2の削減に取り組む「カーボン・オフセット(注)試合」の開催など、新たな取組も始めています。

 (注)日常生活や経済活動などにおいて避けることができない温室効果ガスの排出について、できるだけ削減努力を行ったうえで、どうしても排出される温室効果ガスについては、排出量に見合った温室効果ガスの削減活動への投資等により、排出される温室効果ガスを埋め合わせるという考え方。

球場内の名物グルメも「脱プラスチック」へ

こうした環境活動に対する思いや今後の取組について、阪神電気鉄道株式会社甲子園事業部の松本さんにお話を聞きました。

阪神電気鉄道株式会社 甲子園事業部 松本さん

写真:阪神電気鉄道株式会社 甲子園事業部 松本さん

阪神甲子園球場が環境活動に取り組む背景についてお聞かせください。

2007年に始まったリニューアル工事に際して、テーマの一つに「環境への配慮」を掲げました。それまでにも井戸水や雨水によるグラウンドへの散水や球場内のトイレでの洗浄水への利用、ツタの再生による壁面緑化といった活動を行っていたところ、リニューアル工事にて新たに太陽光発電を導入し、CO2削減にも取り組んでいます。

またリニューアル工事後も、プラカップリサイクルの取組を開始するなど、環境活動への取組を強化してきました。

現在、球場内ではどのような取組が行われていますか?

2021年のシーズンより、球場の名物グルメである「甲子園カレー」「甲子園やきそば」の包材をプラスチック製から紙製に切り替えました。

提供:阪神電気鉄道株式会社(紙製容器を利用した球場内で販売される食品)

提供:阪神電気鉄道株式会社(紙製容器を利用した球場内で販売される食品)


また、2021年度のシーズンオフには、球場内の照明器具をLEDに変更する予定です。これによって、スタジアム照明によるCO2排出量を約60%削減できる見込です。

今後、取り組んでいきたいことはありますか?

現在、帝人フロンティア株式会社と共同で行っているプラカップのリサイクルについて、お客様によりお喜びいただけるような、長く使っていただけるような配布物の製作を検討したいです。また、リサイクル製品を通して、お客様に環境へ配慮することの大切さが伝わればよいなと思います。

みなさんも野球観戦をする際には、試合を支えている環境活動に思いを馳せながら応援をしてみてはいかがでしょうか。そして、カップや容器のリサイクルなど、野球場やスポーツチームと一緒に、できることから取り組んでみましょう。



関連するゼロカーボンアクション30:

(4)節水

(8)太陽光パネルの設置

(24)使い捨てプラスチックの使用をなるべく減らす。マイバッグ、マイボトル等を使う

(27)ごみの分別処理

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