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COOL CHOICE エコ住キャンペーン 省エネ住宅で解決!みんなの住まいの困りごと COOL CHOICE エコ住キャンペーン 省エネ住宅で解決!みんなの住まいの困りごと

 東村山市にある「つむじの家」の宿泊体験に行ってきた。建築を生業とするものとして、ゆったりと過ごしながら色々なことを考えた。快適なリビングであるが、実はこの家は小さい。基本は6.34m(3間半)角の2階建。トータルで80㎡弱(24坪)の小住宅であるが、リビング~キッチン~浴室へと回遊性があり狭さを感じないし機能的だ。

 2階に上がると、洗濯機置き場と物干し場としてのサンルーム、トイレが取られている。洗濯など、共働きのライフスタイルが増えるなか、洗濯物を日当たりのいい、家のなかで干すことは生活の質として、大事であるというメッセージを感じる。これらのことは断熱性能ではないが、東京という都市での生活を考えた時に様々な示唆を与えてくれる。ただ、住まいで心地よく過ごすには、断熱性能だけが良ければ良いというわけではなく、生活の断捨離が必要なように思う。生活に必要なもの、不必要なものをちゃんと仕分けて、本当にいるものだけで生活することができるかどうか。そこがまず大事であろう。いらない荷物が多くあって、それを詰め込みながら生活するエコハウスが本当にエコか考える必要がありそうだと思った。

つむじの家の断熱環境は、非常に良好である。注目したのは窓や断熱に関することである。大きな南側の窓は網戸、木製の格子、木製の複層ガラスを入れた引き違い戸、断熱戸、断熱ブラインドと何層にも室内の微気候(※)を調整できる装置として用意され、おそらくどの季節も、この組み合わせで室内環境をコントロールできそうだ。もちろん、調整するのは住まい手の感覚による手動である。自動ではない。太陽熱利用システムは、屋根の上で集熱し、太陽熱のエネルギーを家の基礎のレベルまで持ってきて床下を温め、窓下で開放している。

(※)住まいとその周辺に限った気候

 次に、泊まってみると体感できるのは断熱と同様に、音である。朝目覚めた時に、府中街道からの距離がそれほど離れていないのに音が静かでびっくりした。また、朝もかなり冷え込んでいたが、前日のエアコンを消して寝ても、翌朝快適に起きることができた。家の断熱性能が良いと寒い朝の活動が活発になるという実感がある。

 さて、このような断熱に配慮した家は、「体験してみないとわからない。」というがその通りだと思う一方で、家で生活する私達は、住まいと暮らしを快適にする方法として断熱に関する新しいことを積極的に学ぶ必要があると感じる。建築家や施工会社に任せきりでなく自分でも知ることが大切だと思う。すぐできることとして、現在の住まいで、どこが暖かくどこが涼しいかご自身で測ってみる。そして、なぜ暖かいのか、なぜ涼しいのかを学ぶことが大事だろう。読者のみなさまもぜひ泊まって体感してみてほしいと思う。

COOL CHOICE ZEH体験宿泊事業 詳しくはこちら
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Profile

竹内 昌義

1962年神奈川県生まれ。建築家。エネルギーまちづくり社 代表取締役
東北芸術工科大学デザイン工学部建築・環境デザイン学科 教授 『みかんぐみ』共同代表  専門は建築デザインとエネルギー

■著書 『未来の住宅/カーボンニュートラルハウスの教科書』(2009年)『原発と建築家』(2012年)『図解 エコハウス』(2012年)
■作品 山形エコハウス(2010年)、HOUSE_M(2012年) JIA環境建築大賞受賞(2013年)、東北建築賞(2012年)、最上の老人ホーム(2009年)(社会福祉法人 紅梅荘)東北建築賞受賞2013年

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