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COOL CHOICE エコ住キャンペーン 省エネ住宅で解決!みんなの住まいの困りごと COOL CHOICE エコ住キャンペーン 省エネ住宅で解決!みんなの住まいの困りごと

省エネ住宅をつくる/選ぶとき、快適・健康に暮らすチェックポイント

 2回目で述べた内容を受け、今回は「快適・健康」という視点で省エネ住宅を考えるときのチェックポイントをご紹介します。対象は次のような「すでに建っている住まい(既存住宅)に引っ越す予定がある人」です。

  • ○中古の一戸建て住宅や集合住宅の購入を検討されている人
  • ○中古の一戸建て住宅や集合住宅の賃貸入居を検討されている人

 ただし、今回の内容は「新築分譲住宅を購入予定の人や新築一戸建て住宅の建設を考えている人」にも参考になると思います。また、いま住んでいる家のリフォームを検討している人を対象にした話は5回目で述べる予定です。

 では始めましょう。チェック1は誰もがやってほしいチェックですし、できればチェック2も実行してほしいところです。

チェック1:窓周りのカビを見る

 窓下の壁、レール、ビード(写真参照)にどれくらいカビがあるかをチェックしますが、それは「窓の断熱性能が低い→結露する→カビが発生する」ということで、窓の断熱性能を判断する手がかりになるからです。

家の断熱性能が低いと、居住の快適性に影響を及ぼすことをご存知でしょうか?

①窓や壁の結露によって、カビが発生しやすくなる

②窓や壁の結露によってアレルギーを誘発しやすくなる

 ここでまず窓下の壁にカビが発生していたとしたら、それは非常に大きな問題があると判断できます。そうしたカビは健康上の問題を引き起こす可能性が高いからです。ただし、多くの既存住宅が壁紙の張替えをしている場合が多いためにチェックできないかもしれません。その場合は「窓下の壁にカビが生えていなかったですか?」と聞いてみてください。

窓ビードレール図

 次にレールやビードのカビが確認できれば、窓の断熱性能が少し不十分であるとの判断になります。この部分の少しのカビが健康上の問題を引き起こす可能性は低いですが、窓の断熱性能が低いことによって前回述べたような問題があるという判断になります。

 また、そうした窓になっている住宅の多くは「窓以外の断熱性能も低い」というのが一般的です。そういう意味でも「窓周りのカビのチェック」は参考になります。なお浴室の窓については、かなり断熱性能の高い窓でもカビの発生をゼロにすることは難しく、換気や結露の拭き取りなどの暮らし方の影響が大きいので、その場所の判断は少々甘くしても構いません。

チェック2:具体的な断熱性能を聞く

 さらに確実に快適・健康な住まいを選びたいのであれば、所有者や不動産業者に「具体的な断熱性能」を聞いてください。そのときの判断基準は次のようになります。

  • ○最低限の快適・健康を確保したい→現在の省エネルギー基準を満たしている
  • ○さらに高いレベルの快適・健康を確保したい→現在の省エネルギー基準の1.5倍程度の断熱性能がある

 ここでみなさんが(一般の生活者が)、現在の省エネ基準の内容を理解する必要はありません。引越し先の住宅の所有者(もしくは不動産業者)に「断熱性能は現在の省エネルギー基準程度ですか、さらにはその1.5倍程度ですか?」と尋ねればよいのです。そうして尋ねたときに答えられないところは「知識が不十分」ということで、選択から除くことをオススメします。

 知識を持っているところであれば、現在の省エネルギー基準を満たしているかどうかはすぐにわかるはずですし、「現在の省エネルギー基準の1.5倍程度ですか?」という質問に対しては「この地域の基準のUA値(※)はこれくらいで、この建物のUA値はその3分の2よりも小さいので1.5倍以上と考えられます」というような答えが返ってくるはずです。
 (※ 建物全体の断熱性能の指標で、値が小さいほど熱が逃げにくく、省エネルギー性能が高い。)

「すでに建っている住まい(既存住宅)に引っ越す予定のある方」は、チェックポイントを参考に購入や賃貸入居を検討してみて下さい。

さて次回は、トイレや洗面所といった毎日使う水回りの快適性をどのように実現すれば良いかお話します。

Profile

野池 政宏

Forward to 1985 energy life代表理事。
「小さなエネルギーで豊かに暮らせる住まい」の普及をライフワークとし、パッシブデザインや省エネ住宅に関する、理論的で幅広い情報提供を継続的に行っている。
主な著書に「小さなエネルギーで豊かに暮らせる住まいをつくる」「パッシブデザインの住まいと暮らし」「本当にすごいエコ住宅をつくる方法」。

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