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COOL CHOICE エコ住キャンペーン 省エネ住宅で解決!みんなの住まいの困りごと COOL CHOICE エコ住キャンペーン 省エネ住宅で解決!みんなの住まいの困りごと

快適・省エネ住宅のプロフェッショナル 野池政宏さんが行く!
株式会社WELLNEST HOME 大阪和泉府中の家 体験宿泊レポート

今回野池さんが体験宿泊したのは

株式会社WELLNEST HOME 大阪和泉府中の家
所在地:大阪府和泉市肥子町2丁目4-12
間取り:3LDK
モデルハウス詳細
https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/jutaku/zeh/2018/10.html

 1月7日に私が訪れたのは大阪府和泉市にあるZEHのモデルハウス兼事務所。とても感じの良い担当者から説明を受けながら、住宅内を見せてもらいました。

エアコンを使わず朝を迎えると・・・

 開放的なリビングには階段があり、2階のホールにつながっています。私が到着した18時頃は1階と2階のエアコンが動いていて、室温は1階のリビングが24℃くらい、2階ホールが23℃くらいとすこぶる快適でした。閉めている室内のドアはトイレくらいでしたが、そのトイレも含めて家全体の室温差はほとんど感じませんでした。担当者やスタッフは18時過ぎには帰宅され、少しだけ仕事を済ませてエアコンを止め、外に夕食を摂りに行きました。

 戻ってきたのは20時頃。外出時とほとんど室温に変化はありません。エアコンを消したまま軽装に着替えて溜まっていたデスクワークをやっつけ、23時頃には就寝。寝室の部屋のドアも開けっ放しのままにしておきました。そのときの室温はリビングが22℃くらい、ホールは23℃くらいでした(寝室もほとんど同じ室温だったはずです)。

 起床は6時。普段は帰宅も遅く、あまり睡眠時間が取れていないので、久しぶりの十分な睡眠時間が確保でき、しかもまだ室温は20.5℃もあって、ノンストレスな目覚めでした。つまり23時から6時の7時間で、室温は2.5℃程度しか低下していなかったということです。ちなみにこの日の外気温を気象庁のホームページで調べてみると、現地の少し北にある堺市で、この23時から6時の間はほとんど1℃を切っていました。エアコンをつけていない状態で、外と中との温度差(内外温度差)が22℃から19.5℃までしか減少しなかったということになります。

住まいの保温性能は簡単に分かる

 建物の保温性能の高さを見るには、夜中に暖房を切った状態での内外温度差の変化を見るのが適切です。保温性能(断熱・気密性能)が低ければ、熱が外にたくさん逃げていくことで室温が外気温に近づいていき、内外温度差が小さくなります。逆に保温性能が高ければ、内外温度差の減少は抑えられます。実際、この住宅の断熱仕様のレベルを示すUA値は0.27W/m2K(保温性能を示すQ値は0.76W/m2K)、気密性能を示すÇ値は0.3cm2/m2と、極めて高い保温性能を持った住宅という評価になります。もしいまの省エネルギー基準で定められているUA値の基準値程度の断熱性能を持った住宅であれば、おそらく23時から6時までの内外温度差は22℃から11℃程度まで減少し、6時の寝室の室温は12℃くらいになったと思います。朝6時の室温で比べれば、今回宿泊させてもらった住宅は8.5℃も暖かいということです。

 また今回は冬の宿泊でしたが、ほとんどの窓に外付ブランドが設置されていて、夏の涼しさと冷房エネルギー削減を実現するためのしっかりとした配慮があり、感心しました。

当住宅のエネルギー消費量

 この住宅のエネルギー消費量を知りたく、1年間の月ごとの電力消費量を教えてもらいました。この住宅はオール電化なので、この数値がすべてのエネルギー消費量になります。

 1年間のエネルギー消費量をJ単位で計算すれば47.6GJとなり、いまの平均的な新築住宅で予想される80GJ程度のエネルギー消費量(大阪府和泉市と同様の気象条件の場合)と比べて、およそ60%に抑えられていると言えます。ただし、この住宅では実際の家族が暮らしておらず、とくに給湯エネルギー消費量が実際よりも少なくなっていることを考慮する必要があります。担当者に、この住宅で体験宿泊者が入浴する頻度をお聞きしてざっくり予想すれば、もし実際に家族が暮らすと想定した場合の年間エネルギー消費量は60GJ~65GJ程度となりそうです。しかし、この住宅は一般的な「居室にいるときだけ居室を冷暖房する」という冷暖房の方法ではなく、「ほとんどすべての部屋を冷暖房する」という冷暖房の方法であり、快適性や健康性のレベルが高く保たれている上で、平均的な新築住宅よりもかなり少ないエネルギー消費量になっていることに注目すべきでしょう。

 生活のベースになるのが住宅であり、これまでの我が国の住宅が抱えていた「寒い、暑い」という大きなストレスから開放されるべきであること、また国全体で省エネルギーを大きく進めていく必要があることを考えれば、今回訪れたような住宅が普及することの重要性を改めて感じた今回の宿泊体験でした。

Profile

野池 政宏

Forward to 1985 energy life代表理事。
「小さなエネルギーで豊かに暮らせる住まい」の普及をライフワークとし、パッシブデザインや省エネ住宅に関する、理論的で幅広い情報提供を継続的に行っている。
主な著書に「小さなエネルギーで豊かに暮らせる住まいをつくる」「パッシブデザインの住まいと暮らし」「本当にすごいエコ住宅をつくる方法」。

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