コストゼロですぐに始められる!個人の荷物も職場受け取り
宅配便を職場で受け取れる
今や生活に欠かすことのできない宅配便。衣類やグッズ、書籍に食材など、あらゆるものを自宅まで素早く、確実に荷物を運んでくれます。その数、実に年間43億個以上(※1)。それだけに輸送に必要なエネルギーが大きく、これを少なくすることによるCO2削減量は大きいです。
そんな便利な宅配便ですが、なかなか家で受け取れないし、最近増えているらしい宅配ロッカーも近所にはない、という方も多いのではないでしょうか。
そんな時、確実な受け取り場所の一つとして「職場」があります。
職場だと、本人が不在にしていても、誰かが代わりに受け取ってくれます。大きなコストや新しいシステム開発をかけずにできる取組なのです。
- (※1)国土交通省「平成30年度 宅配便取扱実績について」
職場受け取りはじめました ~京都府の取り組み
では、どうしたら始められるのか?
それには、職場の責任者が「職場で受け取ってOK!」と周知するだけでいいという、実にシンプルな仕組みです。職場受け取りを利用する人は、送り先に会社の住所を記載して、本人の名前を書くだけ。誰でもできるCOOL CHOICE(賢い選択)です。
京都府地球温暖化防止活動推進センター(以下、「京都府センター」という。)では、クリスマスやお歳暮、おせち料理等で宅配が増える12月をキャンペーン期間として「職場受け取りチャレンジ」に取り組みました。2018年度には21の事業所が参加して、1か月のチャレンジ期間中に合計83回の「職場受け取り」が実現しました。
実際に職場受け取りを体験した人たちからは、「確実に受け取れて、再配達の手続きいらず。受取のために慌てて帰宅しなくてもよくなりました」「休日に時間指定して自宅で待機しなくてもよくて、ストレス減りました」といった声のほか、「子どもへのクリスマスプレゼントをこっそり購入したのに便利でした」なんて声も。
そして、もちろん宅配業者さんにも好評です。「日中に配達することができるので、夜間の配達が減って助かる」「複数の配達先をまとめることにもなり、配達件数が減って助かる」などの声が。荷物を受け取る人にも、届ける人にもwin-winな取組になっていることがわかります。
京都府センターでは、SDGsの目標に合わせて、6つの効果として整理しています。
もっと全国に広げたい~静岡県でも~
静岡県でも、温暖化防止の県民運動「ふじのくにCOOLチャレンジ」の一環で、静岡県地球温暖化防止活動センター(以下、「静岡県センター」という。)が呼びかけ、宅配便の職場受け取りを進めました。
「ふじのくにCOOLチャレンジ」では、温暖化防止につながるエコアクションを行うとクールポイントが獲得できるアプリ「クルポ」を展開。クールポイントが30ポイントで、県内で使える食事券や商品券などの商品が当たる抽選に応募できる仕組みです。宅配便の職場受け取りは10ポイントゲット。
職場受け取りに参加した事業所は46社で、114回の職場受け取りがありました。
ここでも、「同じ商品を注文して、4名分まとめて代引きで受け取れて、手数料の負担も4分の1とお得になりました」「この活動で再配達が減少してくれればよいと思い継続していきます」などの声があったほか、県民から1,700以上の声が寄せられ、関心の高さが伺えました。
宅配便の「職場受け取り」、どこの地域でも取り組めます。さすがに重いもの、かさばるものは自宅まで届けてもらいたいのですが、かばんや手提げに入るサイズまでは「職場受け取り」で。皆さんの職場でも取り組んでみてはいかがでしょうか。