健康被害の最たるものが、浴室におけるヒートショックである。暖かいリビングから、寒い洗面室に行き、脱衣をすることでさらに寒さを感じる。その結果、体温を維持するために血圧が上昇する。浴室では裸になって、さらに寒さを感じて、血圧の上昇。熱い湯船に浸かる時に、血圧の急降下を招き、溺死あるいは心臓停止になってしまう恐れがある。これを防ぐためには水回りを改良するに限る。一般的な在来工法の浴室は断熱を施しにくいので、これを機会にユニットバスにすることをお勧めする。ユニットバスは乾式工法といって、防水工事をともなわない方法なので、その外側にきちんと断熱をできるというメリットがある。窓も比較的自由に開けられるので、ユニットバスの上下と壁に断熱材を入れることで、浴室のヒートショックのリスクは下げることができる。
洗面室などは現在ある壁(プラスターボード(図1))を剥がし、断熱材が予め内側に接着されたプラスターボードで貼り直す。これだと施工性が良く、洗面室も狭くなりにくい。(プラスターボードは一般的な壁の素材)
窓は現在の窓の上から施工できるタイプのものがお勧めだ。樹脂製窓の複層ガラス(図2)が望ましい。
樹脂はアルミよりはるかに熱を伝えにくいので、断熱性能が高く、結露しにくい。
浴室や洗面室の窓は少し小さくなっても、施工性を優先させた方が良いだろう。通気をしやすくするために、以前流行ったジャロジー窓(図3)はどうやっても密閉性が取れないので、撤去した方がいいだろう。予算的にはこれで120~150万円といったところである。