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COOL CHOICE エコ住キャンペーン 省エネ住宅で解決!みんなの住まいの困りごと COOL CHOICE エコ住キャンペーン 省エネ住宅で解決!みんなの住まいの困りごと

持ち家戸建ての部分リフォーム(予算50万円)

ここではリフォーム予算50万円でできる内容について話そう。
リフォームにあたって様々な選択肢があるので、幾つかのケースごとに説明する。どこからやるかは効果が出やすい順で決めればいい。温熱的に弱いところを重点的に行うと効果がわかりやすい。

ひとつめの部位は温熱的に家の中で一番弱い窓である。まずは、窓の断熱を考えよう。一番簡単に効果が出るのは、窓を2重窓(図1)にすることや断熱ブラインド(図2)を取り付けることである。断熱ブラインドだったら、50万円の予算内で概ね家一軒分全部をやることができる。2重窓だと、普段過ごす時間が長い部屋を中心にやることになるだろう。普段過ごすことの多い部屋の中でどこが寒いかを簡単リフォーム200-300万円で解説した放射温度計で調べよう。これで床や壁や天井表面の温度を測ろう。寒い面や暑い面がわかるはずだ。面が寒い場合には、その面を何らかの工夫をして断熱する。
「放射温度計」については「簡単リフォーム200-300万円」「住んだ家が大きく変わる予算500-700万円」で解説している。

二重窓、断熱ブラインドイメージ
(図1)窓を2重窓にするイメージ
普段過ごす時間が長い部屋にもう一つの窓を取り付ける2重窓にする方法が有効
二重窓、断熱ブラインドイメージ
(図2)断熱ブラインド
ハニカムブラインドともいう。断面がハニカム構造になっていて効率よく断熱ができる

断熱ブラインド取り付け実践(楽天市場へのリンクとなります)

私たちが普段感じている温度、体感温度は室内の空気の温度(室温)だけで決められていない。
体感する温度というのは、室温と表面温度と平均値、分かりやすく書くと

体感温度=(表面温度+室温)÷2

出典:自立循環型住宅への設計ガイドライン
 一般財団法人 建築環境・省エネルギー機構

と表せられる。つまり、室温が同じであっても、周りにあるものの表面の温度で体感温度が違うということになる。図のように室温が30℃であっても、左の図のような木陰は葉の蒸散作用によって、表面温度も30℃になっているので、体感温度は30℃だが、右の図のような鉄板の屋根(70℃)の下は体感温度が50℃にまでなってしまい、熱中症の原因となりかねない。
だから表面温度を把握し、そこを手当てすることが、快適な空間を作ることになるのである。一番良いのは単純に断熱ができれば良い。

洗面所の多様な使いかた

ふたつめは天井や床だ。住んだ家が大きく変わる予算500-700万円で解説した上昇気流を抑えるためには、面で押さえてあげる(つまり、天井なら天井という水平面、床なら床という水平面で熱の移動を抑えてあげることで上昇気流を止めるのである)ことが重要。天井裏にグラスウールを敷きこんだり、床下から断熱材を吹くこともできる。
「上昇気流」については「簡単リフォーム200-300万円」「住んだ家が大きく変わる予算500-700万円」で解説している。

面で押さえるの説明

3つめは壁である。一度表面の壁を剥がして、木の下地に断熱材を入れ、もう一度ふさぐというやり方だ。断熱材の種類は、繊維状のものから固体系のもの(発砲スチロールのようなもの)、あるいはスプレーで吹き付ける発泡型のものが代表的だ。断熱材は厚さによって性能が違い、断熱性能が高いほど薄く仕上げられ、薄い壁への対応も可能となる。繊維系のものに対し、固体のものは断熱性能が2倍ほどいい。一方、発泡系のものは、繊維系に近いものが多い。
居室など一般的なところは繊維系を使って、スペースのないところ(例えば、洗面室や浴室などの狭い部屋)では固体系を使うと良い。また、繊維系は水に弱いので、水周りには使えない。どこに何を使うか工務店に相談して決めると良い。
50万円でできる部屋数は、部屋の大きさにもよるが6畳間2室程度といったところだろう。

これらの特性(断熱材の性能や厚さ、水に対する強さ、価格)を生かして、また、どこの部分の断熱性能を改善したいか大まかに決めて、工務店と相談するといい。まず、最初に相談するのは範囲と予算である。まず手始めに断熱性能をあげるべき部屋は、水回り、次にリビングである。よく使用するのにとても寒い部屋があれば、そこからでも構わない。全体的に手を広げずに、狭いところで試し、実感を持って進めていく方がいい。

次回は、自分でできる1-3万円予算のリフォームについてお話ししよう。

Profile

竹内 昌義

1962年神奈川県生まれ。建築家。エネルギーまちづくり社 代表取締役
東北芸術工科大学デザイン工学部建築・環境デザイン学科 教授 『みかんぐみ』共同代表  専門は建築デザインとエネルギー

■著書 『未来の住宅/カーボンニュートラルハウスの教科書』(2009年)『原発と建築家』(2012年)『図解 エコハウス』(2012年)
■作品 山形エコハウス(2010年)、HOUSE_M(2012年) JIA環境建築大賞受賞(2013年)、東北建築賞(2012年)、最上の老人ホーム(2009年)(社会福祉法人 紅梅荘)東北建築賞受賞2013年

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