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水素基本戦略を改定
~水素社会実現に向けた環境省の取り組み~

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方針、ロードマップ

水素は製造において多様な再生可能エネルギーを活用でき、利用ではCO2を排出せずに燃料電池等で電気や熱を効率的に取り出すことができることから、2050年カーボンニュートラル達成に向けて活用が期待されています。

こうした中、政府は令和5年6月6日に再生可能エネルギー・水素等関係閣僚会議にて「水素基本戦略」を改定するなど、水素社会実現の加速化に取り組んでいます。この水素基本戦略では、水素社会実現を加速化するため、新たに2040 年における水素導入目標を 1,200 万トン/年と設定し、規制・支援一体型の制度の構築に取り組むことが明記されております。

また、地域での水素製造・利活用に一層取り組むことも明記されており、これに関して環境省では2015年から実証事業に取り組んできております。ここでは、実証のうち、福島県浪江町で実施している「最適運用管理システムを活用した低コスト再エネ水素サプライチェーン構築・実証」と、北海道鹿追町で実施した「家畜ふん尿由来水素を活用した水素サプライチェーン実証事業」をご紹介します。

福島県浪江町における実証事業

(最適運用管理システムを活用した低コスト再エネ水素サプライチェーン構築・実証)

浪江町は、世界最大級の水電解装置(10MW)を備えた水素製造施設「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」が立地し、国内外の自治体との連携など様々な水素関連の取組が行われています。

浪江町における環境省の実証事業では、FH2Rにて製造した水素を、圧縮水素トレーラーやカードルを活用して輸送し、近隣の公共施設等での燃料電池や燃料電池自動車等で利用します。また、浪江町では、2026年度までに水素を中心とした未来のまちづくり(浪江駅前再開発計画)を軸とした更なる水素の利活用が予定されています。

「いこいの村」に設置されている燃料電池
浪江町役場に設置されている簡易型水素ステーション
浪江町で使用しているFCV

北海道鹿追町における実証事業

(家畜ふん尿由来水素を活用した水素サプライチェーン実証事業)

北海道十勝地区の鹿追町にある「鹿追町環境保全センター」の既存メタン発酵施設では、酪農家の牛舎から発生した家畜ふん尿を発酵することで得られるバイオガスを用いて発電・熱利用しています。

環境省が採択した「家畜ふん尿由来水素を活用した水素サプライチェーン実証事業」では、「しかおい水素ファーム」を新たに整備し、バイオガスから水素を製造し、燃料電池による電気・熱の供給と燃料電池自動車(FCV)・燃料電池フォークリフト(FCフォークリフト)・簡易型水素充填車等に利用するサプライチェーンのモデルを実証しました。

「しかおい水素ファーム」で製造した水素は、水素製造設備に隣接する定置式水素ステーション等で現在も販売しています。

「家畜ふん尿由来水素を活用した水素サプライチェーン実証事業」におけるサプライチェーンモデル
「しかおい水素ファーム」に隣接する定置式水素ステーション

この他に、

  • 環境省が取り組んできた事業(技術開発、実証、補助)
  • 水素に関する基礎知識や国内外の動向
  • 水素を体験できる施設情報
  • 水素にご興味のある企業や地方自治体の皆様向けのお役立ちツール
    (水素事業を進める際のガイドブック、地域の水素モデル判定ツール、GHG算定ツール等)
  • 各種応募情報

などについては、下記関連リンクの「脱炭素化に向けた水素サプライチェーン・プラットフォーム」をご覧ください。

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