受取サービス体験をした学生が考える再配達防止のアイデアとは?再配達防止のアイデア創発ワークショップを開催!
全国各地から学生が集結!
再配達防止サービス体験で感じた問題点を共有し、解決策を探る
環境省が推進する「COOL CHOICE できるだけ1回で受け取りませんかキャンペーン」の一環として6月から始まっている「みんなで宅配便再配達防止に取り組むプロジェクト」。このプロジェクトでは、日中の大半を留守にしがちな若年層に再配達防止を普及・啓発するためのアイデアを、学生と一緒に創ります。
今回は9月に環境省で行われた「再配達防止に向けてのアイデア会議」の様子をご紹介します。当日は首都圏や関西、九州などから16名の学生に集まっていただきました。彼らに再配達防止のために普段から気を付けていることを尋ねると、「受取時間帯を指定し、その時間に在宅しようとする」との答えが多く返ってきました。しかし実際は「指定した時間帯すべてに在宅することが難しい」「時間帯指定した日から受取予定日までの間に予定が変わってしまう」などの理由で、常に1回で受け取れているとは限らないようです。
参加した学生には、夏休み期間中に、「企業による宅配便管理サービス」や「コンビニ受け取り」 など、さまざまな再配達防止サービスを体験していただきました。さらに、体験したサービスの流れや利用した感想などをまとめたレポートを事前に提出してもらい、ワークショップに臨んでいただきました。
「外出先で受け取れて便利」「注文時から予定が変わっても受取日時を変えられる」再配達防止サービス体験で感じたメリットや改善要望は?
参加した学生は、各人が夏休み期間中に体験したさまざまな再配達防止サービスについて紹介し、そのサービスのよかった点や不便に感じた点などを率直に話し合っていただきました。
みなさんは「再配達防止サービス」と聞いてどんなサービスを思い浮かべるでしょうか?主な再配達防止サービスは「自宅以外の受け取り場所を指定するサービス」と「自宅受け取りの時間を指定しやすくするサービス」の2種類に分類できます。今回参加した学生のみなさんがどんなサービスを体験したのか、当日あがった感想や意見をまじえてご紹介しましょう。
【自宅以外の受け取り場所を指定するサービス】
(1)コンビニ受け取り
〇思っていたよりも簡単に手続きできた
〇日中自宅にいないことが多い人にとって、24時間利用できるコンビニで受け取れるのは便利
△重い荷物だと自宅まで持ち帰るのが大変
△商品によっては注文時にコンビニ受け取りを選べない
(2)宅配ロッカー受け取り
〇指定した期間内で好きな時間に荷物をピックアップできる
○最寄り駅にある宅配ロッカーを指定できた
△ロッカーが設置されている場所が少ない、自宅から遠い
△荷物の保管期間が短い
(3)宅配事業者の営業所受け取り
○自宅近くの営業所で受け取れた、都市部のように近くに営業所が多くある地域だと特に便利
○外出ついでに立ち寄って荷物を受け取れる
△自宅近くの営業所の営業時間内に受け取りに行くのが難しい
△国際便に対応していない宅配事業者もある
【自宅受け取りの時間を指定しやすくするサービス】
(1)宅配事業者公式アプリ、無料通話アプリ公式アカウントの利用
〇無料通話アプリのトーク画面はいつも使い慣れているので、気軽に使えた
〇細かい受け取り時間変更ができた
△企業ごとにアプリをダウンロードするのが面倒
△サービス利用開始までの手続きが分かりにくかった
(2)宅配便管理アプリの利用
〇いろんなショップで買った商品の配送状況を1ヶ所で確認できて便利
○伝票番号を入力してすぐに、荷物がどこから何時に発送されたのかが分かる
△アプリの使い方がよくわからなかった
△配達の通知機能がない
参加した学生の中には、「プロジェクトへの参加をきっかけに、再配達を防げるサービスがこんなにたくさんあることを初めて知った」という人も。一方で、「サービスはたくさんあるけど、どの方法が最適なのか判断が難しい」との声もあがりました。
再配達防止サービスの便利さをもっと知ってもらいたい!
同世代へ効果的に伝わり、拡散できる方法を考えよう
続いて、体験で得た発見や気づき、それぞれのサービスのメリットとデメリットを踏まえて、チームごとに再配達防止サービスの存在や便利さをPRするためのアイデアを考えます。
みなさんと同世代の人たちに再配達防止サービスを知ってもらい、行動を喚起するために、どんなアイデアが飛び出すのでしょうか?じっくり議論を重ねた後、チームごとのアイデアを全員の前で発表していただきました。
Aチーム
「体験したサービスのうち、コンビニ受け取りが一番便利だと感じました」と話すAチームからは、コンビニ受け取りの認知度を上げ、利用者数を増やしていくためのキャンペーン案がいくつもあがります。
人気キャラクターのグッズや有名人のライブチケットが当たるといったキャンペーンに加え、スマートフォン向け位置情報ゲームアプリのようなゲーム性をもたせて『受け取り店舗によって異なるマスコットをもらえる』と告知したら、受け取り店舗に関する情報交換が盛んに行われるようになるのでは?」とのアイデアを紹介してくれました。
Bチーム
サービス体験後の感想で「無料通話アプリは普段から使い慣れているので利用しやすかった」との反応が多くあがった無料通話アプリの利用者数アップ策を考えたのはBチーム。「登録したら、かわいい無料スタンプがもらえる」などの特典をつけるだけでなく、「友だち登録直後にサービスの使い方やメリットを分かりやすく伝える」といったブロック防止策もあわせて提案してくれました。
さらにBチームからは「不在連絡票のデザインを工夫して、1回で受け取れる方法や時間帯指定サービスアプリのQRコードを分かりやすく見せる」といったアイデアも飛び出しました。不在連絡票を次回の再配達防止につなげるツールにする発想がユニークですね。
Cチーム
Cチームは、再配達問題そのものを知らない人に向けて分かりやすくメッセージを伝える方法について話し合いました。「テレビ広告だけでなく、コンビニや電車内など普段よく利用する場所でメッセージを流し続けると、知らない人にも再配達防止のメッセージを刷り込みやすくなるのではないか」「ECサイトで商品を注文するときに再配達防止のメッセージが流れたら、記憶に残りやすいかも」といった意見があがりました。
また、問題を知っていても再配達を依頼してしまう人に対するPR案として、「1回で受け取れると宣言した人の中から抽選で、数名に有名人が直接荷物を届けてくれるとか!?」と驚きのアイデアが返ってきました。
若者ならではの視点から生まれたアイデアをカタチに
引き続き、学生のみなさんにもぜひ参画してほしい
ワークショップの様子を見ていた環境省の加藤は、3チームの発表を聴いてPRのアイデアをさらに深めることができたとのこと。「荷物を1回で受け取った人にインセンティブを付けるアイデアは、もっと掘り下げて考えられるでしょう。再配達問題を広く知ってもらうには、動画などで直感的に分かりやすく伝える工夫が必要そうですね」と講評しました。
再配達防止サービスの実体験に基づいて生まれた数々のアイデアや意見は、これからの再配達防止PRや各種施策に活かしてまいります。学生のみなさんには、アイデアを出して終わるのではなく、引き続き具体的なカタチにするまでのプロセスにも参画していただけると嬉しいです。